社会人2年目の一人暮らし貯金の現状。貯金ゼロから始めるべき3つのこと
社会人2年目で一人暮らしをしています。なかなか貯金ができません。どうしたらいいでしょうか?
社会人2年目で一人暮らしの場合、工夫をしないと貯金はなかなかできないのが現状です。貯金の現状やどうすれば貯金ができるかをお伝えしていきましょう。
この記事では、社会人2年目一人暮らしの貯金の状況や、平均値から求めた貯金額、お金を貯めていくために行うべきことを解説していきます。
この記事で分かること
- 社会人2年目で一人暮らしの人の平均貯金額とその中央値
- 社会人2年目の収入と支出から予測した貯金額
- 社会人2年目が貯金額(お金)を増やす方法
- 資産運用の選択肢と注意点
社会人2年目で一人暮らしの人の平均貯金額とその中央値
まず、社会人2年目で一人暮らしの人がどのくらい貯金しているのか、平均貯金額と中央値について見ていきましょう。
下記の表は20代の平均貯金額とその中央値です。
※1歳刻みの貯金の平均値や中央値のデータは無いため、20代の貯金の平均値や中央値を用いています。
参照:令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]
20代の平均貯金額は金融資産を保有しているかしていないかで、大きく変わります。
また、貯金額に関しては一般的に平均値より中央値の方が参考になります。
社会人2年目からは住民税の徴収が開始される
社会人2年目からは住民税の徴収が開始され、給料から天引きされます。
住民税は前年度の所得額を基準に計算されるため、社会人1年目には支払う必要がありません。
そのため、社会人1年目と比べて手取りが減る場合があります。
社会人1年目の年収(4月から12月まで)が200万円だとすると、住民税は1ヶ月5,000円程度です。
社会人2年目の収入と支出から予測した貯金額は月30,608円
社会人2年目の平均収入と、一人暮らしの生活費の平均支出から貯金に回せる金額をシミュレーションしてみました。
想定貯金額は月30,608円です。
社会人2年目で一人暮らしのAさん(24歳、全国平均)の例で見ていきましょう。
社会人2年目(24歳)の手取りは約22万円
24歳の手取り額は21万9,333円です。
平均年収:329万円
平均月収:27万4,166円
月収と手取りの違い
月収とは、税込年収(額面年収)を12で割った金額です。
手取りは、月収から税金や社会保険料を引いた後に実際に口座に振り込まれる金額です。
次に、一人暮らしの1か月かかる生活費の平均支出を見ていきましょう。
一人暮らしの1か月にかかる生活費は約19万円
一人暮らしの1か月にかかる生活費の平均支出を見ていきます。
※社会人2年目の具体的なデータはないので、34歳以下のデータを参考にしています。
一人暮らしの1ヶ月にかかる生活費の(全国)平均額は合計で188,725円です。
<出典>
※1ヶ月の家賃の平均(全国平均) 総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査」
※生活費の平均 総務省統計局|統計調査 家計収支編 単身世帯(2023年、~34歳の全国の男女)
社会人2年目の平均手取り額:219,333円
一人暮らし1ヶ月に最低限必要なお金:188,725円
貯金額 = 30,608円
東京で一人暮らしをした場合の貯金額は数千円程度
東京で一人暮らしをした場合、家賃が全国平均よりも高くなる傾向にあるため、貯金に回せる金額は上記よりも少なくなります。
住まいが、東京都23区の家賃中央値である世田谷区の1R〜1DKだった場合、家賃は82,300円、上記生活費であれば、貯金に回せる金額は約4,000円です。
出典:ホームメイト|東京23区の家賃相場
東京は他県よりも生活費がかかると想定すると、貯金をしていくには工夫が必要となってきます。
社会人2年目が貯金をするために行うべきこと
社会人2年目が、もっと貯金したい!、貯金ゼロから抜け出したい!という場合、貯金をするために行っていくべきことがあります。
それが以下の3つです。
- 収入と支出を把握する
- 貯金の目標を立てる
- 先取り貯金で貯金を習慣化する
一つずつ見ていきましょう。
収入と支出を把握する
まずは、自分の収入と支出をしっかりと把握しましょう。
特に、支出を細かく把握することで、どこを節約できるかを知るきっかけになるからです。
例えば、
「今月は飲み会が多かった」
「外食ばかりしていて食費が多くかかっていた」
「欲しかったものを後先考えずに買ってしまった」
など、”なぜ貯金ができなかったのか?”を知ることができ、翌月の改善につなげることができます。
収入と支出の把握にはやはり『家計簿』をつけるのがおすすめです。今は便利な家計簿アプリがたくさんありますので、それらを活用すると良いでしょう。
まずは、収入と支出を細かく把握して、お金を管理するクセをつけることが貯金への第一歩となります。
貯金の目標を立てる
貯金の目標を立てることも重要です。
目標を設定することで、貯金の目的が明確になり、具体的な動機が生まれます。
そして、計画的に貯金を進めることが可能になります。
例えば、
1年後の旅行資金『10万円』
→ 毎月1万円貯金しよう!
来年の誕生日に欲しかったブランドバッグ『5万円』
→ 毎月5000円貯金しよう!
このように、『目的』『目標金額』『期間』を設定することで、具体的に毎月いくら貯めていけばいいかが分かります。
貯金をするときは、具体的に目標を設定してそれに向かって計画的に進めていきましょう。
先取り貯金で貯金を習慣化する
先取貯蓄を毎月行うことで、貯金を習慣化しましょう。
先取り貯金は確実にお金を貯めることができます。
先取り貯蓄とは
手取り収入からまず貯金分を別の口座に移し、残ったお金で生活する方法です。
自動積立(定期預金)などを活用すると、先取り貯蓄を習慣化できますね。
例えば、給料が22万円だとして、給料が入った時点で1万円を先取り貯蓄します。
生活費として使えるのは月21万円ですので、その範囲内で生活をします。
すると年間12万円は確実に貯めることができます。
いくら先取り貯蓄に回したらいいかを知るためにも、収入と支出をしっかり把握することは重要ですね。
ボーナスは貯金の大きなチャンス!
ボーナスは貯金をする大きなチャンスです。
使う分、貯める分をしっかりと分け、有意義に活用することをおすすめします。
社会人2年目は資産運用も考え始めると将来大きな差がつく
社会人2年目は、資産運用を考え始めることで、将来大きなお金を貯められる可能性があります。
資産運用は時間を味方にして大きなリターンを得られる可能性があるからです。
資産運用(利用できる制度)にも様々ありますので、それぞれの特徴と選び方、注意点などをご紹介します。
資産運用を行う際は、自分のライフプランやリスク許容度に応じて自分に合ったものを選ぶことが重要です
個人で利用できる資産運用の制度
ここでご紹介するNISAとiDeCoは誰でも利用可能な制度です。
これから資産運用を始めてみたい!という方はまず、NISAから検討すると良いでしょう。
NISA
NISAは、一定額までの投資で得られた利益が非課税となる制度です。
メリット
- 少額から始められ、毎月一定金額を自動で投資する仕組みがあるため、専門知識がなくても運用が可能
- 途中でやめたり資金を引き出したりすることが自由で、急な出費にも対応しやすい
注意点
- 元本割れのリスクがあり、投資対象やリスクをよく理解する必要がある
- 制度をよく理解していないと税金がかかる場合がある(非課税枠を超えた場合など)
気軽に資産運用を始めたい方や、資産運用初心者の方はNISAがおすすめです。
iDeCo
iDeCoは、老後資金の準備と税制優遇が得られる個人向けの年金制度です。
メリット
- 運用で得た利益が非課税
- 掛け金が所得控除の対象となるため、税金(所得税、住民税)が安くなる(特に高収入の方に有利)
- 一時金で受け取る場合、退職金扱いとなり、退職所得控除が受けられる。更に1/2課税となる
注意点
- iDeCoは老後資金のための制度のため、一度始めると60歳までやめられず、お金を引き出すことができない
- 退職金が多い場合には受け取りの際に税金がかかる恐れがある
現在、そして将来までずっと所得が高く、かつ『老後資金』を計画的に準備したい方向けです。この記事を読まれている方で該当する人はまだあまりいないかもしれませんね。
会社で提供される福利厚生としての資産運用
会社で提供される福利厚生としての資産運用もあります。
財形貯蓄制度
財財形貯蓄は、一定額を、給料やボーナスから自動的にお金を引き落として貯める制度です。
メリット
- 給与天引きで積立ができるため、強制的に貯蓄できる
- 住宅財形や年金財形では、合計で550万円までは利息に税金がかからない
注意点
- 金利が低く、大きな利益は期待できない
- 途中でやめると税制優遇が受けられなくなる
- 一般財形は利息の優遇がない
金利が低いため資産運用としての意味合い(利益)は小さいですが、給料から自動で貯金できるので、貯蓄が苦手な方にはおすすめです。
企業型確定拠出年金(企業型DC)
企業が掛け金を出し社員自身が年金資産の運用を行う、老後資金のための制度です。
メリット
- 積み立てる掛金が非課税
- 運用で得た利益が非課税
- 給付金(一時金や年金)は受け取る時に所得控除の対象となり、税金を軽減することができる
- 企業が出す掛け金に加えて、社員が追加でお金を積み立てることもできる「マッチング拠出」制度もある
注意点
- 60歳まで引き出すことができない為、急な支出には対応できない
積み立てたお金は将来の退職金や年金として受け取れるので、計画的に老後資金を準備したい方におすすめです。
持ち株
持ち株制度は、従業員が自社株を優遇して毎月一定額ずつ購入・保有できる制度です。
メリット
- 給与天引きで積立られるため、強制的に貯蓄できる
- 会社から奨励金が出ることが多く、株を安く購入できる
- 通常の株と同じで、配当金を受け取ることができる
注意点
- 会社の業績に左右され、自社株に集中投資するリスクがあるため、会社が不調になったり倒産したりすると、資産と仕事を同時に失う可能性がある
- 企業によって決まった時期にしか株を売ることができず、自由に取引ができない
- 個人で株を購入すれば株主優待を受けれるが、持ち株制度の場合は株主優待はもらえない
会社の成長に自信があり、リスクを取りつつも高いリターンを狙いたい方にはおすすめです。特に、上場企業にお勤めで奨励金が高いと有利です。
まとめ
社会人2年目、一人暮らしで貯金額を増やすためには、収入と支出をしっかり把握し、目標を立てて、少しずつでも貯金を行うことが大切です。
貯金ができる状態になったら次は、その金額を増やしていき、更に余裕が出てきたら資産運用も検討してみましょう。
効率の良いお金の貯め方が知りたい、資産運用を始めてみたいけどよく分からないという方は、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)への相談がおすすめです。