これは対象?コロナ関連で使った費用の医療費控除を解説!【確定申告】

これは対象?コロナ関連で使った費用の医療費控除を解説!【確定申告】

新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」と表記)の流行が続く中、初の症例からもうすぐ1年がたとうとしています。(2021年2月某日執筆)

・コロナに感染してしまい、医療費がかかった
・感染予防のためのマスクやアルコール消毒液、PCR検査といったものにお金がかかった

これらコロナ関連でかかった費用は、医療費控除の対象になるのか気になりますよね。

新型コロナウイルスに感染した場合にかかる医療費は公費負担により、自己負担はほとんどありません。しかし、初診料や検査費用などは自己負担となります。

これら自己負担となった医療費は「医療費控除」の対象となります。
しかし、感染予防にかかった費用などは控除の対象にはなりません

このコロナによって想定外の出費となった方は多いかもしれません。今年の医療費控除の申告には控除の対象と対象外をしっかり知ることがポイントになります。

この記事で得られること!
  ・コロナ感染にかかる医療費の「医療費控除の対象」とは何か
  ・医療費控除の対象となる費用、ならない費用
  ・医療費控除の申告の際の注意点
  ・申告で準備する書類と手順について
  ・コロナに感染してしまった方が受けられる補助金一覧

この記事を読んで、少しでも家計の負担が軽減できれば幸いです。

目次

コロナ関連でかかった費用は医療費控除の対象・対象外とは【コロナ感染でかかる医療費についても解説】

新型コロナウイルスが大流行中ですが、コロナに感染した方は医療費がかかったり、予防のためのマスクやアルコール消毒液の費用は医療費控除の対象になるのでしょうか。

医療費控除の対象となるポイントは、「治療を目的とした医療費」かどうかということです。

それでは、医療費控除の対象と対象外を詳しく解説します。

医療費控除の対象となる費用

1-1-1 自己負担になった医療費【コロナ感染によりかかる医療費は公費負担】

基本的に、コロナ感染でかかる医療費は公費負担になるため、自己で払う(自己負担)医療費はほとんどありません。ただし、全てが公費でまかなわれるわけではなく、自己負担になる医療費もあるため、その支払った医療費については控除対象となります

【コロナ感染でかかる医療費で自己負担となるもの】
・初診料
 ・血液検査
 ・胸部レントゲン撮影等の検査費用
 ・公費負担の一部自己負担した費用
  など

主に、感染と判断されるまでにかかる費用が自己負担になります。つまり、控除の対象になるということです。
自己負担額は、一般の病気の治療と同じで、健康保険適用者は3割、又は、1割負担となります。

*新型コロナウィルスは指定感染症法に指定されているため、医療費は公費負担(タダ)*

現段階では、新型コロナウイルス感染症は、感染の疑いのある人や感染した人に対して、国や地方自治体はまん延を防止する必要があると認めるときは、医療入院治療が必要と判断された場合に、それら入院治療にかかる医療費は公費で負担する(公費負担)としています。

※今後、指定感染症から外れる場合もある為、医療費は通常通りかかる可能性もあります。

また、コロナ感染での治療入院をした場合、医療費は公費負担になりますが、所得に応じて公費負担の一部を自己負担としています。詳細は、各都道府県のHPに記載があるので、それぞれ確認しましょう。

札幌市では以下としております。

【自己負担限度額(月額)】引用元:札幌市HPより

※1 高額かつ長期とは、月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある者(例えば、医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が年6回以上)
※2 人工呼吸器等装着者とは、人工呼吸器その他の生命の維持に欠くことができない装置を装着していることについて特別の配慮を必要とする者で、次のア、イの要件を満たす者。

オンライン診療でかかった医療費

現在は、コロナ感染拡大を受けて、オンライン診療を始める医療機関が多くなりました。
オンライン受診によってかかった医療費も医療費控除の対象となります。

【オンライン診療でかかる主な費用】
・オンライン診療料
・オンラインシステム利用料
・処方された医薬品の購入費用

国税庁のHPより、オンライン診療によりかかった費用において控除対象となるものについて記載しています。

参考:国税庁HP「4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係 問12-3オンライン診療に係る諸費用の医療費控除の適用について〔令和2年10月23日追加〕」

病院までの交通費

病院までの通院の際にかかった交通費は、公共交通機関での移動については控除の対象となります。

控除の対象となるのは、実際に支払った金額です。

また、タクシーで移動しないといけない場合(緊急を要する時やバスや電車での移動が困難な時など)は、タクシー代も控除の対象となります。

コロナ感染後の通院費

コロナ感染で退院後も、咳や味覚障害など後遺症が残っていて通院をしているという事例もあります。

この事例の場合、現在、新型コロナウイルスと判断(陽性)されていないと、公的医療保険制度の範囲の治療となる為、公費負担とはなりません。したがって、通常の治療となります。

ですので、かかった通院費は医療費控除の対象になります。

医療費控除の対象外

以下は、コロナ関連でかかった費用の医療費控除の対象外となります。

<対象“外”となる主なもの>
・自主検査によるPCR検査

 ・マスクの購入費用
 ・アルコール消毒液
 ・病院までに自家用車で通ったガソリン代
 ・差額ベット代(個室を自ら希望した場合)
 ・入院中のテレビ貸出料
 ・冷蔵庫の使用料やパジャマの貸出料
 ・病院への移動で自家用車を使った場合のガソリン代
 ・オンライン診療で処方された医薬品の配送料

上記費用が、控除の対象とならない理由は、治療を目的としていないからです。

治療が必要と判断されない予防などにかかる費用ついては、控除の対象からは外れます。

医療費控除とは

医療費控除とは【制度の概要】

そもそも、医療費控除とはどういった制度なのかを解説します。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が多くなった場合に、所得税が軽減される制度になります。
所得税を計算する際に、課税対象となる所得から一定の額を控除することで、その分の税金が安くなります

確定申告によって、税金の還付を受けることができます。

医療費控除の対象の定義

医療費控除の対象となる医療費には、対象となる定義があります。

1、医師等による診療や治療のために支払った費用
2、治療や療養に必要な医薬品の購入費用

1章でもお伝えしましたが、医療費控除の対象となるのは「治療を目的とした医療費」になります。
予防などにかける費用については、控除の対象外になります。

【従来の医療費控除の対象医療費の例】
・病院や歯科医院での治療費
・治療のために購入した薬の代金(市販薬もOK)
・病院や助産所、介護施設などへの交通費(電車代やバス賃など)
・けがや病気の治療のためのマッサージ、はり、お灸などの費用
・付添料(入院や自宅療養をしている病人の付添(家族や親せき以外)頼んだ場合など)
・出産費用
・助産師などの介助費用
・介護保険制度にもとづいた介護サービスの自己負担額分
【従来の医療費控除の対象外の例】
・ビタミン剤など健康増進や病気予防のための医薬品代は
・自家用車で通院する場合のガソリン代・駐車場代・緊急を要さない場合に使用したタクシー代
・国家資格を持たない者による施術など

控除できる金額

医療費控除は、1年の医療費の合計が10万円以上かかった場合から所得控除が受けることができます。
他の医療費も合わせることや家族内で合算することができるので、金額が少ないという方でも合計することで、控除の適用を受けることができます。

以下、計算式です。※控除の上限は200万円までとなっています。

【計算式】
1年間の医療費の合計額 - 保険金などの補てん金額 - 10万円(※)
= 医療費控除額(上限200万円)

(※)総所得金額200万円未満の人は5%

医療費控除の対象とできる費用はあくまでも、自己負担分のみ

医療控除の対象金額は、あくまでも、自己負担した金額のみ申請が可能です。

コロナ感染で治療を受けた場合は、公費負担があるため、公費負担分を引いた実費金額が控除の対象となります。さらに、民間の医療保険に加入している方は、保険金もおります。

医療保険の入院給付金・手術給付金、健康保険の高額療養費や出産育児一時金などは、【補てん金】に当てはまるので、このような補てん金を受け取った場合は、その金額を支払った医療費から差し引きます。

【計算例】
20万円(1年間の医療費の合計額)ー5万円(保険金などの補てん金額)ー10万円
5万円(医療費控除額)

医療費控除の申告の際のポイント

この章では、医療費控除を申告する際のポイントについて解説します。

コロナ感染でかかった医療費というのは、公費負担でほとんどかからないため、他にかかった医療費も合わせて申告することで、控除が受けられるかもしれません。

家族の医療費も合算可能

医療費控除は、家族の医療費も合算することができます

生計を一(生活資金を共にすること)にしている場合、配偶者や家族の分の医療費も童幼に支払うことで、まとめて医療費控除を受けることができます。また、別々に暮らす父母を扶養としている場合も、合算することが可能です。

例えば、家族3人暮らし(夫(会社員)、妻(パート)、子供(6歳)の場合は、家族3人分でかかった医療費を合算して申告ができます。

両親の介護費用も合算可能

両親を介護している場合、介護にかかった費用についても医療費控除の対象になり、合算も可能です。両親の介護費用をあわせて申告する場合も、生計を一にしていれば合算して申告することができます。

ただし、介護費用の控除対象となるサービスは幅が広く複雑であるため、申告の際には税務署などに確認するとよいでしょう。

【控除対象・対象外となる介護費用】

〇おむつ代(医師が発行する「おむつ使用証明書」必須)
〇交通費 
など

参照:国税庁HP「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価

以下、記事では、介護費用にかかる税金対策について詳しく解説しています。
介護費用を抑える方法についても解説していますので、是非、参考にしてみてください!

税金が148.5万円戻ってきた事例も!介護費用と税金が安くなる10の方法

高額療養費制度や限度額適用認定証を申請していると医療費が戻る可能性も

医療費控除の申告をする前に、そもそも、無駄に医療費を支払っているケースもあります。

<ケース1>
高額療養費で2か所以上の病院にかかったケース


<ケース2>
限度額適用認定証によって医療費が多くかかっているケース

ケースごとに、それぞれ解説していきます。

ケース1:1カ月に2か所以上の病院で医療費が高額となった

1カ月に2か所以上の病院で医療費が高額となり、高額療養費制度を利用した場合は、合算することによって一部自己負担額が戻るケースがあります。
(高額療養費制自己負担額が2万1000円以上が対象)

※高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、医療機関や薬局窓口で支払った医療費において、月の初めから終わりまで(暦月)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給するという制度です。

例えば、医療費の合計が20万円とした場合、この20万円を一旦病院に支払います。その後、高額療養費制度を申請し自身の所得によって決められた上限額を超えた部分が返ってくるという流れになります。つまり、先払いというわけです

【上限額の計算方法】
所得によって上限額は異なりますが、一般的な所得の人は、自己負担額のうち「80,100円+(10割相当医療費-267,000円)×1」以上かかった分については払い戻されることになります。

例)Aさんは、
①1月3日にコロナ感染になり2週間の治療で医療費が17万円かかり支払う
⇒高額医療費制度を申請後、10万円戻り7万円が自己負担となる

②1月20日に交通事故にあい、手術や入院により治療を受けたため医療費が35万円かかり支払う
⇒高額療養費制度を申請後、27万円戻り8万円が自己負担となる

Aさんが1月に支払った医療費の自己負担の合計は15万円
この場合は、①と②を合算し一定の自己負担額が超えると、超えた部分が戻ってきます。

高額療養費が同じ月で複数の医療機関にかかった場合等について、全国健康保険協会でも記載があるので参考にしてみてください。

参照:全国健康保険協会「高額療養費について」より

ケース2:限度額適用認定証によって医療費が多くかかっているケース

先に、限度額適用認定証とは何かを説明すると、先払いの高額療養費制度と逆で、事前に高額療養費制度の申請しておき、上限額以上に医療費を払わなくていいという制度になります。

*限度額適用認定証を申請している場合に、なぜ医療費が多くかかってしまうのか?*

高額となった医療費が暦月(一か月)で複数箇所の病院であり、各病院にそれぞれ限度額適用認定証を提出した場合、各病院に限度額までの医療費を支払わなければなりません。

つまり、暦月で自身は○○万円の医療費しか払わなくていいはずなのに、○○万円を各病院に支払ったため、結局トータル医療費が高くついてしまうという現象が起きるわけです。

後日、高額療養費制度の請求することで、上限額を超えた部分は戻ってきます。こういったケースがある方は注意した方がよいでしょう。

医療費控除の申告方法

準備するもの

まずは、医療費控除の申告準備をしましょう。

準備するもの
 ・支払った医療費・介護費のレシートや領収書
  ※会社員の方は、会社からもらう医療費明細書で代用可能

 ・生命保険などで受け取った保険金の金額がわかるもの

手続き方法

次に、医療費控除の申告方法について解説します。

医療費控除は、【確定申告】で手続きします。
医療費控除は計算がある為、少し手間ではありますが、以下の通りに行うとスムーズにできます。

①1月~12月までに支払った介護費・医療費を集計する

国税庁のHPに集計用のExcelファイルがあります。

Excelファイルでは、実際にかかった費用を入力して合計が求められます。

②集計できたら、申告書類を作成する

画像は申告書になります。①で集計した金額を計算して求められた控除額を記入します。

<控除額の求め方>
(支払った医療費-補填される金額)-10万円=医療費控除額(←記入金額)

※記入書類は上記書類だけではありません。
詳しくは、国税庁のHPか最寄りの税務署にご確認ください。

最寄りの税務署所へ書類を提出する

申告・納付期限内に書類を提出しましょう。

※令和2年分は、令和3年4月15日まで

④承認されたら、1~2か月の間に多く払った税金が還付されます。

確定申告は最寄りの税務署に出向く以外にも、国税庁が提供している「e-tax」や書類を郵送して手続きすることも可能です。

医療費控除の申告はスマホでも可能に!

今年から、確定申告はスマートフォンで申告ができるようになりました。

準備するものは、マイナンバーカード対応のスマートフォン、または、税務署で交付を受けたIDパスワードがあれば、簡単に申告書&申告が可能です。

詳細や申告方法については国税庁ホームページでご確認ください。

医療費控除シュミレーション

実際に、医療費控除でどのくらいの税金が戻ってくるのかシュミレーションしてみます。

下記例のBさんは、医療費控除を申告すると、所得税・住民税合わせて約6万円が戻ってきます。

【条件】
・申告者:Bさん(男性) 所得300万円
・医療費:50万円
・民間医療保険金(補填金):10万円

【計算式】
*医療費控除額
50万円(医療費)-10万円(民間医療保険金)-10万円=30万円

*所得税還付金
①30万円×10%=3万円

*住民税減税額
②30万円×10%=3万円

還付金・減税合計(①+②) → 6万円

※Bさんの所得は300万円になる為、所得税・住民税の税率はともに10%になります。

コロナ感染で受けられる補助制度一覧

傷病手当金

コロナに感染してしまい、会社を休み報酬(給与)が受けられない場合には、加入中の健康保険から傷病手当金という手当が受れられる保障があります。

※傷病手当金とは
健康保険制度や健康保険組合に加入している本人(被保険者)と扶養となる家族の生活を保障するための所得補償制度になります。被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。コロナに感染した場合だけではく、病気やけがをしてしまった場合でも受けることができます。

《コロナ感染での特例処置がある!》
傷病手当金は、給与の支払いを受けている国民健康保険加入者でも給付受けれるようになっております。給付を受ける場合は、就業状態(働いていること)にあることが条件です。

~給付支給要件~
対象者:次の3つの条件をすべて満たす方

(1)新型コロナウイルス感染症に感染または発熱やせきなどの症状があり、感染が疑われるため勤務することができない
(2)4日以上休んでいること
(3)支給対象日となる日について給与等がもらえないこと

傷病手当金は、各健康保険組合によって支給要件などが異なります。それぞれの加入中の保険組合などに確認しましょう。

地域や国の補助制度

コロナ感染関連で、各地方自治体や国で受けられる補助制度もあります。

お金に困っている方への助成やお子様がいる家庭への助成などがあります。詳しくは、下記、厚生労働省のホームページにて一覧と助成内容が詳しく記載されています。また、お住まいの、市区町村などで独自に行っている補助制度もあります。

参考:厚生労働省HP|生活を支えるための支援のご案内

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で想定外の出費があった方も多いです。

今年の医療費控除は、それらコロナにかかった費用が医療費控除の対象か対象外かどうかは、確定申告の前に確認しておくことをお勧めします。

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