育休を早めに終えて復帰するメリットは?注意点とタイミングの目安も解説
育休を早めに終えて仕事に復帰するメリットはありますか?
育休を早めに終えて職場に復帰するメリットは、
①経済的に安定する
②0歳児は保育園の途中入園で競争率が低く入りやすい
などが挙げられます。
育休からの復帰を早めて職場に復帰したほうがいいのか、それとも子供が1歳になるまで育休を取得したほうがいいのか悩まれる方もいらっしゃると思います。
この記事では、育休を早めに終えて復帰するメリットについて解説していきます。
育休を早めに終えて職場復帰しようとお考えの方の参考になれば幸いです。
この記事で分かること!
- 育休を早めに終えて職場復帰するメリット
- 育休を早めに終えて復帰を早める場合の注意点
- 育休から復帰するタイミング
育休を早めに終えて職場復帰するメリット2つ
育休を早めに終えて職場復帰するメリットは2つあります。
- 経済的に安定する
- 0歳児は保育園の途中入園で競争率が低く入りやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう
経済的に安定する
育休を早めに終えて復帰するメリットの1つ目は、経済的に安定することです。
育児休業給付金は現在の制度では、産休育休前の総支給金額の約6割(67%)が支給されます。
また、6か月(180日)以降は5割が支給となります。
復帰後も育休前の変わらない給料をもらえるのであれば、経済的な面から見れば復帰を早める方が良いでしょう。
例:Aさん(育休前の総支給金額25万円(手取り20万円))が、1年間フルで育休を取った場合と、育休を6ヶ月で終えて職場復帰する場合の収入比較
フル(1年間)で育休を取った場合 | 1,755,000円 |
半年間育休+半年後職場復帰した場合 | 2,205,000円 |
差額 | 450,000円 |
Aさんの場合、半年で育休を終えて職場復帰すると、フル(1年間)で育休を取った場合と比べてトータルで45万円収入が多くなります。
育児休業給付金の支給額計算方法
上記計算例は、育児休業給付金の支給額計算方法に当てはめて計算しています。
このように、手取りベースでみても給与の方が育児休業給付金より多くなるため、育休を早めて復帰すると経済的に安定することになります。
ただし、復帰後は短時間勤務などの働き方をする場合は、給与が減ったりするケースがあるので注意しましょう。(後述)
注意!産後の復帰は最短でも8週間後からしかできない
母体の安全のため、「産後8週間の間、事業主は女性を働かせることができない」と労働基準法(第65条)で定められているため、注意しておきましょう。
ただし、産後8週間というのは産前産後給付金の対象範囲内になるため、育児休業給付金の期間とは別になります。
0歳児は保育園の途中入園で競争率が低く入りやすい
0歳児は保育園の途中入園で競争率が低く、入りやすいと言われています。
0歳児の保育園利用者割合が全体の17.0%で、1〜2歳児は57.8%を占めているという結果から、0歳児の保育園の利用者が少ないことがわかります。
また、待機児童の割合でも0歳児全体は5.0%、1〜2歳児は35.4%ということから、0歳児は定員の空きが多いため入園しやすいと言えます。
参照:厚生労働省|保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)
もし、待機児童で育休延長ということを考えたら、保育園に入りやすい0歳児のうちに保育園に入園することも検討してよいかもしれません。
育休からの職場復帰を早める手続きについて
育休からの復帰を早めたい場合は会社との調整になります。
直接お勤めの会社に相談しましょう。
調整が済み次第会社から、『育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届』が届きますので、そちらを記入して提出すれば完了です。
復帰日が確定すると、会社の総務担当などが復帰の手続きを行ってくれます。
育休手当の支給が止まるのは”職場復帰”のタイミング
育休手当の支給は、『職場に復帰する日の前日まで』です。
よくある勘違いとして、『保育園が決まった日』『保育園入園日』と考える方もいらっしゃいますが、それは誤りです。
入園が決まっても、給付期間内(子供が1歳未満)であれば、職場に復帰するまでの間は育休手当の支給は続きます。
育休を早めに終えて復帰を早める場合の注意点
育休を早めに終えて、職場復帰を早める場合の注意点が2つあります。
- 時短の場合、育児休業給付金と差がなくなる可能性がある
- 復帰を早めるのが難しい場合もある
時短勤務の場合、育児休業給付金と差がなくなる可能性がある
復帰後、時短勤務となった場合、育児休業給付金と給与にほぼ差がなくなる場合があります。
例えば、育休前の手取り20万円(総支給25万円)のAさんが、産後6ヶ月で復帰する場合、
育児休業給付金の支給額
6か月以降の育児休業給付金月額 = 125,000円
つまり、時短勤務や出勤日数が少なく、手取りが12万五千円以下であった場合、復帰しても給付金より手取りが少なくなってしまいます。
復帰後の給料と給付金額を比較し、育休からの復帰を早めるかどうかを検討しましょう。
育休からの復帰を早めるのが難しい場合もある
育休からの復帰を早めるのが難しい場合もあります。
なぜなら、育休からの復帰は、自分の都合だけではなく、会社の都合もあるからです。
例えば…
- 代わりに人を雇ったなど、雇用の問題があるため難しい
- 人件費など予算の計画が崩れるため難しい
復帰を早めたいと思ったら、早めにお勤めの会社に相談することが重要です。
育休から復帰するタイミングの目安
育休からの復帰のタイミングは、家庭環境や職場の状況もあり決めるのはなかなか難しく、一概にいつが良いとは言えません。
仕事の状況や子どもの事情、自分の気持ちなどを踏まえて、自分に合ったタイミングをきちんと考えることが大切です。
以下、少しでも参考になれば幸いです。
育休の平均取得期間
1年未満の育休取得期間の割合は以下の表の通り、10〜12ヶ月未満が30.0%、8〜10ヶ月未満が8.7%、6〜8ヶ月が6.4%と続きます。
育休からの復帰を早める数は一定数いて、半年〜1年未満を考えている方が多いようです。
育休から復帰する細かなタイミング
ここでは育休からの職場復帰に関して、もう少し”細かいタイミング”を考えていきます。
復帰日は社会保険料の免除期間を考えて月初に
復帰日は月初に設定することをオススメします。
なぜなら、育休中の社会保険料免除をフル活用できるからです。
例えば、会社の給与の締め日を考慮して4月21日に復帰、とした場合、4月分から社会保険料がかかってしまいます。
しかし、5月1日を復帰日にした場合は、4月分の社会保険料はかからず5月分の給与から差し引かれることはありません。
保育園の入園日から一カ月以内で決める
多くの自治体では、「入園月の翌月1日までに復職することが必要」としています。
育休からの早めの復帰は、前述した通りお勤めの会社都合もありますので、保育園の入園日と職場復帰の日の兼ね合いを考えて決めることが重要になります。
まとめ
育休を早めに終えて復帰するメリットは『経済面で安定する』、『0歳児だと途中入園が有利』という点が挙げられます。
ただし、復帰後に時短で働く場合は給与面ではメリットにはならず、また、会社側としては1年育休をとることとして経費面などの計画をたてているため、復帰を早めることができないこともあります。
早めたい理由を明確にして、家族や会社とよく相談して復帰をするベストタイミングをみつけましょう。