
「そうだ!FP(ファイナンシャルプランナー)に相談しにいってみよう!」
そう思って調べてみると、相談料やサービスがFPによってバラバラで結局どこに相談すれば良いか分からなくなってしまった…。
という経験はありませんか?
事実、FPと一口に言っても、FPの種類や提供している内容は様々。さらに、FP個人のレベルやお金に関する考え方もそれぞれなのです。
しかしご安心ください!
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では、
現役FPの目線から、(裏側とも言うべき)ファイナンシャルプランナーの個別相談の値段やサービスについて
を解説いたします。
後半の3章では「無料相談か有料相談、どちらにすれば良いか?」の判断ポイントを。
そして最後に、良いファイナンシャルプランナーの見つけ方をご案内いたします。
ぜひ、ファイナンシャルプランナーへの相談を決める前に読んでみてください。
有限会社ライフドアーズ 代表:中澤俊輔
目次
1 相談料は1時間あたり0円(無料)~2万円超!なぜこんなに違うの?
日本FP協会の「1時間当たりの相談料の調査結果」によると、FP協会認定のファイナンシャルプランナーが設定している1時間当たりの相談料は、おおむね5,000円~10,000円台の範囲が多くなっています。
※相談料(1時間) | 割合(無回答を除く) |
5,000円未満 | 25% |
5,000 〜 10,000円未満 | 41% |
10,000 〜 20,000円未満 | 28% |
20,000円以上 | 2% |
※平成23年ファイナンシャル・プランナー業務調査より作成
※FP協会認定のファイナンシャルプランナーが設定している1時間当たりの相談料
同じ資格保有者の間でもそこそこ幅があるようですが、実際には「0円」、つまり無料相談も多数あります。
この違い、値段の幅の理由は何なのでしょうか。
「サービスレベルや内容が違うの?」
「値段が高いほうが良いの?」
次章では、その疑問を解決いたします。
2 相談料は、必ずしもサービス内容やレベルで決まるわけではない
実は、相談料は、必ずしもサービス内容やレベルで決まるわけではありません。
(もちろん、面談の申し込みが殺到しているファイナンシャルプランナーの単価が上がる、といった需給の要素等がないわけではありません。)
実は、その事務所のビジネス形態の影響をより強く受けているものなのです。
したがって、そのファイナンシャルプランナーのバックグラウンドである、所属先事務所や所属企業のビジネスによっておおまかに傾向をつかむことができます。
2-1 無料相談を行っているファイナンシャルプランナー
大きくは、2つに分けられる事が多いです。
■独立系ファイナンシャルプランナー
独立系FP事務所に所属する、金融商品を販売できる(販売資格のある)ファイナンシャルプランナー
■企業系ファイナンシャルプランナー
金融機関(銀行、証券会社、保険会社など)に所属するファイナンシャルプランナー
商品販売時には金融機関から販売(仲介)手数料が入るので、相談自体は無料で行うことが可能になります。
それぞれの所属組織による特徴や、考えられるメリットとデメリットは下記の通りです。
独立系ファイナンシャルプランナー
(IFA = Independent Financial Adviser)
金融機関とは独立して事業を行うファイナンシャルプランナー事務所です。お金に関する「相談」だけでなく、「金融機関の代理店業務」を行っていることが特徴です。
【メリット】
- 中立的な立ち位置から幅広い提案が可能
金融機関から独立した事務所として、保険、投資信託等の金融商品を横断的に、また同種の商品であっても同業他社のものを比較して勧めることができる
- 金融商品の選定から契約まで任せられる
相談者のライフプランに沿ったお金の相談を受け、必要に応じて金融商品の選定から契約までを一括して提供できる
【デメリット】
- 完全中立かどうかを見極める必要がある
手数料収入がビジネスの柱なので、完全中立かどうかは見極める必要がある
また一つ注意点としては、一口に独立系FPといっても、必ずしもあらゆる金融商品に詳しいとは限らないことです。
資格保有者の有無により、投資信託専門(金融商品仲介業のみ)、保険専門(保険代理業のみ)、住宅ローン専門(銀行代理業のみ)のIFA事務所もあります。
自分の相談したい分野に強み、経験があるか、相談したい内容がカバーされていそうかどうかは、個別にFP事務所に確認してみてください。
【企業系ファイナンシャルプランナー】
保険、株や投資信託、不動産ローンなどの金融商品を扱う企業に所属するファイナンシャルプランナーです。
・保険業界のTLC(トータルライフコンサルタント)
・銀行業務検定協会が主催するFA(ファイナンシャルアドバイザー)やAFA(アシスタントファイナンシャルアドバイザー)
・不動産の宅地建物取引士
など、各業界団体認定の資格を併せ持っている社員ファイナンシャルプランナーも多く、業界に強みがあるといえます。
一般的には、個人がこれらの企業と、直接契約しているケースが多いです。
購入したい商品が固まっているケースでは、直接契約が早いと言えます。
【メリット】
- 所属する会社の商品についてはすぐに契約できる
所属する会社の商品については詳しく、契約までワンストップで行える
【デメリット】
- 自社商品以外の知識があるとは限らない
各社の属する金融商品には詳しいが、それ以外の商材(保険のFPであれば、不動産など)について知識があるとは限らない
- 販売商材に制限がある
立場上、自社商品しか勧められない、販売できない
- 長い付き合いがしにくい
契約担当者が変わりやすい
2-2 有料相談を行っているファイナンシャルプランナー
【「相談」のみを取り扱っているファイナンシャルプランナー事務所】
金融商品の販売を行わず、「相談」に特化しているファイナンシャルプランナー事務所です。
【メリット】
- 中立的な立場からアドバイスを行う
金融機関から独立し、商品の販売を行わないことで、完全に中立的な立場から相談に乗ることができる
【デメリット】
- 実行サポート(商品選定や購入手続き)がない
提案に基づき資産運用や保障を実現するには、別途、商品選定や購入手続きを相談者が自分で行う必要がある
- 具体的な商材の情報量が少ない可能性がある
金融商品は目まぐるしく進化や変更をしています。商品の販売を行わないビジネス形態だと、新商品の動向や、毎月のように変更がある個別の商品の詳細、具体的な変更点については、詳しくない可能性もあります
そのほか、割安な相談料で仲介も行う、有料と無料の中間的なビジネス形態の事務所もあります。
おおむね、それぞれの特長を踏まえたところで、どうすれば自分に合ったファイナンシャルプランナーを見つければよいのか?を考えなくてはいけません。
次章では、自分に合ったファイナンシャルプランナー選びのコツをお伝えしていきます。
3 自分に合ったファイナンシャルプランナーの選び方とコツ
ファイナンシャルプランナーに相談できることは、一言で言うと「お金に関することであればなんでも」です。
少しでもご自身のお金について不安なことがあれば、一人で悩まずに相談に行くことをお勧めします。
ただ、事前に「これについての(お金の)悩み」というのが分かっていると、どのようなファイナンシャルプランナーに相談に行けば良いかが分かり、問題解決がよりスピーディーになる可能性が高いです。
具体的な、ファイナンシャルプランナーに相談できることを挙げてみましょう。
【ファイナンシャルプランナーに相談できること】
・家計見直し(貯蓄方法)についての相談
・資産運用(NISA、確定拠出年金、投資信託の選び方など)についての相談
・保険加入、見直しについての相談
・住宅ローン(住宅購入)についての相談
・借り換えの相談
・ライフプラン作成についての相談
・相続についての相談
・節税に関する相談
※各リンク先に詳しい記事があります。すでに悩みがはっきりとされている場合、ぜひ読んでみてください。
では、これら相談は、どんなファイナンシャルプランナーに相談すべきか?いくつかの判断ポイントで絞り込んでいきましょう。
3-1 有料相談か無料相談かの判断ポイントは、相談内容の専門性
無料で問題ないケース
・家計の見直し(貯蓄について)
・一般的なレベルの資産運用
・保険・保障の相談や見直し
・住宅ローン、購入、借り換え
・ライフプランの作成
・漠然としたお金の悩み、不安
など
これらの一般的な相談であれば、無料相談で問題ありません。
ファイナンシャルプランナーは、税金や年金、投資や保険等の商品知識に加え、各制度(有利な税制など)の知識も幅広く持っています。
そのため、複数の領域にまたがる広い意味での『お金の悩み』に対応することができます。
一般的な相談であれば、ひと通りの対応が可能ですので、無料相談を除外する必要はないでしょう。
そういう意味では、資格を持ったファイナンシャルプランナーであることは一つの目安になるでしょう
ファイナンシャルプランナー資格について |
有料を積極的に検討すべきケース
・確定申告の必要な税金の相談
・複雑な相続
・離婚における年金分割などの専門知識が必要な相談
・他、お金以外のことも絡む特殊なケース
など
上記の場合は、有料相談を検討する必要があります。
有資格者(税理士、弁護士、司法書士)が必要な場合は、そういった専門資格をあわせ持つファイナンシャルプランナーや、有資格者の専門事務所にご相談ください。
3-2 お勧めは、幅広い対応ができる「独立系ファイナンシャルプランナー」
前章でお話した「無料で問題無いケース」のようなお金の相談は、独立系ファイナンシャルプランナーへ相談に行きましょう。
2章で挙げた通り、これらに所属するファイナンシャルプランナーであれば、あなたのお金の悩みを、総合的かつ幅広い選択肢の中から最適なものを選んでくれます。
また、ファイナンシャルプランナー事務所であれば、中長期で担当してもらえる可能性が高いというメリットもあります。
(前述しましたが、企業系ファイナンシャルプランナーの担当者の場合、部署異動や転勤・退職で担当が替わることがあります。)
もちろん、事務所や個人の得意分野や取り扱い分野は確認して、自分の相談したい内容がカバーされていることを確認しておきましょう。
独立系FP事務所の具体的な探し方は以下の記事で紹介しています。ぜひご確認ください。
関連記事3-3 最後は相性やスタンスも大切
相談業務は個人との面談なので、最終的には相性やスタンスといった点も重要です。
ここはなかなか見極めにくい点ですが、契約後のフォローや、何年か後に再度相談や見直しをしたいケースを考えると、実はのちのち大切になってくるポイントです。
この見極めですが、ファイナンシャルプランナー事務所や金融機関が行っているセミナーや説明会に参加してみることをお勧めします。
会社や講師のスタンスを確認すると、ファイナンシャルプランナー選びの参考になることが多くあります。
これらのセミナーや説明会は、通常は無料か安価な参加料ですし、ある程度の知識も得て、自分自身の学びにもなります。
ファイナンシャルプランナーの開催するセミナーの選び方については、以下の記事に紹介してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事4 良い相談にするために、簡単な準備をしておこう
有料・無料を問わず、簡単な準備をしておくことでスムーズな相談ができます。
限られた時間を有効に使うために、一般的な個別相談の流れとポイントを押さえておくとよいでしょう。
【事前準備】
「漠然とお金を増やしたい」「将来のお金が不安なので資産運用を始めたい」といった内容の場合は、
・直近の貯金金額
・資産の状況
を確認し、説明できるようにしておくとスムーズです。
※どういった内容の相談をしたいか、事前におおまかに伝えておくと更に良いでしょう。
【持っていくもの】
保険の見直し、資産運用などの具体的な相談がある場合は、関連する書類(保険証券、運用状況レポートなど)を持っていくとスムーズに相談が進みます。
【資料例】
・家計簿
・住宅ローン返済予定表
・保険証券や保険契約内容のお知らせ
・ねんきん定期便
・資産運用状況レポート(投資信託や株式を購入されている方)
よくわからない場合は、持ち物はなにも無くて構いません。問題なく相談は進められますのでご安心ください。
【相談の流れ】
相談内容、現状の状況、今後の希望を確認後、ファイナンシャルプランナーが現状の分析とライフプランニングの助言やシミュレーションを行います。
また必要に応じて、現在欠けている保障やお金を増やすための手段として、今後に向けたアクションのアドバイス、具体的な金融商品の提案を行います。
※当事務所に来られるご相談者様は、以下のような流れとなる場合が多いです。
【プランの実行】
商品の販売ができるファイナンシャルプランナーの場合は、ワンストップで契約作業も可能です。
関連記事「良い相談」とは、突き詰めれば「きちんと自分の悩みを解決してもらえること」です。
そのためには、最後の『行動』にまで落とし込まなければ意味がありません。
相談したファイナンシャルプランナーには、必ず提案内容を実行するところまでをプランニングしてもらってください。
最後に よいファイナンシャルプランナーとは
最後に、よいファイナンシャルプランナーの条件とは何でしょうか?
- どれだけ自分に時間を割いてくれるのか
- きちんと問題を把握して指摘してくれるか
- 親身になってくれるか、こちらの立場に立ったアドバイスか
- ライフプランや提案書がアウトプットとしてある場合は、その内容や説明の丁寧さ
- 相談者が求めれば、きちんとプランの実現とフォローアップで支援してくれる
人それぞれですが、基本的な部分として、当然のことをきちんとしてくれる人かを見極めたいものです。
人生の転機に、頼れる家計のパートナーとなってくれるはずのお金のプロ・ファイナンシャルプランナー。
自分の個人的な事情や性格を考慮したうえで、「個別の」解決策を知りたい場合は、やはり個別相談が近道です。
無料で問題ありませんので、まずは気軽に一度話をしてみると得られるものがあると思います。
多少手間はかかりますが、できれば何人か当たる気持ちで面談してみて、ずっと付き合えるファイナンシャルプランナーを探しあてられれば理想的です。
ぜひ、人生のパートナーのようなファイナンシャルプランナーを見つけてみてくださいね。