
なかなか貯金ができない
将来いくら貯めれば良いの?今の貯金額で大丈夫?
今の収支で家を買っても平気?
TVや雑誌の通りに節約しているけどなぜかうまくいかない・・
お金や家計についての悩みは次から次へと、なかなか尽きないものですよね。
1人で考えても結論が出ないし、誰かに相談したい。でもお金のことは家族や友達には相談しづらい……。このような方も多いのでは?
そんな方は、お金や家計について相談できる機関や専門家にぜひ相談してみましょう!
「どんな相談が出来るの?」
「どこに行けば相談できるの?」
「専門家ってなんだか敷居が高い……」
「私も相談した方が良いのかな?」
私はファイナンシャルプランナー(以下、FP)をしており、たくさんの家計相談を受けてきました。
今回の記事で、みなさんのこのような疑問を全て解決できたらと思っています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1、家計の相談ってなにができるの?
1-1 家計の相談で出来ることはお金の相談全般
“家計”と一口に言ってもアバウトすぎて「どんな相談が出来るの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
一般的に、家計の相談というと以下のような相談内容のイメージが強いと思います。
家計全般 |
・家計簿の付け方を教えてほしい ・私の家計で無駄なところはない? ・来年から一人暮らしの予定、家計のやりくりが不安 ・今の収支で家を買っても大丈夫? ・もっとお金を貯めたい!節約方法を教えてほしい |
しかし、実際にFPとして家計の相談を受けていると、根本的に解決したい悩みや心配事は別の部分にあって、結果的に下記のような相談に繋がるケースが多いです。
貯蓄 |
・将来に向けてどれだけ貯金しておけば安心? ・今の私の貯蓄額は少なすぎる?今のままでも大丈夫? |
老後 |
・老後資金を貯めたい、私にベストな方法を教えてほしい ・老後資金っていくらあれば足りる?みんないくら貯めてるの? |
資産運用 |
・資産運用に興味があるけどやり方がわからない ・初心者でもできる資産運用の方法を教えてほしい |
住宅 |
・どれくらいの住宅ローンなら無理なく返せる? ・住宅ローンの金利が下がっている、借り換えた方がお得? |
借金 |
・奨学金は一括返済すべき?それともこのまま毎月返した方がいい? ・借金がなかなか返し終わらない、何かいい方法は? |
税金 |
・何か良い節税方法はない? |
その他 |
・今は専業主婦だけど働きに出た方が良い? |
もちろんこれは相談内容の一部ですが、内容を見ると、家計の相談=お金の相談、とも言えますね。
つまり、一見「家計」とは結び付かないようなお金に関する悩みや心配事も、専門家に家計の相談をすることで解決が出来ます。
しかし、相談内容によっては収入や貯蓄額、お金の使い道などかなりプライベートな情報を伝えなければなりません。
それらを明かしてまで専門家などに家計やお金の相談をするメリットは何かを次章でお伝えします。
1-2 専門家や相談機関に家計の相談をするメリット
家計の悩みを相談することの1番のメリットは
「自分で考えるよりも手っ取り早く、将来のお金に関する悩みや不安が解消される」
という事です。
ではなぜ相談する方が手っ取り早く解決できるのか、理由は3つです。
①自分では気が付かなかった問題点がわかる
②漠然とした悩みを具体的にしていくことが出来る
③中立的な立場からアドバイスしてもらえる
1-2-1 自分では気が付かなかった問題点がわかる
FPとして私が家計の相談を受けていると、
「自分では問題と思っていなかったところが意外と問題だった」
「自分では気が付かない問題点があった」
ということがよくあります。
問題点が把握できて初めて、それにあった解決策を考えることが出来ます。
把握の段階から間違えてしまっては適した解決策は導き出せません。
1-2-2 漠然とした悩みを具体的にしていくことが出来る
家計の相談でよくあるのが
「なんとなく将来のお金の事が不安で心配です」
という相談です。
このような漠然とした悩みを解消するためには、様々なヒアリングを行い「なんとなくの部分を具体化する」作業が必要です。
そこから、具体的になった悩みに対しての解決策を考えていきます。ここは専門家の力が必要な部分です。
1-2-3 中立的な立場からアドバイスしてもらえる
家計について夫婦や家族だけで相談をすると喧嘩になることも多いです。
なぜなら、私情が入ってくるからです。そのため、意見が平行線のまま解決せずに問題が先送りに……。
FPとして相談を受けていると
「数年前から夫婦で話してはいたけど埒が明かなくて第三者にお願いした方が良いということになりました」
と夫婦で来店される方は多いです。
ですので、将来のお金や家計の不安を手っ取り早くなくすためには、1人で考え込まず専門家に相談することがベストです。
2 家計の相談先一覧
家計の相談先はいくつかあります。
相談できる内容に特徴があるので、自分にあっている相談先を見つけましょう。
FP | 市役所・社協 | 保険会社・保険ショップ | 携帯ショップ | |
家計全般 | ◎ | ✕ | △ | △ |
貯蓄 | ◎ | ✕ | ○ | ✕ |
教育資金 | ◎ | ✕ | ○ | ✕ |
老後資金 | ◎ | ✕ | ○ | ✕ |
生命保険 | ◎ | ✕ | ○ | ✕ |
資産運用 | ◎ | ✕ | △ | ✕ |
住宅ローン | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
借金(※) | △ | ○ | ✕ | ✕ |
公共料金 | ✕ | ○ | ✕ | ✕ |
通信費 | ✕ | ✕ | ✕ | ○ |
就労相談 | ✕ | ○ | ✕ | ✕ |
※借金の相談は、弁護士や司法書士に相談することもできます。
2-1 ファイナンシャルプランナー(FP)
・幅広く家計の相談をしたい
・どこに行くべきかわからなかった
このような方は、お金や家計の専門家であるFPに相談することをオススメします。
FPとは、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。
例えば「今の収入で7000万のマンションを買っても大丈夫?」という相談をFPが受けたとします。
その際FPは、ライフプラン表やキャッシュフロー表を作成し、今後起こるライフイベントや将来かかるお金などを考慮したうえで答えを出します。
お金に関する幅広い知識を備えているからこそ、相談者の「家計全体」から問題点を把握することができます。
時には自分自身で気が付くことのできなかった問題点まで把握してくれることもあります。
また、相談内容によってはFPよりも最適な機関や専門家(弁護士や税理士等)を紹介してくれます。
ですので、相談先がわからない方はとりあえずFPに行くのがオススメです。
▼詳しくはこちら▼
日本FP協会|FPとは
特に、 なぜなら、FP以外の相談先は家計の中でも一部の相談に限られています。ですから、幅広い相談内容に対応できません。 |
2-2 市役所・社会福祉協議会
FPが解決できない以下のような相談内容の方は、市役所などお住まいの自治体に相談すると解決できることが多いです。
・借金があり家計のやりくりに困っている
・仕事をリストラされてどうしていいかわからない
・生活が苦しく健康保険料や年金保険料が払えず未納が続いている
都道府県や市町村に相談窓口が設けられるようになり、
「生活に困窮している人」
「生活保護に至るおそれがある人」
等を対象に、暮らしに関するお金の相談にのってもらえるようになりました。
自治体によって支援の内容に違いがあるので、詳細はお住まいの自治体に問い合わせてみてください。 ▼詳しくはこちら▼ |
2-3 保険会社・保険ショップ
保険会社や保険ショップでも「家計相談」をしています。
「生命保険・損害保険」についてのみ相談したい方は、保険会社や保険ショップでも相談することができます。
ただし、相談の担当者はあくまでも生命保険の「営業マン」です。
保険以外の手段については紹介されないし、保険の勧誘ありきの相談になることが多いです。
他の手段も含めて比較検討したい方や、保険の見直しをするかどうかも含めて検討したい方は、FPに相談に行くことをオススメします。
■携帯ショップでの「家計の相談フェア」 最近では携帯ショップで「家計の相談フェア」というイベントを開催しているところもあります。結局は携帯料金の見直しや、お得な割引の紹介になります。 FPに相談に行った結果「通信費の見直しをするべき」とアドバイスを受けたら、足を運んでみましょう。 |
3 家計相談は独立系FPがおすすめ
2章で家計の相談先をお伝えしましたが、家計の相談は幅広い内容の相談ができるFPがおすすめです。
ただしFPといっても、企業に属している企業系FPと属していない独立系FPの2種類に分かれます。
相談は必ず「独立系FP」に行ってください。
主な違いは以下の通りです。
<独立系FP>
まさしくどこの企業にも属さずに活動している独立開業しているFPのこと
<企業系FP>
銀行・証券会社・保険会社など企業に属しているFPのこと
3-1 独立系FPがおすすめな理由
お金や家計の相談先として独立系FPがオススメな理由は以下の3つです。
① 包括性をもったアドバイスができる
→家計の一部だけでなく「全体」を捉えて問題点を把握する
② 効率性をもったアドバイスができる
相談にのるだけではなく様々な手段のなかから相談者に一番ベストな「解決策」をしっかり提示してくれる
③ 親近感をもったアドバイスができる
→1度きりだけでなく継続的にフォローしてもらえる
この3つの要素を持つのは独立系FPだけです。
▼以下の記事で、良いFPの条件・独立系FPの探し方を紹介しています▼
関連記事3-2 FPが行う家計相談の流れ
それぞれの独立系FP事務所によって多少の違いはあるかと思いますが、実際に、私たちのFP事務所が行っている家計相談の流れをご紹介します。
相談内容によっては、②の問題点の把握や解決策の提示は複数回にわたって行われることもあります。
疑問に思った事や、もう一度説明してほしい点などあれば遠慮せずにどんどん質問しましょう。
(何度質問しても親身になって答えてくれるFPは、今後もお付き合いしていくパートナーとして信頼できるといえますね。)
私が所属している独立系FP事務所でも、随時個別相談を受け付けています(オンライン相談可) |
3-3 独立系FPの家計相談事例
【FPからのアドバイス】
*収入と支出の把握*
まずは両親の収入や貯蓄額、わかる範囲での支出額をヒアリングしキャッシュフロー表を作成
↓
相談者の仕送りがないと月々は赤字。両親は今すぐに働ける状態にないため、自治体の相談窓口に連絡することを勧める
*今入っている保険の確認*
父親の保険内容を見ると、入院給付金が出るタイプだったのですぐに保険会社に連絡し給付金申請の準備と、介護保険金の特約、脳梗塞で払込免除になるオプションも付いていたので、父親の状態が該当しないかも併せて確認するように勧める
*保険の見直し*
相談者の保険は半年後には更新を迎えて保険料が上がるので、必要なら終身型の医療保険に見直すことを勧める。最低限の内容でも保険料は2000円程。
*自治体の制度活用の検討*
父親は軽度の認知症の症状が出始めているとのことで、さらに進行した時に備えて「地域包括支援センター」について伝え、必要があれば相談に行くことを勧める
*保険がおりました*
相談者が保険会社に連絡し、介護保険金500万円、入院給付金60万円が下り、さらに払込免除にも該当したため今後3万円の支払いはなくなった。
*自治体の制度活用と障害者手帳の取得*
母親は市役所と地域包括支援センターに相談に行き、自治体独自のタクシー割引サービスの申込をしたそう。また、精神障害者手帳を取得する方向で現在動いているとのこと。
*家計の見直しができた*
相談者は終身型の医療保険に見直し、携帯も格安スマホに変え月々の支出も節約できた。
*資産運用の開始*
また、今回の一件で貯金を一からし直さなくてはならないので、効率の良いお金の貯め方や資産運用に興味を持ち、資産運用も開始し始めた。
①FPに相談することで、まず何をしなければいけないか、どこに相談するのがベストかというのを整理できスムーズに動くことが出来た
②知らないままでは損をするような情報(生命保険の請求や、社会保障制度等)を知ることできた
4 家計相談でよくある質問
特になにもしなくて問題ありません。
相談内容に関連する資料があればお持ちください。なくても相談は可能です。
【資料例】
家計簿
住宅ローン返済予定表
保険証券や保険契約内容のお知らせ
ねんきん定期便
取引残高報告書(投資信託や株式を購入されている方)
など
個人情報は、頂いた情報の範囲内で相談にのることは可能です。
個人情報をお伝えしたくなければ、出さなくても構いません。
家計を改善する手段のひとつとして金融商品を紹介することがあります。
ただし紹介されたからと言って必ず加入すべきものではありません。不要、もしくは納得できないものであれば、はっきりと断りましょう。
多くのFP事務所で同席可としています。小さなお子様がいらっしゃる方は、FPがご自宅やご自宅近くの喫茶店等まで訪問してくれる事務所もあります。申込時にその旨をお伝えいただくと良いと思います。
まとめ
家計の相談場所について解説してきましたが、皆さんのお悩みにあった相談先は見つかりましたか?
アメリカでは、病気になったらお医者さん、トラブルが起きたら弁護士、お金に悩んだらFP、というように何かあったら専門家に相談するということが当たり前です。
これからの人生において気軽に「お金」の相談が出来るパートナーがいるのは心強いですよね。
この機会に、一度FPとはどんなものなのか相談に行ってみては?
FPに相談するのはなかなか踏み切れない、という方はマネーセミナーに参加してみるのもいいかもしれません。