FP解説!NISA口座を複数の金融機関で持つ方法とメリット・デメリット

FP解説!NISA口座を複数の金融機関で持つ方法とメリット・デメリット

 なんとなく、近くの金融機関やネット証券のキャンペーン等で、NISA口座を開設したものの、

  • 自分の買いたい商品が無い
  • アドバイスがもらえるところに変更したい
  • 手数料が安いところに変えたい

などの理由で、金融機関を変更して、NISA口座を複数持ちたいと思う方も多いです。

 NISA口座は、複数持てないと思われている方も多いですが、実際には、1年毎に変更は可能です。
2014年にNISAがスタートした時は、金融機関の変更は不可でしたが、2015年から1年毎に変更できるようになりました。

 また、2018年から「つみたてNISA」がスタートしていますが、「NISA口座」から「つみたてNISA口座」へ変更できるようになりました。

 NISA口座を複数持ちたいと思っている方に、メリット・デメリット、変更方法、変更する金融機関の選び方を開設しています。

更に、「NISA制度」から「つみたてNISA」に変更する方法まで解説していますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

目次

NISA口座は同じ年度で無ければ、複数開設可能

  NISA制度は2014年にスタートしましたが、当初は、金融機関の変更が不可能な制度でした。
しかし、2015年からは制度が変わり、1年に1回、NISA口座を開く金融機関を変更することができるようになっています。

  2014年にスタートしたときは、金融機関の変更ができなかったため、金融機関もキャンペーンに特化し、囲い込み競争をしていました。

 口座開設したものの、買いたい商品が無い、アドバイスに不満がある等の理由で、NISA口座を変更したいニーズが多かったため、変更可能となりました。

 下記の図のように、年単位で、金融機関を変更する事により、NISA口座を複数持つことができます。毎年変えれば、最大5つの金融機関で持つことも可能です。

 ただし、同じ年に複数の金融機関で口座開設はできません

ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)では、成人向けの通常のNISAとは扱いが異なり、金融機関を変更することはできません。
どうしても変更したい場合は、開設済みの口座をまず廃止する必要があります。
ジュニアNISAでは18歳までは原則払い出しが制限されていて、災害などやむを得ない理由を除いて口座を廃止した場合は、非課税で受領したすべての売買益や配当金などが過去に遡って課税されてしまいます。

NISA口座を複数持つメリット・デメリット

 NISA口座を複数持つ場合には、メリットとデメリットを十分理解して、検討しましょう。
主なメリット・デメリットは次の通りです。

【メリット】

■既に購入済みの商品を残したまま、他の金融機関の商品が購入できる

 変更前の金融機関のNISA口座で購入済みの商品を売却して、新しい金融機関に変更する事もできます。
しかし、既に購入済みの商品を残したい方にとっては、NISA口座を複数持つメリットの一つとなります。

金融機関を変更すると、旧金融機関のNISA口座で購入した商品は、売却したり、課税されたりされると思われる方もいます。

実際には、下記の図の通り、旧金融機関のNISA口座で購入した商品も非課税で運用しながら、新しい金融機関で購入した分も非課税で運用可能です。

■手数料が安く抑えられる

 投資信託に手数料の差はありませんが、株式を購入する場合は、金融機関によって取引手数料には差があります。株式購入は、窓口で購入すると最低数千円の手数料かかるところがネット証券ですと数百円で済みます。

例えば、2018年に窓口の証券会社で株式を購入し、更に同じ株式を追加購入したい場合に、ネット証券等手数料の安い、証券会社に変更する事により、同じものを安く購入できることもあります。


■複数の金融機関(銀行・証券会社)に相談ができる

 金融機関によって、商品の販売方針が異なります。金融機関によっては、売りたい商品を勧められる事もあります。

現在の金融機関のアドバイスに満足できていない方は、NISA口座を複数の金融機関を持つ事により、セカンドオピニオンのように、複数のアドバイスを受ける事ができます。

相談アドバイザーの選び方は、ぜひ次の記事を読んで見て下さい。

実は選び方が難しい!NISAの始め方はプロに相談すべき5つの理由

【デメリット】

■同一金融機関でしかロールオーバーできない

 通常、NISAでは、5年間の非課税期間が終了した後に、翌年の非課税投資枠を使ってさらに5年間、非課税期間を延長することができます。

しかし、この非課税期間の延長(ロールオーバー)は同じ金融機関であることが条件となっているため、金融機関を変更するとロールオーバーができなくなります。

ただし、ロールオーバーする年に元の金融機関に戻す事により、ロールオーバーする事も可能です。

現在開設している金融機関のNISA口座にすでに取引残高がある場合は、先々ロールオーバーをする可能性についても考慮した上で、金融機関の変更を検討しましょう。

■複数の金融機関口座の管理が必要

 旧金融機関に商品を残す場合は、複数の金融機関の口座を管理する事になります。2箇所くらいであれば、負担には感じないでしょうが、証券口座が増えすぎると、管理に手間がかかります。

NISAとつみたてNISAは併用可能

NISAとつみたてNISA複数持てる

 「NISA」と「つみたてNSIA」は同一年度では持つことができませんが、年度が変われば、複数持つ事が可能です。

下記の図の通り、2018年にNISA口座で購入した商品の運用を継続しながら、2019年からつみたてNSIAを始める事が可能です。

また、「つみたてNISA」から「NISA口座」への変更も可能です。

NISA口座の具体的変更事例

■手元資金がなく、コツコツ積み立てしいている20代、30代はつみたてNISAへ変更しよう

 下記の項目に全て当てはまる方は、NISAからつみたてNISAに変更しましょう。

・手元の資金が少ない
・コツコツ少額つみたて投資(33,333円以下)をしている
・買っている商品がインデックス型
・年齢が20代〜30代

 つみたてNISAは2018年にスタートしており、非課税期間が20年となっています。
NISAは基本的に非課税期間が5年ですので、年齢が若い方にはつみたてNISAのほうが非常に有利な制度になっています。

つみたてNISAは商品の制限がありますので、購入する商品を十分検討した上で、切り替える事をお勧めします。

つみたてNISAには次の記事に詳しく書いているので、ぜひ読んで見て下さい。

つみたてNISAは30代投資初心者にお勧め!運用・始め方徹底解説

(出典:金融庁)

■ロールオーバーの年だけつみたてNISAからNISAに戻す事も可能

 NISAからつみたてNISAに変更するケースは、ロールオーバーする年の変更が多いと考えられます。

NISA制度は基本的に非課税期間は5年ですが、2018年までに購入した分までは、ロールオーバーする事により、10年間非課税で運用できます。

ただし、ロールオーバーをする年度にNISA制度を選択しておく必要があります。

下記の図のように、つみたてNISAに切り替えた後、NISAのロールオーバーが該当する年度には事前に制度を切り替えておく必要があります。

金融機関によっては、このような複雑な仕組みに対応できていないところもありますので、ご自身で判断できない場合はプロに相談する事をお勧めします。

※NISAのロールオーバーについては、下記の記事に詳しく書いてあるので、ぜひ読んで見て下さい。

NISAの5年後をQ&AでFPが解説!ロールオーバーの最新情報も

変更したNISA口座で商品を購入する方法

 変更したい金融機関で商品を購入するには、NISA口座の変更手続きが必要です。変更が完了次第、新しい金融機関で購入が可能です。

金融機関を変更する手順

 金融機関を変更する際は、次の3つのステップで手続きを行います。既に開設している金融機関に所定の手続きを取り、その後新しく開設したい金融機関に手続きを行います。

【1】現在の金融機関に変更したい旨を伝える

 現在NISA口座を開いている金融機関に、「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を送付してもらう。

【2】新しく開設する金融機関に書類を提出

新たにNISA口座を開設する金融機関に、「非課税口座開設届出書」を提出。その際、【1】で受け取った「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」も添付する。

【3】新しい金融機関で口座開設後商品を購入

 新たにNISA口座を開設する金融機関が税務署への申請手続きを行うため、あとはNISA口座開設完了の連絡が届き次第、商品を購入する。

 詳しくは、下記の記事に、わかり易く記載していますので、ぜひご覧ください。

NISA口座の金融機関を変更したい!Q&Aと図でわかりやすく解説!

NISA口座とつみたてNISAの変更手順

同じ金融機関内で一般NISA→つみたてNISAへの口座変更

 「つみたてNISAへの変更届出書」を金融機関から取り寄せて、必要事項を記入して提出するだけで完了です。

翌年から変更するためには、前年の9月から12月の間に手続きが必要です。金融機関によって提出期限が異なりますので、詳しくは、各金融機関で確認が必要です。

金融機関を変更して一般NISA→つみたてNISAへの口座変更

 金融機関を変更する手順は4-1と同じです。
違いは、新しい金融機関に届け出をする際に、NISA口座の申し込みではなく、つみたてNISAの開設届け出を提出するだけです。

まとめ

 NISA口座を複数もつ方法を解説してきましたが、金融機関選びは、商品数、サービス内容等を確認した上で検討しましょう。

資産運用で大事なポイントは、自分の目的や運用期間に合った商品を選ぶことです。

 ご自身に合った運用商品が選べない方は、一度プロに相談する事をお勧めします。プロに相談する事にハードルが高く感じる方は、セミナー等に参加してみるのも良いでしょう

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