日本株は長期投資には向かない?長期で安定利益を求めるなら世界株も検討しよう!
株式投資を始めようと思っています。日本株は長期投資に向いていますか?
もちろん、長期投資に向いている日本株もありますが、日本株全体として考えたときには長期投資には向かない傾向にあると考えます。
この記事では、日本株が長期投資に向くかどうかを、様々なデータから検証していきます。
また、日本株と比較して世界株についても詳しく見ていきます。
この記事で分かること!
- 日本株は長期投資に向かない傾向にある理由
- 長期投資なら世界株がおすすめな理由
長期投資の運用成果に与える主な要因
長期投資を考える上では、その国の経済状況(景気)や人口の動向などの要因に注目しなければなりません。
なぜなら、これらの要因は長期的に株式市場と連動することが多いからです。
まずは「経済状況(景気)」と「人口の動向」が投資に与える影響を見ていきましょう。これを知ると、ある程度日本株が長期投資に向くか向かないかが分かります。
長期投資とは
長期投資とは、数年から数十年のスパンで日本株式や世界株式などの資産を保有することを指します。長期投資のメリットは、短期的な市場の変動に左右されずに、長期的な利益を狙えることです。
経済状況(景気)が株式市場に与える影響
経済状況(景気)は株式市場と密接に関係しており、大きな影響を与えます。
経済状況が良いときは、企業の業績や消費者の購買欲が高まり、株式市場全体が上昇する傾向があります。
逆に、経済状況が悪いときは、株式市場全体が下落する傾向にあります。
したがって、長期投資をする際には、経済状況が良いか、また今後それが継続できるかなど確認する必要があります。
例えば、日本でいうとバブル期は景気が良く、今後も継続すると思っていたので株価が上昇していました。
しかし、その後バブルは崩壊し不況に入り、次第に株価は下がっていきました。
このように、経済状況(景気)は株式市場全体に大きな影響を与えます。
人口の動向が株式市場に与える影響
人口の動向は、長期的に株式市場に影響を与えます。
人口が増えると消費や投資が活発になり、様々な企業にとって利益(儲かる)が上がり、株式市場(株価)上昇の要因になります。
逆に、人口が減ると消費や投資が低調になり、株式市場(株価)は下落する傾向にあります。
例えば、米国は人口が毎年増加しているため、米国全体の株価は長期的には右肩上がりです。
日本株が長期投資に向かない傾向にある理由
この章では先に解説した通り、経済状況や人口の面から見た、日本の株式市場全体としては長期投資に向かない傾向にある理由を検証していきたいと思います。
長期的に株価が右肩上がりの日本株ももちろん存在します。ここではあくまでも”日本の株式市場全体”としての長期投資の傾向を見ていきます。
①他の国と比較して経済成長できていない
日本の株式市場全体としては長期投資に向かない傾向にある理由の1つ目は、他の国と比べて経済成長率が低い点です。
一般的に、景気が良いか、今後景気が良くなるかを予測する指標として経済成長率が使われます。
以下は、日本と主要国とのGDPの比較図です。日本は横ばい、つまり成長していない(経済成長率が低い)ことが分かります。
一般的に経済成長率が低い国の株価は上がりにくいため(詳しくは後述)、日本の株式市場全体としては長期投資に向かない傾向にあると言えます。
②日本は人口減少が続いている
日本の人口が減少し続けていることも、日本の株式市場全体が長期投資に向かない傾向にある大きな理由の一つです。
下図は日本の人口推移です。2010年をピークに減少が続いています。
データ参照:厚生労働省|日本の人口の推移(平成24年1月推計)
また、現在(2022年6月)の日本の出生率は1.26で、2060年には人口が8,674万人に減少すると見込まれています。
出生率参照:厚生労働省|人口動態統計月報年計(概数)の概況
人口推移参照:国土交通省|我が国経済とこれを取り巻く環境
先にお伝えした通り、人口減少は国内の消費が減る要因となり、景気に大きな影響を及ぼします。
つまり、日本の株式市場全体としては長期的にもマイナスで、長期投資には向かない傾向にあると言えるでしょう。
③日本の株価は右肩上がりではない
日本全体で見た場合の株価は右肩上がりではないことも、長期投資に向かない傾向にある理由です。
その要因としては、ここまでお伝えしてきた『経済成長』と『人口』の要因が考えられます。
下記は日経平均株価の推移ですが、1989年が株価のピークで、以降はこの株価を一度も超えたことがありません。
株価が右肩上がりになっていない日本の株式市場は長期投資には向かない傾向にあります。
日本株をすでに持っている場合どうすればいい?
もしあなたがすでに日本株を持っていて、思ったよりも株価が上がっていない場合は、私の意見としては、売却することをお勧めします。
なぜなら、日本株全体としてはこれまで見てきた通り、将来的に上昇し続ける可能性が低いからです。
もちろん、個別銘柄によっては良いものもあります。
しかし、全体的に見たときには、日本株よりも世界株の方が魅力的な場合が多いです。
長期投資するなら世界株にも着目しよう
長期投資(10年以上)をするのであれば、日本株だけではなく、世界株にも目を向けてみましょう。
世界株に着目する3つの理由をお伝えしていきます。
長期投資なら世界株も検討すべき3つの理由
- 世界経済は成長し続けている
- 世界の人口は増加傾向
- 世界の株価は長期的に右肩上がり
①世界経済は成長し続けている
長期投資をする場合、世界株も検討すべき1つ目の理由は、世界経済は成長し続けており、今後もそれが続くと予測されている点です。
以下は、主要国のGDPの推移を表したグラフです。
世界全体でみるとアメリカや中国を中心にGDPが増加しています。他の国も、緩やかではありますが増加傾向です。(日本はほぼ横ばい)
その為、日本以外の世界各国は今後もGDPが上がり、経済成長し続けていくと考えられます。
よって、世界株は長期投資に向いている傾向にあると言えるでしょう。
②世界の人口は増加傾向
長期投資で世界株を検討すべき理由の2つ目は、世界の人口が増加傾向にあることです。
世界の人口は下図の通り今も増え続けており、2050年には約97億人に達すると予測されています。
データ参照:国連広報センター|世界人口推計2019年版:要旨 10の主要な調査結果
日本と比べて世界の人口は増え続けているため、今後も世界経済は発展していくと予測されます。
このように、長期投資を行うのであれば、人口が増え続けている世界(株)にも目を向けることをお勧めします。
③世界の株価は長期的には右肩上がり
世界株を検討すべき理由の3つ目は、世界の株価が右肩上がりの傾向にあることです。
下記図は、世界の株価(MSCIワールド指数)のグラフです。
MSCIワールド指数とは
先進国全体の世界株式市場の動向を表す指標のこと。日本を含む世界の主要23カ国の株式で計算されている。
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が算出、公表している株価指数のことで、MSCIワールド・インデックスとも呼ばれる。
▼上がったり下がったりを繰り返していますが、長期的には右肩上がりとなっています。
世界の株式全体の過去20年のリターンは約7%です。一方、日本の株式全体のリターンは約4%(しかも”右肩上がり”とは言えません)。
この結果から見ても、長期投資を行うのであれば、右肩上がりの世界株の方が向いている傾向にあると言えるでしょう。
まとめ
日本株全体としては長期投資に向かない傾向にある理由を様々なデータから見てきました。
これから長期投資を検討している方は、日本だけではなく世界にも目を向けていくと良いかもしれません。
または、日本株でも長期で成長を続けているものであれば長期投資を検討しても良いでしょう。
右肩上がりになっていくような株式(日本株・世界株を含め)が知りたい、NISAを使って長期投資を始めたい、特に初心者の方はファイナンシャルプランナー等に相談しながら進めていくことも、長期投資を失敗しないコツです。