NISAをスムーズに始めるために、セミナーで学ぶべきポイント5つ
NISAをテーマにしたセミナーが盛況です。
しかし、NISAのセミナーは様々な企業や団体が開催していて、どのセミナーが自分に合っているか分かりにくいという方もいるのではないでしょうか?
この記事ではNISAを検討するにあたり、セミナーで学んでおきたい知識、主催者別の内容の傾向や、そのメリット・デメリットを解説します。
適切な制度で上手に資産を作っていくために、ぜひ、自分に合ったセミナーを選んでいただければと思います。
自分に合った制度を知るために、セミナーで学ぶべきポイント5つ
NISAやiDeCoは投資未経験の人にも始めやすく、一方で、すでに金融商品や、より安定的な保険で投資を行っている人にも、検討する価値があります。
まず、NISAの大枠の仕組みや自分の状況に合わせた選択ポイントが理解できるようなセミナーを選ぶと良いでしょう。
具体的には、基本的な知識として、下記の4つの内容をカバーしているセミナーがお勧めです。
NISAの概要 | ・投資にかかる税金 ・税金の優遇・非課税の内容とその優位性 ・他の投資手段や仕組み(確定拠出年金や貯蓄型保険など)との違い |
運用商品と運用方法、選び方 | ・制度によって異なる運用商品 ・投資の基本的な知識や考え方 ・自分の投資目的に合わせて商品を選ぶ方法 |
口座開設、運用手続き関連 | ・NISA口座の開設方法や必要手続き |
ライフプランに合わせた制度の使い方 | ・投資目的(何のために、いつ、いくら必要か)決めて制度を選ぶ |
【注意】セミナーで解決できない部分もあると知っておこう
ここでご紹介した内容がすべてカバーされているセミナーがあったとしても、あくまでセミナーは一般論だということにはご注意ください。たとえば、ライフプランに合わせた制度の使い方はわかっても、個人的な事情や背景を考えて、そもそもNISA以外の手段がベター、ということもあるからです。
もし、自分の事情によって最適な制度を判断できなかったり、NISA以外の手段も含めたベストな提案が欲しい場合は、個別相談を受けることもあわせて検討するとよいでしょう。
NISA関連セミナーを開いている主催者別の概要と、そのメリット・デメリット
NISAのセミナーを開いている主催者別に、傾向とメリットとデメリットをまとめておきます。
「NISA セミナー」で検索すると、セミナーのまとめサイトや、個別の金融機関のセミナー情報ページがたくさん出てきますので、以下を参考に選んでみてください。
証券会社・銀行
証券会社と銀行は、いずれもNISA口座を開くことができる企業です。営業活動の一環としてセミナーを行っている以上、同業他社比較や、NISA以外の「そもそも」提案ができないのは踏まえておきましょう。
メリット | ・口座を開きたい場合、ワンストップで開設手続きまで行えて便利 ・取引銀行の場合、口座が同じ会社で持てるため自分の管理上便利 |
デメリット | ・基本的に、同業他社に関する良い情報や、運用商品、手続き情報は得られない ・銀行の場合、NISAの主な運用商品である投資信託などの金融商品の知識はそれほど強くない |
こんな人に おススメ | ・すでに口座を持ちたい会社、銀行が決まっている人 ・ワンストップで口座開設等のサービスまで受けたい人 |
セミナーの探し方 | ・Web、店舗、チラシ等、担当者への問い合わせ |
証券取引所・証券取引所協会などの業界団体、金融庁、お金の学校系
業界団体や官庁は啓蒙活動、消費者の保護や知識の底上げを目的に、基本的な情報提供を行っています。学校系では、有料カリキュラムで丁寧に知識を教えてくれます。立場上、口座開設や運用支援などの実行サポートはできません。
メリット | ・信頼のある機関や、中立的な立場から基本知識を得られる |
デメリット | ・概要しかわからない(具体的な運用商品選び、手続き面の詳細説明はできない) ・口座開設や商品選びのサポートがないため、実行は別途、自分で行う必要がある |
こんな人に おススメ | ・中立的な立場で概要知識だけを知りたい、営業されたくない人 |
セミナーの探し方 | ・Web、チラシ等、広告 |
独立系のファイナンシャルプランナー(FP)、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)事務所
証券会社や銀行など、金融機関とは独立して事業を行うファイナンシャルプランナー(事務所)です。
有料相談と無料相談を行う事務所があり、無料相談を行っている事務所は、お金に関する「相談」だけでなく、「金融機関の代理店業務」も行っていることが多いです
(無料にできるのは、口座開設や販売時に、お客様ではなく、金融機関側から手数料を得るビジネスモデルのためです)
NISA以外の「そもそも」の提案をできること、NISA口座の開設、運用などの実行までをサポートできるのがメリットです。
メリット | ・ライフプランを踏まえて、NISA以外の選択肢も含めて自分に合った資産運用やマネープランの提案を受けられる ・特定の金融機関に縛られないため、ベストな商品提案が受けられる ・IFAの場合、口座を開きたい場合には、ワンストップで開設手続き、運用まで支援できる |
デメリット | ・IFAの場合は販売も行うため、完全に中立的な立場とは言い切れない。自分で見極めることは必要 |
こんな人に おススメ | ・ワンストップで口座開設や商品選び、運用サポートを得たい人 ・ライフプランに合ったNISAの使い方や提案を受けたい人 ・長い付き合いでその時々の相談をしていきたい人 |
セミナーの探し方 | ・Web |
ファイナンシャルプランナーの所属による違いについて詳しく知りたい方、またはファイナンシャルプランナーのセミナーの内容についての詳しい説明は、こちらの記事を参考にしてみてください。
セミナーには、独立系のファイナンシャルプランナーが証券会社とタイアップして行っているものなどもあります。
自分に合った選択肢を見つけるために、内容を想像しつつ、面倒がらずに複数のセミナーを聞いてみるのも良いと思います。
【注意!】NISAの商品選びで迷いそうなら、IFAで相談するのがお勧め
最後に、NISAや投資に興味があるけれど、ここまで読んで億劫になってしまった人へのアドバイスをしたいと思います。
実は多くの人が、口座を開設したまま商品購入まで進めずにいます。
金融庁の調査によるとNISA口座の開設数は順調に増えており、平成29年12月末にでは1千万口座を突破しました。
でも実際は、年度内の買い付け額でみると、6割超の口座で0円、つまり年度内に1度も投資商品を買っていない状態です。せっかく資産運用に興味をもったのに、これではとてももったいないですね。
そうなってしまいそうな方には、ぜひ、特定の金融機関に縛られず、ワンストップで面倒な書類作業を代行できる独立系ファイナンシャルプランナー(FP)であるIFA(Independent Financial Adviser)に相談してみることをお勧めします。
IFA(Independent Financial Adviser)に相談するメリット
[中立的な立ち位置]
金融機関から独立した事務所として、保険、投資信託などの異なる金融商品を横断的に、また同種の商品であっても同業他社のものを比較して勧めることができる
[ライフプラン、マネープランの提案]
個人個人のライフプランに合わせて、NISAに限らない「そもそも」の提案もできる
[ワンストップサービスの提供]
必要に応じて契約、金融商品の選定、継続的な運用までを一括して提供できる
[長期的な関係で相談とサポートを担当できる]
金融機関であれば、異動などで担当者が変わることがあるが、IFA事務所であれば、相談先を1か所に決めておくことができる
気が付きにくい点ですが、特に最後のポイント「長期的な関係で相談とサポートを担当できる」は重要なので強調したいと思います。
保険や投資商品は、一般的に「長期で持ち続けるものであること」、「個々人の状況に合わせる必要があること」が要点です。
保有期間が短くても数年、長ければ数十年に及びます。また、お金を運用しておける投資期間、個々人が取れるリスクの幅に合わせた商品を決める必要があります。
時間が経てば、内容を見直したり、家庭の事情で投資方針を変えたり、評価額の上下に合わせた満期時の取り扱いを決めたり、さまざまな判断ポイントがやってきます。
かかりつけ医のように、信頼できるIFAを見つけることができれば、人それぞれの状況に合わせて、タイミングを逃さず資産の運用管理をしていけるメリットがあるのです。自分でやるのが難しいと感じる方は、ぜひ、お金のかかりつけ医も考えてみると良いと思います。
NISAの始め方についての具体的な説明と、プロに相談するメリットについては、以下の記事にも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
まとめ – 始めてみよう!
NISAは投資初心者がまず始めるにはお勧めの制度です。
ここ数年は、毎年のように新しい制度が始まったり、よりメリットが大きくなるように制度変更がされています。
年金制度の先行き不透明さや低金利のため、個人でもマネープランや資産運用をきちんと考える必要性が高まっていますが、これらの制度はつまり、国が個人の資産運用の必要性をメッセージとして送っているということでもあります。
これをお読みいただいている初心者の方は、セミナー参加と口座開設で満足せず、ぜひ商品購入までを実現し、その興味を育てていっていただければと思います。