任意後見と法定後見の違いは”自由”かどうか。私が任意後見を勧める理由

任意後見と法定後見の違い

後見制度に興味はあるけど、任意後見と法定後見の違いが分からない

どっちを利用した方がいいの?

と思っている方は多いのではないでしょうか?

大きな違い2つあります
・後見人(被後見人の財産や身の回りの管理をする人)を自由に選べるかどうか?
・被後見人の財産などを家族が自由に使えるかどうか?

任意後見の場合、お父さんを管理する権限が家族の人(後見人)にあるので、お父さんの財産の使い道などを自由に考えて使えます

しかし、法定後見になると管理する権限は後見人として選ばれた弁護士などの専門家になってしまうので、家族がお父さんの財産を自由に使えなくなってしまうことがあります。

想像してみてください。
あなたのお父さんに後見人をつけたいと思った時に、お父さん(被後見人)の財産や身の回りの管理を、あなた方ご家族で自由に使えるようにしたいですか?それとも、家庭裁判所が選んだ弁護士や司法書士などの専門家に任せたいでしょうか?

私は、家族の意向を組むことができる「任意後見」のほうがおすすめだと考えます。

この記事では
・任意後見と法定後見の違い
・任意後見が良い理由
・法定後見の問題点
・手続きの方法
・後見制度が必要ないケース
についてご紹介します。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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1 任意後見と法定後見の違いは主に6つ

任意後見と法定後見の違い

ここではあなたに後見人が必要なお父さんがいて、あなたが後見人になっているというのをイメージして表をみてみてください。

任意後見

法定後見

あなたがお父さんの財産を使えるか

あなたがお父さんの財産をどう使うか自由に決められる

弁護士などの専門家が財産の使い道を決めるのであなたは自由に使えない

後見人の選定

お父さんもしくはその家族が決められる

弁護士など専門家から、家庭裁判所によって選ばれる

後見制度が始まるタイミング

前もって任意後見契約締結した後、家庭裁判所で申し立てした後

家庭裁判所での後見開始審判の確定後

費用

<手続き> 
2.3万円(自分で行った場合)
 or
8~23万円(専門家に依頼した場合)

<後見人への報酬>
無償(親族が後見人になった場合)
or
月3~5万円(専門家に依頼した場合)

<監督人への報酬>
1~3万円

<手続き>
約10万円

<後見人への報酬>
月に2~6万円

<監督人への報酬>
1~3万円

後見人の監督者を決める人

家庭裁判所

家庭裁判所


2 家族の意向が汲める「任意後見」がおすすめ

任意後見がお勧め

2-1 任意後見では家族が後見人となり、管理することが一般的

任意後見制度は基本的に被後見人の家族や親族などの身内が後見人になることが多いです。

家族が後見人になることで被後見人の意思を尊重したお世話をすることができますし、被後見人の財産管理などが比較的自由に行えます。

2-2 法定後見と比べて任意後見制度にかかる費用は安い

身内が後見人となることが多い任意後見制度の費用は、法定後見に比べて安く済みます。

なぜなら法定後見は月に3~5万円後見人に支払わなければいけませんが、任意後見は後見人に対する報酬がいらないケースが多いです。必要なのは手続きの際にかかる費用と監督人に対する報酬のみとなります。

任意後見制度は公正証書にする必要があるため、その手続き費用として約3万円かかります。
※専門家(司法書士や弁護士)に依頼した場合、別途5万~20万円の費用が発生します。

項目金額
公正証書手数料
※枚数が4枚を超えるとき、1枚ごとに250円加算
1,1000円
法務局に収める印紙代2,600円
法務局への登記嘱託料1,400円
書き留め郵便料540円
製本謄本の作成料(1枚につき)250円
合計15,790円

上記1万5千円という金額は基本(最低)料金とお考えください。公正証書は一般的に、枚数が13枚前後のため2.8万円前後となることが多いです。

内訳は以下の通りです。
公正証書手数料が250円×(13枚-4枚)=2250円増
正本謄本作成料は250円×枚数分となります。それが、委任者分と受任者分作られるので、1万円程度になります。

任意後見制度利用の3ステップ
①まず後見人と後見人にしてもらいたいことを決める。

②次に決まったら被後見人と後見人が公証役場に行き、公正証書を作成する。
これで任意後見制度の契約が完了。

③最後に認知症などで被後見人の判断能力が低下したら、任意後見契約を行った人もしくは配偶者、四親等以内の親族が住所地の家庭裁判所で申し立てを行う。
こうして初めて任意後見契約が使えるようになります

3 法定後見制度は後見人への支払いが高く、被後見人の家族の意思を汲んでくれない場合があるので注意

法定後見は注意

法定後見制度の場合、家庭裁判所が選んだ後見人が被後見人やその家族の意見を聞いてくれない、また彼らに支払う費用が高いことで、後々もめ事に発展する場合もあります。

注意点① 家族のために自由にお金を使うことが難しくなる

家庭裁判所から選ばれた後見人は、被後見人の「お金を守る」ことが仕事となります。そのため、お金の使い方に関しては”自由”が効かないことが多くあります。
(家族側からしてみると、被後見人やその家族の気持ちや意見を汲むなど親身になって対応してくれない!と映ることもあります。)

法定後見人制度を利用し、後見人と家族の間で揉め事に発展してしまったというケースは実際に存在します。

■後見人の反対で被後見人と一緒に住まわせてもらえなかった
Aさんには軽度の認知症がある母がいて元々は一緒に暮らしていたが、子育てが終わるまでの間一時的に施設に入居させていた。施設での出費は母の預金から出していた。施設にいる間に認知症が進行したため、法定後見制度を利用し弁護士が後見人としてつくことになった。その後子育てがひと段落ついたので、施設から自宅に母を呼び戻そうとしたところ、後見人に「自宅での介護は費用が高くつくので、このまま施設に預けたほうがいい」と言われた。その後、何度後見人に頼んでも了解してもらえなかったので、母は施設に残らざるを得なかった。

このような事例は挙げればキリがありません。

注意点② 費用が高くなる傾向にある

先にお伝えしたように、専門家に支払う報酬は任意後見制度に比べると高いことも念頭に置かなくてはなりません。そしてこの費用は、高くても被後見人が亡くなるまで払い続けなければいけません。
(家庭裁判所が報酬額を決めるので、基本的に後から額を変更することは困難です。)

以上2点から、私としては、法定後見制度はできれば使ってほしくない制度です。


4 後見制度を使用する際に知っておきたいこと

後見制度を利用する際に知っておきたいこと

4-1 任意後見制度には契約できる期間が限定されているので注意

任意後見制度には契約できる期間が限られているので、利用したい人は注意が必要です。

この”期間”というのは、被後見人となる人の判断能力あるうちです。任意後見制度は、この期間内に契約しなければなりません。もしこの期間に契約出来なかった場合は法定後見制度しか利用できなくなります

例えば事故や認知症などの病状が悪化することで判断能力が衰え、財産管理が困難になってしまった場合は任意後見制度の利用が認められません。

なので将来後見人をつけたいと思っている方は、健康で自己判断がきちんとできるうちに任意後見制度の契約をしましょう

お子さんが障がい者である場合、任意後見制度はお子さんが未成年のうちにしか契約できず、その後は法定後見制度しか利用できないので注意しましょう。

4-2 被後見人の財産が少ない又は被後見人の管理をしてくれる人がいる場合には後見制度は不要

・被後見人の財産が少ない
・元々被後見人の財産管理をしてくれる人がいる
このような場合であれば、後見制度を利用する必要はありません。

財産が少なく被後見人の財産を守る必要がない、相続において金銭的なことで揉める心配がないのであれば、わざわざ第三者に財産管理を任せる必要はありません。

また、元々被後見人と家計を一緒にしている、自由に被後見人の預金を引き出せる状態にある場合も、同じです。

以上の例に当てはまる人は後見制度を使うべきか一度考えてみましょう。


まとめ

任意後見と法定後見の違い、それぞれの注意点や手続きについて解説してきましたが、いかがでしたか?

任意後見制度は後見人の選択が自由で、後見人をつけても費用を抑えられるという点で優れています。

将来自分や親族が困らないようにしたいけど、出来るだけ被後見人やその家族の意思を汲んだ管理をしてもらいたい、お金はあまりかけたくないという人は任意後見制度を検討してみてください。

もし後見制度について疑問や不安がある場合は、制度を利用する前に一度専門家に相談してみましょう。

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