義理の両親の介護に報いる遺産相続を実現!相続時・生前の対策5選

義理の両親の介護に報いる遺産相続を実現!相続時・生前の対策5選

実の両親ではなく、夫の両親(義父母)の介護をする人は多いと思います。

介護中もしくは終えた後、
「頑張って介護をしたのだから、私にも遺産の一部を受け取る権利があるんじゃないかしら?」
と考える方もいるのではないでしょうか?

実は、令和元年7月の民法改正により、介護に貢献したと認められれば、親族以外でも遺産分割の際に相続の権利を主張できるようになりました。

(以前は、介護をしても相続時に、介護に費やした労力分をもって、相続財産を多く受け取れる権利は、親族のみでした。)

しかし実際には、配偶者が義理の両親の遺産分割の際、スムーズに受け取るのは高いハードルがあります。遺産を受け取れるに値する介護をした証明が難しいからです。

この記事では、義理の両親の介護を行った場合における遺産相続について、介護で貢献した分を請求できる方法や、金額相場を解説します。

また、特にお伝えしたい点として、「遺産相続時、遺産を受け取ることが難しい場合に生前に確実に貢献分をもらえる対策』もあわせて紹介します。

被相続人の介護時からきちんと準備をしておくことがポイントです。

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1 義理の両親の介護で費やした労力は相続時に請求できる

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相続人ではない親族が被相続人の介護や看病を行った場合に、その費用や金銭を請求することが可能になりました。(令和元年7月、民法の改正より)

それまでは夫の両親を介護していたとしても、遺産相続の際にその恩恵を受けられませんでした。しかし長年、それは不公平だという指摘がなされていました。

その為、民法改正により、配偶者の両親の介護をしていた事実があれば、遺産分割において相続人の特別の寄与として認められるようになりました。

※特別の寄与とは
「特別の寄与」とは、被相続人(財産を残す人)と相続人(財産を受ける人)の身分関係に基づき、通常期待されるような程度を超える貢献の事をいいます。

2 義理の両親の介護で財産維持に貢献した分『特別寄与料』の請求方法と注意点

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2-1 介護で財産維持に貢献した分の請求方法と注意点

義理の両親の介護で財産維持に貢献した分を請求をするにあたり必要となるのが「特別寄与料」という考え方です。
これは、被相続人に対して、通常の寄与(被相続人に貢献すること)を超える労務の提供(介護サービス等)をした場合に与えられる金銭のことです。

請求方法

相続人の配偶者が遺産分割を受ける場合には、この特別寄与料を計算して請求します。

計算方法は次の通りです。

標準的なヘルパーの日当額 × 療養介護の日数 × 裁量的割合※
※裁量的割合は家庭裁判所に委ねられますが、0.5~0.7となることが一般的です。

日当額については上下しますが、6000円~8000円ほどにおさまることが多いです。

たとえば配偶者が義父の介護を1年間行った場合を考えてみましょう。このときの日当額と裁量的割合は仮に7000円と0.7だったとします。義父には3人の子どもがいて、相続人の人数は3人とします。

7000円 × 365日 × 0.7=1,788,500円 

約180万円と考えられます。

配偶者は約180万の特別寄与料を受け取ることが妥当と考えられ、3人の相続人それぞれは約60万円を配偶者に渡す計算となります。

注意点

「特別」というとおり、通常の寄与範囲では相続が認められません。同居して日常的な家事を手伝う程度の場合は通常の寄与範囲と判断されてしまいう為、請求できません

 被相続人と同居していた場合には、金銭的な援助を受けていたのではないかと判断されてしまうこともあり、相続権を与えられないというケースもあります

無償で通常考えられる範囲を超えた介護や、その他労務の提供をしっかりと証明できなければいけません。
特別寄与料の額は、当事者間の話し合いによって決められます。寄与の時期や方法、程度、相続財産の総額等の事情を考慮して算定されます。

当事者間で話がうまくまとまらない場合は家庭裁判所に持ち込まれることもあります。

2-2 相続時に義理の両親の介護で貢献した分の財産の請求は実際には難しい

 民法改正で、義理の両親の介護で貢献し、維持した財産分を、相続時に請求できるようになりましたが、実際には難しいと考えます。

相続人の配偶者が遺産分割による恩恵を受けるためには、特別寄与料を受けるに値することを証明する必要があります。

また、特別寄与料については法律等で金額や割合が決められているわけではなく、あくまでも相続人全体の合意を得て決められる必要があるためです。

寄与分を認めることは、他の相続人の受け取る財産が減ってしまう、ということになります。(そのため特別寄与料の請求をしても、あまりよい反応とはならないでしょう。)

また、「通常の寄与を超える労務を提供していた証明」が高いハードルとなります。同居して家事や最低限の介護をしていた程度では、特別の寄与とは認められないからです。

この”証明”は、たとえば、以下のようなものが必要となります。

・被相続人の配偶者による介護によって、有料介護施設に入ることなく自宅で過ごせた
あるいは
・その働きによって相続人の資産が保たれた

義理の両親に費やした労力分の請求は、遺産分割を受け取る権利が認められたとはいえ、受け取るまでのハードルは高いでしょう。

3.配偶者に協力してもらい、相続時に特別寄与料の請求以外でもらう方法

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前章で解説した通り、義理の両親の遺産分割協議に、なかなか、実の子ではない配偶者側から請求するのは気が引ける方も多いと思います。

しかし、遺産分割前であれば、介護で貢献した労力分の財産を受け取ることは可能となります。

そこでこの章では、配偶者である夫(法定相続人)に協力してもらい、義理の両親を介護してきた本人に財産を残す方法を5つ紹介していきます。

① 生前贈与により特別寄与者へ渡す

生前贈与により、財産を特別寄与者へ移転させる方法があります。

相続は被相続人が亡くなってから発生し、遺言書がない限りは法律にもとづいて財産分割がされます。
生前贈与であれば、被相続人が好きな相手に好きな金額の贈与が可能です。

亡くなる前に、相続人の配偶者である特別寄与人にあらかじめ財産を贈与することで、揉めることなく財産の移転ができます。

*生前贈与のポイント*
年間110万円以内の贈与であれば、贈与税はかかりません。

生前贈与については、一度受け取ったものは、義理の両親に返還する義務はありません。受け取る側からすると、確実にもらえる方法と言えます。

② 介護について働きに応じてその都度支払を行う

特別寄与者に対して、介護料として都度支払いを行えば、財産の受け渡しは簡単です。

この場合、受取人である特別寄与者は、受け取った財産を収入として扱うことになります。そのため所得税の課税対象となり、確定申告が必要になる場合もあります

こちらについても、義理の父親に返還義務はないので、確実に受け取れる方法です。

③ 遺言書に記載してもらう

遺言書に介護サービス費用相当分の財産の受取額を書いてもらう事も一つの方法です。

相続額の割合は法律で定められていますが、遺言書がある場合は、法定相続人(親族)以外でも、遺言書に記載された金額や割合、人が優先されます。

しかし、義理の両親に直接遺言書を書いてもらうのは言いづらいと思いますので、配偶者である夫に相談する方がよいでしょう。

遺言書に、相続人の配偶者へ財産贈与をする旨が記載されていれば、特別の寄与がなくても相続を受けることが可能です。(ただし、遺言は書き換えが可能なので、義理の両親との良好な関係の継続が重要となるでしょう。)
 
遺言書の書き方や保管方法等については、下記の記事に詳しく書いているので、ぜひ読んでみてください。

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④ 特別寄与者を生命保険の受取人とする

生命保険に加入していれば、亡くなったあとで保険金が支払われますが、その生命保険の受取人を特別寄与者に設定すれば財産を贈れます。

保険会社によっては、契約者を義父母にして、受取人を義理の娘や婿にする事が出来ないところもありますので、こちらについては専門家に相談してみると良いでしょう。

また、財産を残す側(被相続人)からすると、気持ちが変わった場合は、受取人を変更する事も可能ですので、遺言と同様、義理の両親との関係を保つことが大事です。

相談先については、下記の記事に詳しく記載してますので、読んでみてください

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⑤ 生前に被相続人と養子縁組を行う

養子縁組を行うことで、たとえ血縁関係にないとしても書類上は親子として認められます。
その為、遺産分割の際に、実の子と同じように、財産を受け取る事が可能となります。

しかし、財産目的で養子縁組に入ったと思われると、義理の兄弟に悪いイメージを与えかねません。

また、一度養子縁組にすると、取り消しは難しいので、ご両親や配偶者と相談して、進めていく方が良いでしょう。

まとめ

制度改正により相続人でなくても特別寄与料が認められるようになったとはいえ、受け取るまでには遺産分割協議で納得してもらうなど、非常に難しいでしょう。

他の相続人に納得してもらうためにも、生前から介護に関する費用や時間の記録を細かく行い、論理的な主張をできる状態にしておく必要があります。

そのため、今回の記事で紹介したような対策を検討してみてはいかがでしょうか。
具体的にどのように進めたらよいか相談したい場合は、義理の両親を介護している本人だけではなく、実の子である配偶者と、相続の専門家に相談するとよいでしょう。

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