公正証書遺言費用は通常15万。3万円で間違いない遺言書を作る方法

公正証書遺言 費用

公正証書っていくらかかるのか…
遺言書を司法書士に委託したらいくらかかるのか… 
など

遺言を確実に公正証書で遺したいが、公正証書にする費用や、司法書士にお願いした場合の費用の相場がわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実際、費用の相場は、
自分で書いて、公正証書にした場合は10万円
さらに、司法書士に依頼した場合は別途5万円
と、思ったより費用が高く、いざやろうと思っても、気が引けてしまう方も多いです。

このような悩みを抱えている方に朗報となるのが、民法改正による、2020年7月から始まった自筆証書遺言(自分で書いた遺言)の法務局預かりサービスです。

この改正により、①自筆証書遺言で、②法律のプロである司法書士にチェックしてもらうことで、3万円程度で、公正証書遺言と同じように、間違いがない遺言を遺すことができます。

この記事では、民法改正を踏まえて、公正証書遺言と同じように残したい人に、より安い金額で、確実に遺言で財産を残す方法を解説しています。自筆証書の書き方もサンプル付きで紹介もしています。最後まで、ぜひ読んでみてください。

監修:福岡ひかり司法書士法人

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1 公正証書遺言費用の相場は15万円!財産と相続人によってかわる

公正証書遺言の費用相場

公正証書を司法書士に依頼して、公証人役場で作成した場合、一般的には公正証書手数料と司法書士の費用5万円を合わせると、15万円程度かかり、高いと思われる方も多いと思います。

公正証書にかかる具体的な費用を見ていきましょう。

1-1 公正証書の手数料は10万円が相場

一般的に公正証書は公証人役場に行って、公証人に遺言書を書いてもらいながら作成します。

また、公証人に来てもらって作成する事も可能です。
公証人役場に通う場合と、来てもらう場合で費用が異なりますので、それぞれの費用を確認しましょう。

1-1-1 公証人役場で作成する場合の費用は約10万円

 公正証書遺言を作りたい人が、公証人役場に出向いて、作成する場合の費用は下記の2つの費用がかかります。

➀公正証書手数料(渡す相続人ごとに計算)
②証人の日当

➀の公正証書手数料は、下記の表のとおり、遺言書に記載される財産の金額で決まります。

【公正証書作成手数料(公証人手数料令第9条別表)】
遺言に書く財産の合計金額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額
10億円を超える場合 249,000円に超過額5,000万円までごとに、8,000円を加算した額

(注)遺産金額が1億未満の場合は、11,000円(遺言加算)が加算される。

(参照:日本公証人連合会|公証事務| 1 遺言

②の証人の日当とは、公正証書を作成する為には、証人が2人必要です。自分で証人(親族以外)を準備できる場合は、必要ありませんが、できない場合は①に加えて別途証人の日当が2人分かかります。

日当の目安は下記の通りです。

証人の日当 金額
1人につき 5,000円~15,000円

【費用の参考事例】
<前提>
・遺産総額5,000万円
・相続人:妻、子供2人の合計3人
・相続人の遺産の内訳(妻 2,000万円、子供1,500万円×2人)

<費用>
公正証書の手数料は69,000円 (※内訳は以下)

相続人 遺産の金額 公正証書の手数料
2,000万円 23,000円
子供1 1,500万円 23,000円
子供2 1,500万円 23,000円
合計 5,000万円 69,000円

さらに証人2人分の日当(10,000円の場合)と、遺言加算費用11,000円を加えると、トータル10万円程度となります。

1-1-2 公証人に来てもらうと1.5倍の費用がかかる

 公正証書遺言を作りたい方が、病気又は高齢等のために体力が弱り公証役場に行くことができない場合、公証人に、病院、ご自宅、老人ホーム等に来てもらい公正証書を作成する事も出来ます。

その場合の費用は次の3つの費用がかかります。

➀公正証書手数料(役場の行く場合の1.5倍
②証人の日当(証人1人あたり5,000円〜15000円)
③公証人の出張費用・交通費(下記表のとおり)

内容 費用
公証人の日当 20,000/1日
4時間以内は10,000円
交通費 実費

例えば、1-1-1の例のように、遺産金額が5,000万円で、奥さんが2,000万円、子供2人に各1,500万円で分けた場合の費用は、下記の通り

(※以下表は、公正証書手数料の内訳)

相続人 遺産の金額 公正証書の手数料 備考
2,000万円 34,500円 23,000円
の1.5倍
子供1 1,500万円 34,500円 23,000円
の1.5倍
子供2 1,500万円 34,500円 23,000円
の1.5倍
合計 5,000万円 103,500円  

公正証書の手数料は103,500円
証人2人分の日当10000円
③公証人の日当20,000円
 ①~③の合計に加え、
④遺言加算費用11,000円
⑤交通費(5,000円の場合)

トータル149,500円となります。

上記の通り公正証書遺言を、公証人に来てもらって作成する場合は、15万円前後かかります。

1-2 公正証書遺言の作成を司法書士に依頼した場合の費用は別途5万円

司法書士や行政書士へ公正証書遺言の依頼をしたときにかかる費用の相場は別途約5万円です

かかる費用の基準は、遺産の価額がいくらかによって報酬金額が決まります。(遺産の価額に関係ない司法書士もあります)

その他にかかる費用は次の通りです。

・証人立ち合い料 ※報酬に含まれている場合もあり(相場としては、1人につき1万円)
・公正証書遺言書の保管料
・相談料
・出張費…etc

(参考:以下、インターネットで調べた行政書士事務所の費用)

A司法書士事務所の場合

種類 司法書士報酬(税別)
公正証書遺言案文作成 財産1億円以内 … 5万円
証人立会料 1名につき … 1万円
公正証書遺言保管料 1年につき … 1万円

B司法書士事務所の場合

種類 司法書士報酬(税別)
相談 無料
公正証書遺言案文作成 4万円
遺言証人
※自分で用意する場合不要
2万円
戸籍収集 1通 千円 ※別途実費
登記事項証明書
(不動産がある場合)
1通 500円 ※別途実費

司法書士や行政書士へ依頼をしたときにかかる費用は5万円前後と覚えておきましょう。(※詳しくは依頼先に必ずご確認ください。

1-3 公正証書遺言の書換手数料は約5万円

公正証書遺言の内容の変更に係る費用は、1-1で解説した公正証書手数料の2分の1の金額が必要となります。つまり、約5万円です。(同24条2項 ただし、同じ公証人役場でする場合は4分の1となります。) 

※遺言を取消すだけなら、11,000円となります(公証人手数料令19条2項)

遺言書を書き換える理由は、下記のようなものとなります。

・子供に平等に残したいと思っていたが、世話になった子供に多く残したくなった
・生前に住宅資金等贈与した分、何もしてあげていない子供に多く残したくなった
・孫が障害を抱えてるため、孫を抱えた娘に多く残したくなった。
・再婚して、新妻に全財産を残したい。 

残す側の人の気持ちは変わることもあります。その場合に、公正証書を書き変える都度、5万円程度の費用がかかります。さらに司法書士に依頼すると、別途作成費用がかかります。

1-4 公正証書遺言必要書類

 公正証書を作成する場合に、必要な書類は次の5つです。

必要書類 備考
①本人確認書類(遺言者) 印鑑登録証明書または運転免許証等
②戸籍謄本
③登記簿謄本と固定資産評価証明書 財産に不動産がある場合
④証人予定者の名前、住所、生年月日のメモ 遺言者の方で承認を用意される場合
⑤住民票 財産を相続人以外に遺贈する場合のみ

2 民法改正後の現在は、自筆証書遺言を使って約3万円で間違いのない遺言を残せる

自筆証書遺言の費用相場

この章では、公正証書遺言を使わず、自筆証書遺言(自分で書く遺言書)を安い料金で、間違いのない遺言を確実に残す方法を解説していきます。

その方法とは、次の流れで行う方法です。

①自筆証書遺言を作成する
②司法書士に法的に問題が無いか、チェックをしてもらう

この方法で、3万円で公正証書遺言と同等の効力を持つ(法的に間違いのない)遺言を遺すことができます。

これは、民法改正により可能になった新しい方法です。

また、遺言書の書き方は3章で解説してますが、一般的な家庭で余程の財産が無い限り、さほど時間もかからず、簡単に作成できます

2-1 民法改正で2020年から自筆証書を法務局が預かる

2020年7月10日から『法務局が遺言書を預かるサービス』が始まりました。これを使うことにより、自筆証書遺言が公正証書遺言と同じく、”間違いのない遺言”となります。つまり、費用の高い公正証書にする必要が無くなります

今までは、自筆証書遺言は下記のような問題がありました。

①遺言書がみつからない
②遺言書廃棄及び改ざんされる。
③法的に間違っていると遺言が無効になる

このサービスにより、と②の心配がなくなります

また、③の問題についてもご安心ください。次章(2-2)でその解決策を解説していきます。

(法務局 遺言書預かりサービスイメージ図)

 遺言書保管法のイメージ図

(出典:法務省|法務局における自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度について| 遺言書保管法パンフレット

2-2   遺言の中身を間違い無くするには司法書士の法的チェックを活用しよう

前述した③の問題の解決方法として、自筆の遺言書は一度、司法書士にチェックしてもらいましょう。

理由としては、専門家に法的なチェックをしてもらうことで、“間違いの無い遺言書”とすることができるからです。

以下、1つでも間違った書き方をしてしまうと無効になってしまいます。

・日付がない
・夫婦共同名義で書いている
・訂正印が無い
・住所が登記簿と異なっている

司法書士と行政書士は料金設定には差がありませんが、不動産等の登記は司法書士でないとできないため、司法書士がお勧めです。

※司法書士以外の専門家にも相談できるが、お勧めはできない
司法書士以外にも、弁護士や行政書士に相談することもできます。しかし、これらは料金設定が高いため、余程の資産家か、揉める可能性が高い人以外はお勧めではありません。

2-3   司法書士に遺言を確認してもらう費用は3万円

自筆証書を司法書士にチェックしてもらう費用は3万円~7万円が相場のようです。書き変え費用も1万円~3万円の価格設定が多いです。

司法書士によって値段は変わりますが、3万円で見てくれる司法書士がみつかれば、公正証書遺言よりも安く、1/5の費用で遺言書が作れます


3 自筆証書遺言がお勧めのケース

自筆証書遺言がお勧めなケース

下記のようなケースにあてはまる方は、遺言書の内容が複雑にならず、簡単に作ることができるため、自筆証書遺言がお勧めです。

・相続人(遺産を受け取る人)が少ない
・一般的な遺産だけの場合(実家、預貯金、金融商品程度) 

最近では、遺言書キット等を利用される方も多いです。必要なものが一式そろって販売されているので便利です。

(参考コクヨ 遺言書キット

遺言書キット

 下記のサンプルは、専門家が作った、遺言書のサンプルです。こちらも参考にしてみてください。 

遺言書サンプル1枚目

遺言書サンプル2枚目

遺言書サンプル3枚目

(監修:福岡ひかり司法書士法人

【遺言書に書く内容】
・タイトル(遺言書)
・相続人の名前と生年月日(財産を受け取る人)
・遺言執行者
・財産目録(登記簿の通りに記載)
・被相続人(財産を遺す人)の署名と捺印


4 公正証書遺言が適しているケース

公正証書遺言が適しているケース

下記のようなケースにあてはまる方は、公正証書がお勧めです。

1、字が書けない方
高齢等で字が書けない方は、自分で書くことが難しいので、公正証書がお勧めです。公正証書遺言であれば、遺言の内容を公証人に伝えれば、公証人が遺言書を作成してくれます。

文字が書けなくても遺言書を残すことができます。署名欄についても、公証人による代筆が認められています。

2、財産や受取人が多い方
不動産を複数お持ちの方、会社の事業をされている方等で、受取人が多い方は公正証書を好まれる方が多いです。

財産や、受取人が多いと、自分で書くと煩雑となり、書く量が多くなります。その為、高齢の方や、忙しい方は、公正証書遺言を好まれる方が多いです。

公正証書は、書類を揃えて(固定資産税の明細、戸籍謄本等)、公証人に伝えるだけなので、手間暇をかけたくない人は公正証書が良いでしょう。


5 まとめ

公正証書の費用から、公正証書遺言に代わる自筆証書遺言+法務局預かりの方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

公正証書の費用面で、遺言書を躊躇していた方は、ぜひ、2020年の7月からの法務局預かりサービスの利用を検討してみてください。

また、自分で書いた遺言書の内容が、法的に不安がある方は、一度専門家に相談してみましょう。

【お勧めの相談場所】
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https://yukari-tokyo.jp/about-us/introduction/ 

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