新NISAになってもロールオーバーが可能!ケース別やり方と注意点


2024年から新NISAになるって聞いたけど、今のNISAからロールオーバーってできるの?
はい!現行NISAを使っている方は、新NISAでロールオーバーが可能です。

2024年から新NISA制度が始まります。その際、現行NISA購入分を新NISAへロールオーバーすることができます。
その結果、現行NISAで運用すると
- 2014年~2018年購入分は15年間
- 2019年~2023年購入した分は10年間
非課税で運用できるようになりました。
この記事で分かること!
- 現行NISAから新NISAへロールオーバーが可能
- ケース別、一般NISAから新NISAへのロールオーバーの仕方
- 新NISAへロールオーバー時の注意点
一般NISA(2023年まで購入分)から新NISAにロールオーバーが可能!
2024年から新NISAがスタートすることになりました。
これによって、一般NISAでは2019年以降購入分はロールオーバーができない制度でしたが、2019年~2023年購入分まで、新NISAへロールオーバーが可能となりました。
これは2020年の税制改正で、一般NISAが新NISA※としてリニューアルされる際に決まりました。
新NISAの概要
新NISA制度は下記の図のとおり、2段階方式になっています。原則、1階部分を利用しないと2階建て部分(現行NISA同様の制度)が利用できない、というのが最大の特徴です。
(つみたてNISAと一般NISAを組み合わせたような仕組みになっています。)

新NISA制度について詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
今までは、金融商品購入5年後の年に
①課税口座に移す
②売却する
の選択肢しかありませんでしたが、3番目の選択肢として
③新NISAにロールオーバー
が可能となりました。
※現行NISAを始めている人、これから始める方にとっては、有利な条件となりました。詳しくは以下の記事で解説しています。
ケース別、新NISAへのロールオーバーの仕方
現行NISAから新NISAへ全額ロールオーバ可能ですが、ロールオーバーする金額によっては、ロールオーバー後、新NISAで買付できる金額が異なります。
複雑な仕組になっているので3パターンに分けて解説していきます。
時価(資産価格)が新NISAの枠(122万円)を超えてロールオーバーする場合
現行NISAを利用している人は、新NISAの投資枠(122万円)を超えていても全額ロールオーバーすることができます。

例えば2019年に一般NISA枠で100万円投資し、5年後のロールオーバーする際に資産価格が150万円になった場合。
NISAの投資可能額は122万(1階と2階の合計)ですが、その金額を超えていても全額ロールオーバーが可能です。
ただし、新NISAの枠122万円を超えてロールオーバーした場合は、その年の新NISA枠で追加購入はできません。
時価(資産価格)が新NISAの枠102万~122万以内でロールオーバーする場合
新NISAの投資枠122万円に収まる場合は、ロールオーバーした分は2階の枠(102万円)から埋めていきます。2階の枠がすべて埋まった場合には、次に1階の枠(20万円)を埋めていきます。

例えば、2019年に一般NISA枠に100万円投資し、5年後のロールオーバー時に資産価格がが110万円になった場合。
①資産価格110万のうち、2階の枠102万円を使用
②残り8万円(110万ー102万)を1階の枠で使用
③1階残り枠は12万円(20万-8万円)
1階の枠は12万円残るため、2024年の新NISAでは12万円の範囲内であれば1階で投資が可能です。(1階なのでつみたてNISA対象商品の積み立て限定)。
時価(資産価格)が新NISAの枠102万円未満でロールオーバする場合
ロールオーバーしても2階の枠(102万円)を使わない場合は、2階の枠と1階の枠が余ることになります。

例えば、2019年に一般NISA枠で30万円投資し、5年後のロールオーバー時に資産価格が50万円になった場合。
①50万円を新NISAの2階部分に使用
②2階部分の残高は52万円(102万円-50万円)
③1階の残り枠は20万円
2階の残りの枠を、新規資金で新NISAを利用する場合、1階を利用してから2階を使うルールです。
2024年の新NISAでは、1階の積み立て投資を行った上で、2階の52万円枠を使うという順番であれば投資が可能です。
ロールオーバー時の注意点
現行NISAを利用して、新NISAへロールオーバーする方法について、解説してきましたが、主な注意点として2つありますので、確認しておきましょう
ロールオーバーした年はその金額分、新規購入ができない
ロールオーバーをした年は、その年の枠を利用するため、利用した金額分、新規の投資ができません。
そのため、持っている商品の投資の成績がいまいちで、新しい商品を買いたい場合は、ロールオーバーしない方がよいでしょう
ロールオーバーする前の年の10月~12月に書面の提出が必要
ロールオーバーする際は、ロールオーバーする年の前年の10月から12月までの間に、書類の提出が必要となります。
金融機関によって、届く時期は異なりますが、書類が送られて来た際に、ロールオーバーする書類を提出し忘れると、ロールオーバーできなくなります。
ロールオーバーする際は、届き次第忘れずに書類を提出しましょう。
まとめ
新NISAの概要から、一般NISAの活用方法について解説してきましたが、一般NISAをまだ、利用していない人は、この機会に、始めてみることをお勧めします。
また、既に始めている人も、一般NISAをなるべく使い切ることをお勧めします。
商品選びや金融機関えらびについては、FPなどのプロに相談することを検討しましょう。