任意後見制度のデメリットは少ない!大切な財産を守る、利用すべき制度

任意後見制度のデメリット

任意後見制度の利用をおすすめされたけれど、良いことしかないの?
デメリットってあるの?
とお思いの方も多いのではないでしょうか?。

実際のところ、初期費用がかかる等のデメリットも少しはありますが、はっきりとメリットの方が多いと言えます。

なぜなら、「任意後見制度」は法定後見制度と違い、お金を専門家に管理されることなく、財産や身の回りの世話の管理を、家族など、本来管理してもらいたい人を指定できる制度だからです

※任意後見制度を利用せず、認知症になってしまった場合の法定後見制度」については1章で詳しくご説明します。)

この記事では、
・法定後見制度とはどういった制度なのか?
・デメリットや注意点
・制度を使うのにおすすめな方
・制度開始までの流れ
などを分かりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

監修:福岡ひかり司法書士法人

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1 任意後見制度とは認知症の方と障がい者を守るすばらしい制度

任意後見制度は素晴らしい制度

任意後見制度とは、自分の判断能力が低下した際に、自分の財産を、信頼できる人(家族や兄弟等)に管理を任せることができる“とても良い制度です。

この制度を利用しておけば、認知症になった場合や、知的害者のお子様が成人した際に、自分が任せたいと決めた人に任せることができます。

仮に、任意後見制度を利用せず、自分や親が財産を管理できない状態になった場合は、法定後見制度が適用されてしまいます。 

法廷後見制度とは
法定後見制度とは、既に判断能力が不十分な時に、申立により家庭裁判所によって選任された後見人等が本人に代わって財産や権利を守り、本人を法的に支援する制度です。

法定後見制度になってしまった場合は、後見人を家庭裁判所が決めるため、自分では、家族などの信頼できる人を指定することができません
(昔は、法定後見制度でも、家族が後見人として選ばれるケースが多かったのですが、最近では3割を切っています。)

家庭裁判所が決める後見人は、見ず知らずの専門家(弁護士、司法書士、社会福祉士等)が選ばれ、自由に財産を管理できなくなる上、毎年24万~72万(月2〜6万円 ※東京家庭裁判所の発表資料より)の費用を払わされることになります。

法定後見人等の選任別件数グラフ

具体的には、下記のような財産に関する管理等です。
・預貯金や有価証券の管理
・不動産の売買
・身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約

認知症の心配がある方は、専門家に財産の管理をされたり、高額な報酬を払ったりすることにならないように、元気なうちに任意後見制度の活用を検討しておくことをおすすめします。


2 任意後見制度のデメリットは3つだけ

3つのデメリット

任意後見制度のデメリットは下記の3つだけです。

➀初期費用がかかる
任意後見制度は公正証書にする必要があるため、その手続き費用として約3万円かかります。また、専門家(司法書士や弁護士)に依頼すると、別途5万~20万円の費用が発生します。

項目 金額
公正証書手数料
※枚数が4枚を超えるとき、1枚ごとに250円加算
1,1000円
法務局に収める印紙代 2,600円
法務局への登記嘱託料 1,400円
書き留め郵便料 540円
製本謄本の作成料(1枚につき) 250円
合計 15,790円

公正証書は、枚数が13枚前後のため2.8万円前後となることが多いです。

内訳は以下の通りです。
公正証書手数料が250円×(13枚-4枚)=2250円増
正本謄本作成料は250円×枚数分となります。それが、委任者分と受任者分作られるので、1万円程度になります。

 

【必要書類:住民票(3か月以内のもの)、戸籍謄本、印鑑証明書】

上記のように費用が掛かりますが、1回だけかかる費用なので、法定後見で毎年24万~72万の費用を取られることを考えたら、費用をかけてでも、任意後見制度の利用をお勧めします。


②本人が行った契約は取り消すことができない

「法定後見制度」の成年後見人とは異なり、本人が行った契約を取り消すことができなくなります。どういうことかというと、任意後見人は、本人を代理する権限しかなく、契約を取消す権限は与えられていないので、例えば、本人が悪徳商法などに騙されて契約した場合には対応することができません。
そのため、本人が騙されたりしないように、任意後見の場合は、近くにいる方が後見人になることをお勧めします。


③定期的に事務報告書の作成が必要

任意後見制度を利用して後見人になった方は、定期的(3か月~6か月)に、監督人へ、財産目録や収支報告書の提出が必要です。多少手間がかかりますが、複雑な書類ではありません。専門家に任せて高額な費用を払うより、後見人の方ご自身で作成することをお勧めします。

以下のページに事務手続きの書類の書式がまとめられておりますので、ぜひ活用してみてください。

参照:千葉司法裁判所|事務手続き書類の書式


3 任意後見がお勧めの方

任意後見制度がおすすめな方

3-1 配偶者又は親が将来認知症の心配がある場合

配偶者や親が認知症になる心配がある方は、元気なうちに任意後見契約を結ぶ事をお勧めします。

前述しましたが、任意後見契約を結ばずに認知症になってしまうと、預金が凍結されたり、実家等の不動産の売却ができなったりする上に、専門家がつき、毎月2〜6万円を支払い続けることになってしまいます。

また、この専門家は資産が減らないように管理するため、実家を売却して、施設に入れたいと思っても、実家の売却を認めないケースもあります。

このように、身近な人が、親や配偶者の為にやってあげたことも、できなくなりますので、心配がある方は、元気なうちに任意後見契約を結んでおくことをお勧めします。

3-2 未成年の障がいのあるお子様がいる場合

未成年の障がい者のお子様をお持ちのご家庭も、任意後見制度を利用することをお勧めします。

障がい者が未成年から成年になり、お子さん自身で財産の管理ができないと判断された場合は、法定後見制度を利用することになります

このケースで法廷後見となり、専門家が後見人になってしまうと、一番子供のことをよく知っている親がお子様の財産の管理ができなくなってしまいます。さらに、これも同様に、お子様の財産から毎月費用を払うことになります。
 
未成年のうちは、親権という権利を使って、任意後見契約を作ることができます。成年になると、親権を使って契約書を作成することができないので、お子様が未成年のうちに準備しましょう


4 任意後見 4つの注意事項

任意後見制度の注意事項任意後見制度は下記のような注意事項もありますので、注意事項も抑えたうえで進めていきましょう。

注意① 
下記の内容にあてはまる人は任意後見人になれません。
(未成年者、家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人、破産者、行方の知れない者、本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族、不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者)

注意②
委任者にとって、得ではないお金の使い方はできません。

注意③
裁判所が指定した監督人が付きます。(注:法定後見の場合も、監督人が付くこともあります。)

注意④
任意後見でも、法定後見でも 後見人を監督する監督人が付くため、監督人の費用が月額1万円~2万円かかります

※監督人とは
監督人(成年後見監督人)とは、後見人(成年後見人を監督する仕事です。
家庭裁判所に選任されますが、一般的には専門家(司法書士や弁護士)が選任されます。
後見人が後見事務を適切に行っているかどうかを監督して、家庭裁判所に報告する役割を担っています。
不適切な後見事務がある場合は、後見人に助言指導を行い、不正を発見した場合は、家庭裁判所に報告します。

5 任意後見開始までの4つのステップ

任意後見制度開始までの4つのステップ

ステップ① 任意後見人を決める
まずは財産管理を依頼する、任意後見人を決めます。家族や友人、親族や専門家などから、信頼できる人を選びます。全てにおいて任せられるような、そんな信頼を寄せられる人が望ましいです。

ステップ② → 任意後見契約を結ぶ
自身の選んだ任意後見人との間で、支援内容を盛り込んだ契約を結びます。任意後見契約は必ず公正証書で作成しなければならないため、最寄りの公証人役場に出向きましょう。

公証人に契約書の内容をチェックしてもらい、アドバイスをもらいながら作成していきます。これが完了すると、任意後見人が決定されます。
(注:公証人役場に行く場合、ひな型通りに作成されます。専門的なアドバイスが必要な場合は、専門家に一度アドバイスを受けた方が良いです。

ステップ③ → 任意後見監督人の選任の申し立て
本人が認知症などで判断能力を失い、任意後見を開始したいと思った段階で、家庭裁判所へ申し立てを行います。
任意後見を開始するためには、任意後見監督人を設定する必要がありますので、家庭裁判所の審判によって、任意後見監督人を選任してもらいます。

ステップ④  → 後見の開始
任意後見人、さらに任意後見監督人が決定すると、後見が開始されます。公正証書で作成した内容をもとに、本人はサポートを受けることになります。


まとめ

任意後見制度の制度の仕組みとデメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
 
大切な家族や兄弟が、認知症等になっても、安心した暮らしができるように、元気なうちに、任意後見制度を利用することをお勧めします。

また、任意後見契約の契約書の作り方や、任意後見は万能ではなく、他の対策(家族信託等)も必要となる複雑なケースも多々ありますので、制度利用の前には一度専門家の相談することをお勧めします。

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