つみたてNISAの銘柄変更は簡単!銘柄変更した方が良いケースも紹介
つみたてNISAで購入した投資信託の運用成績が良くないので購入している投資信託の銘柄を変更したいのですができますか?
今後購入するものを変更することはできますが、いままで購入したものをつみたてNISA内で変更することはできません。
この記事では、つみたてNISAの銘柄変更について詳しく解説していきます。また、銘柄変更時の注意点や、積極的に銘柄変更したほうが良いケースなどをお伝えしていきます。
この記事で分かること
- つみたてNISAの投資信託の銘柄の変更方法
- つみたてNISAの銘柄を変更した方が良いケース
つみたてNISA口座で購入する投資信託の銘柄の変更はできる
つみたてNISA口座で積み立てている投資信託の銘柄を変更することはいつでもできます。
変更したい銘柄の積立注文を解除して、新たに購入したい銘柄の積立注文を設定すればOKです。これで次回(翌月)以降の積み立ての銘柄変更ができます。
※ただし、今までつみたてNISA口座で積み立てていた分は銘柄変更されません。
- 変更したい銘柄の積立注文を解除する
- 新しい銘柄を選択して積立注文する
今まで購入していた投資信託の銘柄を変更することはできない
つみたてNISAでは、今まで購入していた銘柄をつみたてNISA口座内で変更することができません。
つみたてNISA口座で購入していた投資信託の銘柄をどうしても変更したい場合は、一旦その投資信託を売却し、課税口座で新しい銘柄を新規購入することになります。課税口座ですので、当然、非課税のメリットはありません。
※つみたてNISA口座では、売却した投資信託の代金で、新しい投資信託を「一括」購入することはできません。つみたてNISAの制度は、「積み立て」購入しかできないルールで、「一括」購入がそもそもできないからです。
つみたてNISAの銘柄変更した方が良い2つのケース
つみたてNISA口座において購入する投資信託の銘柄を変更してもデメリットは特にありません。
既につみたてNISA口座で購入した投資信託は、そのまま運用されますので、銘柄変更の影響はないからです。
「今後は違う投資信託を購入したい」という時は購入銘柄を変更しても問題ありません。
つみたてNISAの銘柄変更した方が良いケースを2つ見ていきましょう。
同じような内容で手数料が低い投資信託に変更したい
保有している投資信託よりも、手数料の低い投資信託があれば銘柄変更を考えましょう。
投資信託の内容が同じであれば、手数料の高い投資信託から、手数料の低い投資信託に銘柄変更をすれば、手数料が下がった分運用効率が上がり、より増えることとなります。
つみたてNISAで採用される投資信託は、2022年9月現在216本ですが、採用される本数が少しづつ増えています。今後も手数料の低い投資信託をつみたてNISA口座で新たに購入できる可能性があります。
投資信託の中でも、インデックスファンド(※)は投資信託の内容が同じどうかの比較がしやすいです。
ですから、手数料が低く新しいインデックスファンドの購入が可能になった時などは、銘柄変更を考えましょう。
よりハイリターンを期待できる投資信託に変更したい
つみたてNISAで購入する投資信託の銘柄は、ハイリターンを期待できる銘柄に変更しましょう。つみたてNISAは20年間の利益が非課税となります。
下記のグラフは、つみたてNISAで毎月33,333円ずつ積み立てた場合のグラフです。
20年後につみたてNISAで運用したことで得する税金は、
- 8%運用:約222万円(受取額:約1,910万円、利益:約1,110万円)
- 1%運用:約17万円(受取額:約886万円、利益:約85万円)
1%運用では非課税のメリットにより得をする税金は約17万円ですが、8%運用では約222万円もお得になります。
リターンが高ければつみたてNISAの非課税のメリットをより享受できます。
現在、つみたてNISAで保有している投資信託がハイリターンを期待できないのであれば、ハイリターンを期待できる投資信託に変更しましょう。
ハイリターンを期待できる投資信託は債券型より株式型
株式型投資信託の方が債券型投資信託よりもハイリターンを期待できます。
- 株式型投資信託:先進国株式、国内株式、新興国株式など主に株式に投資をする投資信託
- 債券型投資信託:国内債券(日本国債・社債)、海外国債・社債など主に債券に投資をする投資信託
例として、株式型投資信託(先進国株式)と債券型投資信託(国内債券) の指数に約19年間投資した場合の結果を比較してみました。
比較すると、19年後の金額は
- 先進国株式:約2,324万円(利益約1,584万円)、実質利回り約11.1%/年
- 国内債券:約785万円(利益約46万円)、実質利回り約0.65%/年
となり、先進国株式の方が国内債券よりもハイリターンだったということがわかります。(下記グラフ参照)
先進国株式と国内債券に投資した場合の違い
※毎月33,000円ずつ投資、2004年1月~2024年8月までの約19年間
※先進国株式:MSCI ワールド・インデックス、国内債券:モーニングスターインデックス 総合
※東海東京証券提供Wealth Advisorsを使用し著者作成
つみたてNISAの銘柄変更をしない方が良いケース
つみたてNISAで投資信託を購入し始めて1年程度の場合、結果が多少マイナスでも銘柄変更はせず様子を見ましょう。
マイナスになっていると「この銘柄は良くなかったのかな?変えた方が良いかな?」と思う投資初心者の人は少なくありません。
仮に、景気や世界情勢などが原因で一時的に値下がりしていても、原因が落ち着けばまた値上がりする可能性があるので、そのような時は、銘柄変更せずにそのままにしておきましょう。
下記のS&P500の1970年~2020年の50年間の推移のグラフを見てみてください。
例えば、赤矢印のある2007年頃に米国のS&P500に投資をした方は、翌年にリーマンショックという金融危機があり株価は大暴落します。
ここでマイナスが出ているからと投資をやめて売却してしまうと損は確定し、投資したお金は減って終わりです。
しかし、ここで投資をやめずに数年間保有し続けたらどうなっていたでしょうか。
数年で株価は元の水準に戻り、その後も値上がりしているのがわかります。
さらに、2015年のチャイナショックや2020年のコロナショックといった株価暴落の年の株価でも2007年頃の株価に比べると高くなっています。
まとめ
つみたてNISAの銘柄変更について解説してきました。
銘柄変更の手続き自体は難しいものではありませんが、つみたてNISAは最初にしっかりと投資信託を選択しておけば、途中で銘柄変更しなくてもよくなります。
何となく決めてしまった方や、銘柄変更をしたほうがよさそうな方はぜひ、FPなどに相談してみるとよいでしょう。