【年金早見表】働き方別に受給額が分かる!年金の将来と老後対策3選

パソコンと女性

「老後の年金のことはよくわからない!」ですよね。

 実は老後の年金がいくらもらえるかという計算は非常に複雑です。

 なぜなら、年金の受給額は、支払った保険料の総額や加入期間で決まるのですが、そもそも、自分が60歳まで、いくら収入があってどのくらい保険料を支払っていくかはわかりませんよね。
 また、転職して就業形態が変わったり、独立(自営業)や結婚(扶養家族化)によって支払う保険料等が途中で変わったりするかもしれません。

 さらに、年金制度自体も改正によって保険料率や年金の金額なども変わってしまうので将来予測はかなりむずかしくなります。

 実際には、もらえる年金のはっきりとした金額は年金をもらってみるまではわからないのが現状でしょう。

 そこで、今回は働き方のパターン別に年金受給額を試算し早見表にしました自分のライフスタイルに一番近いものを参考に、まずは、おおよその目安を確認してください。

 しかし、実は将来もらえる年金の目安だけを確認してもあまり意味はありません。なぜなら、それは保障されたものではないからです。

 一つ例を挙げると、年金制度の改正は5年に一度行われますが、平成16年度に将来の年金の受取額を左右する大きな年金制度の改正が行われました。

 年金制度には、物価や給与が上がると、年金額も増えるという仕組みがあります。 (インフレになると年金も増える)

 従来は、物価や給与が上がれば、私たちが受け取る年金もある程度増える仕組みだったのですが、平成16年の制度改正で、物価や給与が上がって年金はあまり増えないという仕組みに切り替わりました。

 その結果、2043年度には、実質的な年金水準は今の約2割減になってしまうという試算もあります。
 このように、年金制度自体が、変化してしまいます。

 この記事では、現在の制度でだいだい年金がいくらくらいもらえるかということを、認し、さらに老後にかかる費用から、年金だけで生活ができるかどうか考えます。

 また、今後の年金制度の見通しを考慮し、年金だけでは老後の生活が難しそうな場合は、その対策も考えます。

 ぜひ、この記事を読んで、年金がいくらもらえるかという現状を認識するだけではなく、将来への対策まで考えてマネープランをスタートするきっかけにしてください。

初心者のためのマネースクール101
初心者のためのマネースクール101

目次

1 年金の支給開始は65歳から。4パターンでもらえる年金を試算し早見表にしました。

 昭和36年4月2日以降に生まれた男性
 昭和41年4月2日以降に生まれた女性

 は、年金がもらえるのは65歳からです。65歳からもらえる年金額を働き方のパターン別にまとめました。

 年金がいくらくらいもらえるかという計算は複雑ですので、次の4パターンから自分に近いものを選んでみてください。おおよその金額が分かります。

1-1 パターン1 会社員×専業主婦(夫は会社員、妻は30歳から専業主婦の場合)

年金額 毎月24.3万円
詳細

厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 98,658円/月

厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 13,869円/月

条件

20歳~会社員
 平均給与45万円

20歳~会社員
 平均給与25万円
30歳~専業主婦

1-2 パターン2 会社員×会社員(夫も妻もずっと会社員の場合)

年金額 毎月 30.5万円
詳細 厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 98,658円/月
厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 76,734円/月
条件 20歳~会社員
 平均給与45万円
20歳~会社員
 平均給与35万円

1-3 パターン3 自営業×専業主婦(夫は自営業、妻は30歳から専業主婦の場合)

年金額 毎月14.4万円
詳細 基礎年金
 64,942円/月
厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 13,869円/月
条件

20歳~自営業

20歳~会社員
 平均給与25万円
30歳~専業主婦

1-4 パターン4 会社員シングル(ずっと会社員(独身)の場合)

年金額 毎月14.1万円
詳細 厚生年金(定額)
 65,000円/月
厚生年金(報酬比例)
 76,734円/月
条件

20歳~会社員
 平均給与35万円

平均給与≒働いていた間の年収(賞与込)の平均÷12
20歳~60歳まで働いた場合は40年間の年収の平均となります。

2 老後の生活に必要な資金

 

2-1 老後の最低生活費は22万円。

 老後に必要な最低生活費は、夫婦で最低22万円/月です

 【老後の最低日常生活費】
       最低生活費

<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

 パターン1(会社員×専業主婦)の方は、ぎりぎりのラインです。
 パターン2(会社員×会社員)の方は十分足ります。
 パターン3(自営業×専業主婦)の方は足りなくなります。

 また独身の場合にかかる費用は、おおよそ夫婦二人で生活する場合の費用の7割と考えると毎月15.4万円/月必要となり、

 パターン4(シングル)の方は足りなくなってしまいます。

 

2-2 ゆとりある老後の生活費は34.9万円/月必要。

 ゆとりある老後の生活に必要な、上乗せ額は12.8万円/月です。このため、最低生活額にこの金額を足した、34.9万円/月が老後を楽しく過ごすためには必要な金額となってきます。

【ゆとりある老後に必要な生活費】

ゆとりある老後

 <生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

  パターン1パターン3パターン4の方は当然足りなくなってしまいますが、
  パターン2(会社員×会社員)の方でも足りなくなってしまいます。

2-3 60歳~65歳までに約2,000万必要ですが、仕事がないと収入はゼロ。

 公的年金は65歳からもらえます。もし、60歳で仕事を辞めてしまうと、65歳までは全く収入がありません。(※1)

 60歳~65歳の期間にゆとりをもって生活するために、毎月34.9万円必要と考えると、5年間では、

 34.9万円×12か月×5年=2,094万円

 必要となってきます。この期間働いている人は問題ないかもしれません。
 また、退職金等がもらえる人は、退職金等でまかなうこともできます。

 60歳で仕事を辞めてしまうと、年金をもらう65歳よりも前から老後のお金はかなり必要となってきます。

 ※1 昭和36年4月2日以降に生まれた男性。昭和41年4月2日以降に生まれた女性。
   それより、前に生まれたからは65歳よりも前に年金の一部がもらえるケースがあります。

3 今後の年金制度を取り巻く不安

3-1 人口が減少すると賦課方式の年金制度は維持できなくなります。

 現在の日本の年金は賦課方式による世代問の助け合いです。このような仕組みは、人口が毎年増加すれば問題はありません
 助けられる(年金をもらう)高齢者より、助ける(保険料を払う)現役世代の方が多くなるからです。

 人口が減っているときはどうなるでしょう?

 少子高齢化が進行すると、現役世代の人数が減り、高齢者の人数が増えます。

3-1-1 賦課方式の年金制度

 賦課方式のもとで高齢者の年金を維持しようとすると、現役世代の保険料負担が増えます
 現役世代の保険料を減らすと、高齢者の年金が減ってしまいます。

少子高齢化と年金

3-1-2 人口ピラミッドの変化

 少子高齢化の動きは下記のグラフの通り全くとまりません。その結果、
 

 1990年は現役世代5.1人で1人の高齢者を支えていた計算でした。
 2030年は現役世代1.7人で1人の高齢者を支える計算となります。 
 
人口ピラミッド

3-2 25年後(2043年)の年金は、実質約2割少なくなる。

 年金制度は、5年に一度改正をします。平成16年の年金改正で「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されました。

マクロ経済スライド

 年金額は賃金や物価が上昇(インフレ)になると増えていきますが、賃金や物価が上昇しても、年金額はあまり増やさないで上昇分は将来に積み立てていくという仕組みです。

 結果的に、インフレになっても年金はあまり増えないという状況になります。

 「マクロ経済スライド」を導入した結果、物価の上昇率よりも、年金額の上昇率の方が低くなってしましました。

 実際に具体的な数字で見ていきます。

 平成262014)年度は、所得代替率(*)62.7%でしたが、29年後の平成552043)年度には、所得代替率51%程度が予想されます。

手取り収入と年金

平成26(2014)年度 平成42(2030)年度 平成55(2043)年度
現役男子の手取り収入(a) 34.8万円 42.0万円 52.8万円
夫婦の年金受取額(b) 21.5万円 23.9万円 26.9万円
所得代替率(b/a) 62.7% 56.9% 51.0%

<平成26年「財政検証」(ケースC、人口中位)厚生労働省>

 上記の表のとおり、平成26年度と平成55年度をくらべると、手取り収入は29年間で1.5倍になっていますが、年金額は、29年間で1.25倍しか増えていません。

 つまり、年金受取額は、1.25倍になっているものの物価も上昇していることから、29年後の年金は、実質的には、約20%減っていることになります

所得代替率

 「所得代替率」とは、年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合か、を示すものです。

 たとえば、所得代替率50%といった場合は、そのときの現役世代の手取り収入の50%を年金として受け取れるということになります。

3-3 今後、支払う保険料が増えてしまう可能性もあります。

 平成26年の財政検証では、「もし年金制度が変わったら、将来の姿はどうなるか」という新たな試算が行われました。

 試算が行われたからといってすぐに年金制度が変わり負担が増えるわけではありませんが、情報としては持っていたいものです。

 年金制度を維持するというメリットはありますが、負担が増えるというデメリットもあるので注意が必要です

3-3-1 より多くの人から厚生年金の保険料を徴収すれば、年金制度が維持できる

 厚生年金の加入の対象者をパートやアルバイトにも広げることにより、保険料収入をさらに増やします。

 これにより全体としては年金水準を改善するメリットがあります。

 ただし、現在、保険料負担のない人や企業にとっては、保険料を支払わなくてはいけないということがデメリットとなります。

3-3-2 国民年金の保険料を65歳まで支払うことにすれば、年金を増やすことができる。

 現在、国民年金を支払う期間は、20歳~60歳までの40年間ことになっていますが、これを20歳~65歳までの45年間に伸ばそうということです。

 これにより将来もらえる基礎年金の金額が増えるかもしれないということがメリットとなります。

 しかし、結果的に支払う保険料5年分(*)増えるというデメリットとなります。
  *平成29年度の保険料をベースに考えると、16,490円×12か月×5年=989,400

3-4 日本経済が成長すれば、年金給付に使えるお金も増える。

 少子高齢化は年金水準を左右する大きな問題ですが、そればかりではありません。

 景気が上昇し、日本の経済がよくなってくれば、年金給付の水準もよくなってくる可能性があります。

 経済成長は、年金制度を維持していく点においては重要ポイントです。
 現在、日本はデフレで経済が停滞していますので、今後の経済の好転に期待したいものです。

パイが大きくなる

4 いまからできること、しなくてはいけないこと

 いままで、お話しした通り、老後は年金だけでは楽しく暮らしていけません。 

 また、保険料負担は増え、もらえる年金は少なくなるということで明るい見通しもありません。

 だからと言って、ぼーっとしているわけにはいきません。今から準備を始めていくことが大切です。

4-1 国も自助努力を推奨(iDeCo

 iDeCo(個人型確定拠出年金)は、平成29年から60歳未満の全ての人が加入可能となりました。

 「老後の準備を自分で頑張る人には資産運用の利益が出た時の税金を少なくしますよ。」という制度です。

 つまり、「老後の生活は公的年金だけでは難しいので自分でも頑張ってください!」と政府が言っているということです。

 このメッセージをどう受け取るかです。

 「いやいやそんなこと言っても先のことだし老後は何とかなるだろう」

 「やはり老後のことは心配だから早速考えていこう」

 あなたはどちらですか?

4-2 預金で積み立てていても難しいから資産運用をする

 現在、預貯金の金利は低い状況です。1990年代は定期預金の金利が6%を超えていた時代もありました。
 現在(2018年)は、定期預金の金利は0.01%です。これでは、なかなかお金は増えません。

 100万円を30年間0.01%で運用したら、1,003,004円となり、3,004円しか増えません。

 100万円を30年間6%で運用したら、5,743,491円となり、約474万増えます。

 低金利の今、預貯金などの安定・安心の商品は金利が低くてほとんどお金が増えません。

 楽しい老後のためには、貯めるだけではなくて増やすことが必要となってきます。お金を増やすべく、資産運用をすることが必要です。

4-3 早く始めることが大切

 お金を賢く増やすためには、「利子に利子が付く」という複利の仕組みを使っていくことが大切です。

 複利は時間をかけることによってその効果が増していきます。

 早く始めることでその大切な時間を確保できます。

 【毎月3万円を60歳まで積み立て。30歳から場合と40歳からした場合(複利6%)】

複利の力

 30歳から始めた場合は、60歳時には3,029万円になります。
 40歳から始めた場合は、60歳時には1,373万円になります。

 積立期間が違いますので、積み立てた金額も、360万円(3万円×12か月×10年分)違いますが、元本では360万円の差が、1,656万円の差になってしまいます。

 これこそが、時間の力を活用した「複利の力」です。

 積立を早く始めることによって、「複利の力」を使って楽々お金を増やすことができます。

 老後の準備をするのに早すぎるということはありません。

 一日でも早く始めましょう!

5 老後のための税金の有利なおすすめの資産運用方法3選

 資産運用をするときにもう一つ考えなくてはいけないのは、税金です。
 通常、資産運用には利益に対して税金がかかります。

 最近は、税金の有利な商品や制度が増えてきました。

 税金がかかる商品や制度よりも税金がかからない商品や制度の方がお得です。
 今回は、老後のための税金の有利な資産運用方法をまとめました。

5-1 お気軽に始められる「外貨建て個人年金」。個人年金保険料控除の活用。

 個人年金保険は、保険料が生命保険料控除の対象となり毎年節税できるメリットがあります。

 ただし、円建ての個人年金保険は金利が低すぎてほとんど増えませんので金利の高い外貨建ての個人年金保険がよいでしょう。

 金利には最低保障がありますので、外貨では元本割れはしませんが、為替レートの変動により、円で考えると元本を割れてしまう可能があります。

 保険料の支払いを途中でストップできるものや、減額できるタイプもありますので、ライフプランに合わせてフレキシブルに対応できます。

5-2 2018年から始まった「つみたてNISA」もハッピーな老後のために使える制度

 2018年からスタートした「つみたてNISA」も、老後資金の積み立てには有効な手段です。

 初心者が投資信託を積立で購入していくためには最適なプランです。

 いつでも、積み立てをやめたり、金額を変えたり、積み立てたものを引き出すことができます。
 手軽に始めることができ、またライフプランの変更に合わせてフレキシブルに対応できます。

 まとまったお金のある方や、もう少しハイリスクハイリターンで運用したい、運用期間を短く考えたい方は、「通常のNISA」の方がメリットが出る場合があります。
 また、子供がいる方は、「ジュニアNISA」も活用できますので、比較検討が必要です。

5-3 「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を使って本格的に始めよう。

 2017年より、だれでもiDeCoに加入できるようになりました。
 自分の年金は、自分で積み立て、自分で運用する制度です。税金面でのメリットが大きく以下の3点です。

  1. 掛金を収入から控除することができるので、その分所得税・住民税が返ってくる(所得控除
  2. 運用期間中に税金がかからないので毎年かかる商品よりは有利
  3. 退職時に受け取るときも、各種控除があり税金が優遇

ただし、デメリットとして以下の点があげられます。

  1. 60歳まで引き出せない
  2. 年収の低い人は返ってくる税金が少ない(所得控除のメリットが少ない)

 所得控除のメリットが大きいので年収が高く、それを60歳まで維持できる方にとってはかなりメリットがあります。

 しかし、専業主婦の方などは所得控除のメリットがないなど、メリットは状況によってケースバイケースですので、自分のライフプランや今後の見通しをしっかりと考えてから選択すべきです。

個人年金保険、つみたてNISA、iDeCoのメリットの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
【必見】老後資金の貯め方は63,333円を3つに分割が最強な理由

6 まとめ

 今まで、高齢者の方のマネープランは、老後の収入の67%が公的年金ということもあり、公的年金を中心に考えてきました。

 しかし、将来的に年金が下がる可能性が高くなり、他の手段の検討が益々必要となってきています。

 楽しくハッピーな老後を過ごすために、今から少しずつ考え、お金を増やすべくマネープランを実践していきましょう‼

お金のプロ「ファイナンシャルプランナー」に聞く、「お金の相談室」無料体験

お金のことを相談してみたいけど、誰に相談してよいかわからない方など、まずは無料でFP相談を体験してみませんか?

お金の相談室では、東京、大阪、京都、福岡、金沢、長野、など6か所を中心に、全国で無料体験相談を実施しています。対面での無料体験相談をご希望の方は、予約制ですので、インターネット若しくはお電話にてお申込みください。

ご相談内容は、お金に関することならなんでもOK。

  • 家計管理や家計収支の見直す方法は?
  • お金の運用方法は?
  • 子供の教育費の目安は?
  • 住宅購入や住宅ローンを見直すには?
  • 保険の見直し方法は?
  • 老後や年金のことが心配なので老後の生活設計を立てるには?
  • 住宅ローンの返済計画を見直す方法は?

など、小さなことでも是非ご相談ください。