確定拠出年金はデメリットしかない!?FPが内容を徹底解説!

確定拠出年金はデメリットしかない!?FPが内容を徹底解説!

最近よく耳にする確定拠出年金ってどうなんだろう。「デメリットしかない」って噂も聞いたのですがホントですか?

確かにデメリットもあり、全ての人に向くわけではありません。しかし、老後に向けた資産形成に非常に役に立つためぜひ活用いただきたい制度です。

この記事では、皆さんが一番気になる確定拠出年金※の「デメリット」について徹底的に解説していきます。そのデメリットを理解したうえで始めるかどうか判断できるようにまとめました。

ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること!

  • 確定拠出年金の5つのデメリット
  • 確定拠出年金のメリット
  • 確定拠出年金が向いていない人
目次

確定拠出年金の5つのデメリット

定拠出年金を積極的に活用するかどうかはデメリットをしっかりと理解したうえで考える必要があります。

それは確定拠出年金は税制面では大きなメリットがあり、老後に向けた資産形成に非常に役に立つ半面、デメリットもあり全ての人に向く制度ではないからです。

この章では「5つのデメリット」について徹底的に解説していきます。

デメリット1:60歳まで引き出すことができない

確定拠出年金の一番のデメリットは60歳までお金を引き出すことができないことです。これは確定拠出年金が老後の年金不足を補う目的で導入された制度だからです。

とはいえ、人生には想定していなかったタイミングで大きなお金が必要となる場合があります。

  • 急に住宅購入することになった
  • 子供が私立の高校に行くことになった
  • 車が壊れて買換えが必要になった

など想定外の支出があるととても困りますよね。

確定拠出年金はライフプランを立てた上で、活用するかどうかを検討しましょう。

注意!勤務先を退職した方も途中引き出しはできません

勤務先を退職した場合も、途中引き出しは基本的にできません。転職先の確定拠出年金に移管するか、転職先に確定拠出年金が無い場合は、個人型の確定拠出年金(iDeCo)で60歳まで続ける必要があります。

デメリット2:退職金が多くもらえる人は大きなメリットが薄まる

公務員の方など退職金を多くもらえる人はせっかくのメリットが薄まることがあります。

確定拠出年金で運用した資金を一時金で受取りする場合、退職所得控除という大きな税制優遇が使えます。

しかし、勤務先などから退職金を受取ると、この退職所得控除は合算されて計算されてしまうことがあり、せっかくのメリットが小さくなってしまう場合があります。

企業型DCに加入している方がマッチング拠出などを検討する際や、個人事業主の方が小規模企業共済など他の退職所得控除の対象となる制度に加入している場合も同様となります。

退職所得控除早見表

デメリット3:特別法人税という隠れリスクがある

現在は“凍結”されていますが、本来は確定拠出年金の積立金には特別法人税※として年率1.173%が課税されます。

これは運用実績には関係なく課税されるものです。

仮にこの特別法人税が再開された場合は最低でも、年率1.173%を超える運用をしないと元本割れとなり、毎年積立金が減っていくことを意味しています。

この特別法人税の“凍結”は1999年から20年以上のあいだ繰り返し延長されておりますが、未だに廃止するのか凍結解除するのかは決まっておりませんので、隠れリスクとして残っています。

デメリット4:毎月の手数料がかかる【iDeCo】

iDeCoに加入すると色々な手数料がかかりますが、そのなかでも運用を続けるためには口座管理手数料が毎月かかり続けます。

確定拠出年金は長い時間をかけて運用しますので、その運用期間中にかかる手数料は少ないほうが当然いいですよね。

企業型DCであればその費用は会社が負担してくれますが、iDeCoの場合は加入者の負担となり、しかも選択する金融機関によってもかなりの差がありますので注意が必要です。

具体的な数字でみていきましょう。

参照:iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)|2021/10/29現在

初回のみかかる手数料はどの金融機関を選んでもほぼ同じですので問題ありません。

しかし、掛金を支払う場合については、毎月かかる手数料が171円~589円と約3.4倍もの差があり、さらに掛金を支払わない場合においては66円~484円と約7.3倍もの大きな差があります。(2021/10/29現在)

掛金を支払っていれば税金の優遇を受けられるためまだマシと言えるかもしれませんが、掛金を支払わず運用のみを続けているときに毎月484円(年間5,808円)もの手数料がずっとかかってしまうのはとても大きな負担になってしまいます。

なお、iDeCoを始めたあとで金融機関を変更することは可能ですが、非常に手間がかかり運用の点からもロスが出ますので、事前にしっかりと確認しておくことがポイントです。

デメリット5:傷病手当金・失業手当などが減額される【選択制DC】

企業型DCのなかで「選択制DC」に加入すると、気付かないうちに傷病手当金や失業手当などが減額されますので注意が必要です。

これは他の確定拠出年金との違いでもあるのですが、「選択制DC」に加入すると制度運営に必要なコストは会社が負担してくれますが、掛金は「今の自分の給与の一部を退職金の積立のために支払う」ことになります。

掛金分の給与が減ったことで給与にかかる社会保険料が減り、社会保険料が減ることでその分の給付(受けられるサービス)も減るという訳です。

※社会保険料は標準報酬月額を等級にならして計算されるので、掛金の拠出がある一定の範囲内であれば社会保険料も減りませんし、給付も減りません。

選択制DCに入るデメリット

もちろん、選択制DCに支払った分だけ給与が減ることで加入者自身が負担する社会保険料が減り、あわせて所得税・住民税も減りますので、メリット・デメリットを総合的に判断する必要があるといえます。

ちなみに通常の企業型DCの掛金は会社が支払ってくれますので問題ありませんし、マッチング拠出した掛金やiDeCoの掛金は加入者の「全額所得控除」となるだけで社会保険料への影響はありませんので安心してください。

確定拠出年金の3つの税制優遇メリット

確定拠出年金はデメリットが多いな。やっぱり加入するのはやめておこうかな。

確定拠出年金はデメリットだけでなく、メリットもありますよ。メリットも理解してから加入するかどうかを検討してみてください。

確定拠出年金には、通常の投資信託による運用と較べて加入者に対する3つの税制優遇メリットがあります。

3つのメリット

メリット①:掛金が非課税(または全額所得控除)になる

確定拠出年金は、掛金が非課税(または全額所得控除)となり所得税など引かれずに全額を運用にまわすことができるため、掛金を支払っただけで確実にメリットを得る事ができます。

とくに所得税は5%~最大45%と年収が高い人ほど税率が高くなりますので、高所得者ほどメリットが大きくなっているといえます。

企業型DCの場合

企業型DCで会社が支払う掛金は非課税(加入者の給与扱いとならない)となりますが、同じ金額を給与で受取った場合は給与所得として、社会保険料・所得税・住民税がかかってしまいます。

iDeCoの場合

iDeCoで加入者が支払う掛金は全額所得控除となるため、iDeCoに掛金を支払うことで計算上の年収が下がった事となり、その分の所得税と住民税が戻ってきます。

ただし、 上記はパートやアルバイトなど所得税が非課税(所得税を払っていない)の人にはメリットはありません。

メリット②:運用期間中は非課税で運用ができる

通常、一般的な金融商品で運用すると運用益に対して20.315%の税金がかかってきますが、確定拠出年金ではこの運用益に税金はかかりません。

このため再投資に回る金額が大きくなり長期の運用を考えた際には効率的に資産運用ができます。

※前述しましたが、現在は“凍結”されていますが、本来は確定拠出年金の積立金には特別法人税として年率1.173%が課税されます。

メリット③:受取り時にも大きな控除があり税金が少なくなる

確定拠出年金は、

  • 一括で受取る時には「退職所得控除」
  • 年金で受取る時には「公的年金控除」

として大きな控除があるため、その受取り時にかかる税金が少なくなります。

確定拠出年金(iDeCo等)に向いていない人

強制加入である企業型DCはともかく、確定拠出年金に加入するかどうか選べる人にとって自分が活用すべきかどうか判断に迷うことも多いかと思います。

そこで、確定拠出年金のなかでも自分の意思で加入を選択できる「企業型DCのマッチング拠出とiDeCo」(iDeCo等)についてやってはいけない人をまとめました。

ぜひご参考ください。

貯蓄の金額が100万円以下の人

ここで言う「貯蓄額100万円」は例えですが、まだ貯蓄の金額が少ない人はやってはいけません。

なぜなら、始めてしまって、のちに

  • 子供の学費が足りない
  • 急に車が壊れてしまってローンを組まくてはいけない
  • 長期で入院することになった

など、突発的にお金が必要になってしまい、後で困ってしまっては元も子もありません。

実際には家族構成や年齢、収入やライフプランなどを考えてムリなく60歳まで続けられるようであれば積極的に活用してみましょう。

住宅ローン減税で所得税・住民税の還付を全額受けている人

住宅ローン減税※で所得税・住民税の還付を全額受けている人はおすすめできません。

確定拠出年金(iDeCo等)も支払った掛金が全額所得控除になり、所得税・住民税が戻ってくるメリットがありますが、先に住宅ローン減税で税金の還付を全額受けてしまっていてはそれ以上所得控除をするメリットがありません。

しかもiDeCoの場合は口座管理料と呼ばれる運用中にかかってしまう手数料も加入者の負担ですので、少なくとも住宅ローンの返済が進み口座管理料よりも所得控除のメリットが上回るまではiDeCoへの加入は待った方がよいと言えるでしょう。

専業主婦(主夫)

いわゆる専業主婦(主夫)・パート・アルバイトなどで所得税が非課税(所得税を払っていない人)にとっては所得控除のメリットはまったくありません。

もちろん運用中が非課税であること・受取り時にも控除があることなどに魅力を感じているのであれば活用しても良いのですが、口座管理料を負担し60歳まで引き出すこともやめることもできない制度であることを考えるとおすすめはできません。

まとめ

確定拠出年金の5つのデメリットを解説してきました。デメリット、そしてメリットを深く理解すれば、自分がやるべきかどうかが見えてくるかと思います。

もしそれでも確定拠出年金を “始めるor始めない” に不安の残る方、確定拠出年金についてもっと詳しく知りたい、という方はぜひ我々ファイナンシャルプランナーに相談してみてください。

確定拠出年金が本当に必要かどうか一緒に考えていきましょう。

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