円高円安どっちがいい?パターン別の損得と対策方法、覚え方も!
最近ニュースで「1ドル130円を突破」とか「円安で生活に悪影響」など目にします。円高と円安って私達にとってどっちがいいんですか?
円高・円安ってイメージしにくいですよね。実は生活に大きな影響があります。円高がいいパターン、円安がいいパターンそれぞれ説明していきます。
本記事では、円安と円高どっちが良いかをパターン別に見ていき、それぞれどう備えていくべきかを解説します。
この記事で分かること!
- 円高円安どっちが良いかをパターン別で解説
- 円高円安、それぞれに備えるために今できること
- 今後は円高円安どっちに動く?
円高円安はどっちがお得?パターン別に解説
実は、円高と円安は普遍的に”こっちがいい”というものではありません。
こういう場合は円安がいい、このシチュエーションでは円安が有利、など様々なのです。
ここでは、円安と円高どっちがいいかをパターン別に一つずつ解説していきます。
円高円安の基本と簡単な覚え方
円高円安、どっちがどっちか、の基本のおさらいと、簡単な覚え方です。
『円安』はドルに対して円の価値が下がることを指します。
『円高』はドルに対して円の価値が上がることを指します。
円高円安のイメージ図
*円高円安の簡単な覚え方*
1ドル○○円
○○円の数字が下がったら円高
○○円の数字が上がったら円安
円高がお得な場合
日常生活で物を買う場合
私たちが日常生活をするうえで、円高のほうが良い影響を受けます。なぜなら、円高になるとモノの値段が下がりやすいからです。
例えば、海外から輸入して国内で売っているモノ(海外製品)の輸入コストが安くなるため、値段が下がります。それにつれて、国内のモノ(国内製品)の値段も下がりやすくなります。
海外旅行に行く場合
海外旅行が趣味の人は、円高の方が良い影響を受けます。なぜなら円高の時は、安く海外旅行が楽しめるからです。
例えば、ハワイ旅行の際、空港でドルに両替したとします。円高だと、同じ円でもたくさんのドルと交換できます。
輸入会社に勤めている場合
輸入会社に勤めている場合、円高は良い影響を与えます。
円高の場合、輸入会社は輸入コストが下がり、利益がでやすくなります。
円安がお得な場合
資産運用をしている場合
資産運用をしている人は、円安の方が良い影響を受けます。なぜなら、海外の株などに投資をしている場合、円安になると為替で利益がでるからです。
また、国内の大企業は輸出企業が多いため、円安の方が利益が出やすい傾向にあります。それに伴って、日経平均株価も円安の方が上がっていきやすいです。
輸出会社に勤めている場合
輸出会社に勤めている場合、円安は良い影響を与えます。
円安の場合、輸出会社は海外でモノが安く売れるため、利益が出やすくなります。
円高円安は今後どっちに進む?私たちが備えておきたいこと
事実、円高円安がどっちに進むかの予想は難しい部分があります。
ここで大事なことは、円高円安どちらに進んでも良いように、今から準備しておくことです。
どのように備えていけばいいか?具体的な方法をお伝えしていきます。
円高円安は様々な要因で決まり、予想は困難
「円高になった」「円安になった」というのは、円と外貨との為替レートを見て判断できます。
例えばドルとの為替レートは、1ドル100円というように、1ドルあたりの円の金額というかたちで表示されます。
為替レートがどうやって決まるかというと、それぞれの通貨に対する需要(買いたい総額)と供給(売りたい総額)のバランスで決まります。
この需要と供給のバランスは、金利差や国際収支(貿易や投資などによる海外とのお 金の出入り)など、いろいろな要因で決まります。
例えば、『金利』に着目してみましょう。
金利と為替レートの関係
為替レートが決まる基本要因として、『金利が高い方の通貨が買われやすい』ということがあります。
以下の例では、米ドルの金利の方が高いですね。この場合は米ドルの方が買われやすくなり、結果、円安ドル高になりやすくなります。
現在(2022年8月)は『円安ドル高』。今後は?
現在(2022年8月)は、ドルの金利が上昇している一方で円の金利は低いままであることなどにより、ドルが買われて円が売られる円安ドル高となっています。(1ドル=133.13円 ※2022年8月3日現在)
ただ、将来さらに円安になるか円高になるかは、経済状況だけでなく戦争や災害などのリスクや日銀の為替介入など、政治的要因も絡むため予想するのは難しいと言えます。
円高円安どちらにも備えておくと安心
円高円安を予想することは難しいですが、将来大きく円高もしくは円安になってしまう場合に備えておくと安心ですね。
① 円高に備えるには『円資産』を持つとよい
円高になると、外貨に対して円の価値が上がるので、円資産を持っておくとよいです。
もっとも、一般的に私たちの給料は円で支払われ、円で預金をし、退職金や年金も円で支払われます。つまり、私たちは意識しなくても円資産を持っていることになります。
ですので、個人でおこなう円高対策としては、特別に意識せずともよいでしょう。
② 円安に備えるには『外貨建資産』を持つとよい
“備える”を意識すべきは『円安』です。
円安になると外貨に対して円の価値が下がるので、外貨建資産を持っておくことをお勧めします。私たちは円は自然と持つことができますが、外貨は意識しないと持つことができません。
ですので、円安に備えるためには、外貨建資産を意識して持つようにしましょう。
外貨建資産を持つメリットは、通貨の分散だけではなく、円より高い金利が見込めて将来使うためのお金を増やしやすいことにもあります。
外貨建て資産には外貨預金や保険、株、債券、FXなどあります。
初心者でも始めやすくて、将来の円安に備えるのにお勧めのものを2つ紹介しますね。
1)ドル建て保険
ドル建ての保険は保障金額がドルで決まっており、満期金や解約した時の返戻金もドルで決まっているため、将来の円安に備えることができます。
保障内容もいろいろなタイプがありますので、興味のある人はFPに相談してみてください。
【向いている人】
- ドルで保障をしっかり確保したい人
- ドルで将来のお金を安定的に増やしたい人
2)投資信託で分散投資
投資信託はプロを通して株などに分散投資をする商品です。世界株など外貨での取引を対象としているファンドを持っておくと、将来円安に備えることができます。
自分に適した良いファンドを選びたい人は、FPに相談してみてください。
【向いている人】
- 積極的に将来のお金を増やしたい人
- 投資はしたいけど、自分で株など個別銘柄を選ぶのが苦手な人
まとめ
円高円安は私たち個人にとっても、会社や国にとっても大きな影響があります。
どちらになっても良い影響もあり、悪い影響もあります。
そして、これから円高になるか円安になるかは予測が難しいので、個人で私たちができる対策をとっておくと安心ですね。
円高円安についての基本を知って、今できる対策を始めてみてください。