知らなきゃ損!出産で申請しないともらえないお金(給付金・補助金)
妊娠して出産を控えているのですが、申請しないともらえないお金というのはありますか?
申請しないともらえないお金というのは実は様々あります。申請しないと200万円以上をもらうことができなくなります。
この記事では、出産で申請しないともらえないお金について解説していきます。
出産で忙しくなる前に必ず確認しておきましょう。
この記事で分かること!
- 出産で申請しないともらえないお金の概要
- 出産で申請しない受けられない3つの制度
- その他の申請するともらえるお金やサポート
出産で申請しないともらえないお金は200万円以上
出産前後で、”申請しないともらえないお金”というのがあります。
全てを申請した場合、給料を25万円もらっている方であれば200万円以上を受け取れることになります。
制度の利用条件などもありますが、申請しないと受けられない制度のため、忘れずに申請することが大事です。
これから出産するにあたって、申請できる制度を時系列で並べました。
申請を忘れてしまうともらうことができなくなる場合があります。必ず、忘れずに申請をしましょう!
▼職場復帰するママさんは、以下の制度をフル活用できます。
※『出産退職ママさん』は、出産手当金と育児休業給付金は、基本もらうことができません。(もらえる場合もあるため、後ほど解説)
※『専業主婦になるママさん』は、出産手当一時金しかもらうことができません。
※『パートタイムのママさん』でも雇用保険に加入していれば、もらえる制度があります。
まずは、ご自身の社会保険の加入状況について会社へ確認しましょう。
申請しないとお金は受け取れない!出産前後で忘れてはいけない三大制度
出産前後で、申請しないと補助が受けられない制度があります。
特に、以下の3つは大きな金額がもらえる制度です。
申請先や加入条件がありますので、それぞれ確認して申請しましょう。
出産前後で利用できる三大制度
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 育児休業給付金
収入によって受け取れる金額が変わるため、以下のAさんの例で確認していきます。
Aさんプロフィール
会社員:28歳
月収:額面給与25万円 ※標準報酬月額24万円(東京都)
出産予定日:1月1日(現在妊娠4か月目)
今後の予定
妊娠8ヶ月目に入ったら産休に入り、出産後は育休を取る予定。出産後は1年で職場復帰したいと考えている。
Aさんが受け取れるお金や申請のタイミングを以下にまとめました。
※記載の金額はあくまでAさんの例になります
先程の図に、Aさんの事例を当てはめると以下のようになります。
出産手当金内容参考:全国健康保険協会|出産手当金について
①出産手当金
出産手当金は、会社で健康保険に加入している会社員(一般サラリーマンや公務員)が、出産で会社を休んだ際に、休んだ分の給与の補填でお金がもらえる制度です。
会社員であれば利用できる制度です。産休に入る前に忘れずに会社へ申請しましょう。
もらえる条件 ※①〜③を全て満たす必要があります。
- 会社の健康保険組合の健康保険に加入している
※国民健康保険や旦那さんの扶養で健康保険に入っている場合はNG - 会社を休業している
※休業中に出勤した(給与をもらった)、退職した場合はNG(条件を満たしてる場合はもらえる場合もあり) - 妊娠4か月以上の出産であること
もらえる期間
- 出産前(予定日)42日(多胎妊娠の場合は98日)
- 出産後(出産日翌日)56日まで
上記①、②両方併せてもらえます。
もらえる金額
一日当たり、産休前12か月間分の平均給与(標準報酬月額)1日分の2/3がもらえます。
そこに産前産後休日数をかけた金額がもらえる金額です。
例:Aさんがもらえる出産手当金の金額は約54万円
Aさんの支給開始日以前12ヶ月の額面給与は25万円(標準報酬月額が24万円)でした。
1日あたり:240,000円 ÷ 30日 ×(2/3)= 5,611円
産前産後休日数は97日だったため、総額は
5,611円 × 97日 = 544,267円
計算式参照:全国健康保険協会|出産手当金について
申請先
申請先は、勤めている会社です。
※出産を機に退職される場合はご自身でハローワークに行き、手続きを行います。
申請タイミング
産休に入る前にお勤めの会社へ申し出てください。
会社へ申請すると、「健康保険出産手当金支給申請書※」を受け取れますので、必要事項に記入し提出します。
②出産育児一時金
出産育児一時金は、出産にかかった費用(分娩・入院費)をカバーして自己負担額を減らすことができる給付金のこと。
健康保険に入っているすべてのママが対象になります。
先に出産育児一時金の手続きを進めておくことで、出産費用分(50万円以下)のお金を準備する必要がなくなります。
分娩・入院費は妊娠から出産までにかかる一番大きな費用です。出産育児一時金は、お勤めママだけでなく、すべての”健康保険に加入するママ”が使える制度になるので、忘れずに申請しましょう。
利用できる条件
健康保険に加入している(国民健康保険、健康保険組合問わず)
※妊娠4か月以上の出産であること
金額
子ども一人あたり50万円
※双子の場合は100万円
”出産育児一時金が出産費用よりも高かった場合”は、健康保険組合に請求すると差額を受け取ることができます。
例)出産育児一時金50万円 > 出産費用40万円 = 差額10万円が受け取れる
申請先・申請タイミング
申請方法は「直接支払制度利用」した場合と「直接支払制度を利用しない」場合で異なります。
直接支払制度を利用
病院にて申請の手続きを行います。出産育児一時金を超えた金額は退院時に病院へ支払います。
直接支払制度の利用なし
病院へ出産費用全額を支払った後、加入している健康保険へ申請します。
出産育児一時金の申請を忘れてしまった場合は、出産翌日から2年間であれば申請可能です。もらい忘れていたら、忘れずに申請しましょう。
③育児休業給付金
育児休業給付金は、1歳未満のお子様の育児で会社を休業し、休んだ分のお給料の補填にあてるための給付金です。
お子様の保育園が決まらない場合は、最大2歳になるまで育児休業給付金を取得することが可能です。
さらに、パパも育休を取りやすく出来る様「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されました。詳しくは、以下の資料を参考にしてみてください。
参考:厚生労働省|産後パパ育休(出生時育児休業)
もらえる条件
- 雇用保険に加入していること
- 1年以上同じ事業主に雇用されている
- 育児休業前の2年間のうち、1ヵ月に11日以上働いた月が12ヵ月以上ある
- 育児休業中に勤務先から月給の8割以上の賃金を貰っていない
もらえる期間
養育しているお子様が1歳になる前日まで
※1歳になる前にお仕事に復帰した場合は、復帰日前日まで
お子さまの保育園が決まらないなどの要件を満たした場合は、お子様が1歳6カ月~2歳になる前日まで、給付金をもらえる期間を延長することができます。
もらえる金額
最初の6か月 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
6か月以降 = 休業開始時賃金日額×支給日数 × 50%
給料25万円のAさんの支給額の計算例
※子どもが1歳の時点で職場に復帰する場合(10ヶ月分)
最初の6か月 | 月給250,000円×67%=167,500円/月 |
6ヶ月以降 | 月給250,000円×50%=125,000円/月 |
育児休業給付金(合計) | (167,500円×6ヵ月)+(125,000×4ヵ月)=1,505,000円 |
申請先
お勤めの会社へ申請しましょう。
申請タイミング
育休前に会社に申請しましょう。
申請を忘れてしまった場合、2年間であれば遡って申請することが可能です。詳しくは、以下の資料を参考にしてみてください。
参考:厚生労働省|申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ
出産の検査や治療で戻ってくるお金
もし、妊娠・出産時に予想外の検査や治療が必要となった場合、かかった費用負担を軽減できる制度があります。
高額療養費制度
基本的に、出産は全額自己負担となりますが、自然分娩ではなく、帝王切開や吸引分娩などの「異常分娩」とされる出産となった場合は保険適用(3割負担の治療)となります。
これらにかかった費用が高額となった場合は、高額療養費制度を使うことができ治療費の負担を軽減することができます。
参考:大和市HP|帝王切開などで医療費がかかった(高額療養費)
医療費控除
医療費控除は、1年間に10万円(または所得の5%)以上の医療費を支払った場合に受けられる制度です。
妊娠・出産をした年で、医療費の支払いが10万円を超えた場合には申請することができます。
妊娠・出産だけでは10万円に届かなかったとしても、家族の分の医療費もまとめて申告できるので、医療費の領収書は必ず保管しておくことが大切です。
妊娠出産で医療費控除の対象になる医療費の例
- 妊婦定期健診費用
- 切迫早産や妊娠悪阻などの医師が認めた入院費用
- 通院や入院時における公共交通機関を使った交通費
- 入院における公共交通機関が使えない場合のタクシー代
- 入院中に病院から出された食事の費用
- 出産時の入院費用
傷病手当金
傷病手当金は、病気やケガによって仕事ができず、一定額以上給与が支払われない場合に生活を補償するためにもらえるものです。
「対象外」と思っているママも多いかもしれませんが、医師の診断書があれば、つわりや切迫流産、切迫早産などの場合でも、4日以上仕事を休み給与が支払われない場合は受け取ることができます。
産休前などはチェックしておきましょう。
その他の申請するともらえるお金やサポート
その他にも申請するともらえるお金や受けられるサポートがあります。
また、自治体によっては独自の補助金やサポートなどがあったりもします。
これらも申請しないともらえないお金なので必ず確認、申請しましょう。
自治体に申請すると全員もらえる補助金
以下は各自治体に申請すると全員がもらえる補助金です。詳しくは各自治体に確認してみましょう。
妊娠検診の助成費(各自治体)
内容:妊娠検診で使える14回分の券が受け取れる
出産・子育て応援給付金(各自治体)
※令和5年4月1日以降に出産される方向け
内容:妊婦分5万円 + 出産分5万円 = 合計10万円
注意点:申請は、妊婦分は妊娠中に、出産分は出産後4か月以内に申請が必要
※各自治体で期限等が異なるため要確認
自治体ごとにもらえるお金
独自の補助金やサポートを用意している自治体もあります。お住まいの自治体に確認してみましょう。以下は一部自治体の例です。
子育て応援金<石川県羽咋市>
内容:第1子2万円 + UFO商品券8万円 = 計10万円の子育て応援券を配布
※第2子以降は補助額が増額
子育て世帯応援金制度<岡山県吉備中央町>
内容:出生した子を養育する父または母に第1子100万円を給付
※給付条件あり
参考:岡山県吉備中央町HP|吉備中央町子育て世帯応援金制度について
まとめ
妊娠・出産では、ほとんどの制度に関して申請が必要になります。
また、働いていないともらえない、復帰を前提にしていないともらえないなど、制度でもらえる条件も異なるため、出産、育児で忙しくなる前に、確認しておくことが良いでしょう。
会社へ申請する制度については会社の規定などもあるため、まずは担当部署に相談してみると良いと思います。
もらえるお金を無駄にしないよう、事前に確認、準備を進めてみてください。
この記事が少しでも妊娠・出産・子育てのお役に立てれば幸いです。