教育資金はいくら?学校別費用一覧付!ママFPの実体験からアドバイス!

突然ですが、こどもの教育費用はトータルいくらかかるか知っていますか?
答えは……。
こども一人あたり1,038万円~2.689万円です。
1,038万円は幼稚園から大学まで全て公立の場合、 2,689万円は幼稚園から大学まで私立(理系)の場合です。
大学が私立医学部となると、なんと4000万円になります
子ども1人を育てるのに、教育費はけっこうな額がかかることがおかかりいただけたと思います。
このデータはこども一人当たりのトータルの金額ですが、一番お金がかかる時期はいつでしょうか?
それは、大学の入学時とその後の3年間(4年生大学の場合)です。
教育資金づくりにおいて、この”大学費用”の準備が最も大事なのです。
この記事では、まず初めに大学4年間の教育資金に関して説明していきます。
さらには、
・学校別(小学校・中学校など)の教育費はいくらかかるのか?
・教育資金をどのように準備をしていけばいいのか?
を詳しく解説していきます。
2020年現在、大学生のこどもが二人いるFPの私。
20年前はFPの仕事をしていませんでしたし、相談するところもなく……。たくさんの失敗を経験してきました。私のその失敗談も赤裸々にお話いたします。少しでもあなたの参考になれば幸いです。
教育費は早くから用意することが大切!
最後まで読んで、準備をしましょうね!
貯めるべき教育資金は『大学費用』
子どもの教育費でお金が一番かかる時期は、繰り返しますが、大学生の時期です。
幼児期・小・中でも習い事や塾などでお金がかかります。高校でも私立に行く場合はお金がかかります。しかし、これらは、まとまったお金を払うというより、月々の支払いです。
大学費用は、一度に一括で100万円以上を払わなくてはならないのです。
それが4年間あるわけです。月謝制や分割払いはできません。
では以下、詳しく話しましょう。
大学4年間の教育費を、国立・私立、自宅・下宿でグラフにしたものが以下になります。
私立理系(自宅)では大学4年間で809万円。下宿で1073万円です。国立大学ですら、4年間で524万円もかかります。
こんなにお金がかかるのですから、子供が生まれたら1日でも早く用意をしたほうがいいですね。
実は、おかねの貯め時は、乳児~小学校低学年までです。
小学校高学年から塾に行きだしたり、中学・高校となると、私立に行く場合もあります。公立でも、部活や交通費、いろいろかかります。ですので、早く準備しましょう。(具体的な方法は3章、4章でお話しします)
・大学1年次…170万円
・大学2年次〜大学4年次…各140万円
<その他費用>
・交通費…年間20万円
・教材費…年間5万円
※上のグラフ(私立文系)より学費が高くなってしまいました…。
<こんな考えもあるけど…その1> “その時になったらなんとかなるや。足りなかったら借りればいいや” ☞お金が湧いて出てくるわけではありません。 ☞自分たちの老後は大丈夫? |
<こんな考えもあるけど…その2> “こどもが(※1)奨学金を借りればいい。無利息で借り入れできる場合もあるし” ☞働く前から働くことを前提に借金をすることになる ☞結婚・出産・子育て時期に、返済が残っている ☞「奨学金を受けるにふさわしいか」審査がある
|
教育費はいくらかかるか
冒頭で話した通り、こども一人あたり教育でかかる費用は
1,038万円~2,689万円です。
各学校別の費用とトータル額をみてみましょう。
注)幼稚園は3年間、小学校は6年間、中・高校は3年間、大学は4年間のトータルです。
出典:日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査結果」、文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」、文部科学省「令和元年度 私立高等学校授業料等の調査結果」、文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」、文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に関わる初年度学生納付金平均額調査結果」、など
幼稚園から高校まで公立、大学も国立の場合1,038万円。公立でもこんなにかかるんです!更に、表を見てもわかる通り、やはり大学ではお金がかかりますね。
親としては、“国立大学に行ってくれればいいのに“ と思いますよね。しかも家から通える範囲で。(しかし、そう親の思い通りにはいかないものです…。)
大学受験の時の話です。私立大が3校と国立1校の願書を提出。本人が一番行きたかったのは私立大でした。念願叶い、一番行きたかった私立大が先に受かりました。結局、国立大は申し込んだもの、受験しませんでした。
本人がどうしても行きたい学校なら、「だめ!国立に行きなさい!」とは言えませんよね…。親は、子供の希望を叶えられるように、余裕をもってお金を用意する必要があるのです。
大学のみ私立文系の場合で、1193万円。
高校からは私立で大学文系は、1462万円です。
これは子供一人あたりです。子供が二人いたら2倍の金額になりますね。
<塾の費用> 中学受験・高校受験・大学受験の塾の費用です。入塾金と学費をまとめました。(模擬試験や夏季・冬季・春季講習は入っていません)
受験をするとなると、塾の費用もかかります。こちらは月謝制ですから、毎月の収支から捻出することになります。 |
教育資金の準備の考え方
計画を立て目標額をきめることが大事
1章で、キッチリ貯めるべきは大学費用と述べました。
まとまったお金が必要になる大学費用は、事前事前に準備を進めていかなくてはなりません。
ではどのように準備をしたらいいでしょうか?
教育資金の準備の考え方を説明します。
ただ ”お金を貯める!” と貯めていくのはいけません。順序だてて計画を立てることが重要です。
②計画をたてる
①いくら貯めるか目標を決める
私立文系で目標金額を低く見積もるより、私立理系で、目標金額を高めにすることをおすすめします。理系になるかもしれませんからね。
例)私立理系4年間 約781万 円
②「いつまでに」「いくら」の計画を立てる
こちらは「いつまで」に「いくら」かを決めます。
例)
いつまでに → (※2)15歳までに
いくら → 781万円
781万円 ÷ 15年 ÷ 12か月 = 43,388円/月
毎月43,000円貯めていけば、15年間で781万円貯まる計算になります。
※2 なぜ15歳までに貯めなくてはいけないのか 大学の費用なら18歳(高校3年までに)と思うかもしれませんが、15歳までにしたほうがいいです。 高校になると急に出費が多くなります。高校で私立に行く場合もあります。 また、大学3年時、一般入試の場合、受験費用が1試験 35,000円(2018年)です。 よって、15歳までに大学費用を用意して、受験費用は、別途用意することをおすすめします。 |
子供が生まれた当時はFPの資格もなく、お金に関する知識もありませんでした。ですので、”増やす”という感覚は無く、貯金だけでなんとかしようと思っていました。
子供が6歳になってから人に勧められて初めて、「学資保険」に入りました。当時の学資保険は今よりは利率が良かったです。しかし、スタートが遅かったため、あまり多く増えては戻ってきませんでした。もっと早く“増やすこと”を始めていればと後悔しています。
注)現在は利率が低いので学資保険はお勧めしません
以下の記事では、大学費用を用意する具体的な方法が記載されています。ぜひ参考にしてみてください。
インフレも考慮することが大事
前章では、781万円を用意するのに、毎月43,388円貯めると解説しましたが、15年という長い時間は、インフレを考えなければいけません。
■インフレとは 時間の経過とともにモノやサービスの値段が上がることです。 例) |
現在の国立大学の授業料は53万円です。1975年の国立大学の授業料は、たった36,000円とは驚きですね。
ですので、長期で大きなお金を貯めていく場合、インフレも考えて準備をしていかなければなりません。
学費が80万円くらいでしたから100万円で足りると思っていたのです。インフレの事を考えていなかったのです。大学2年以降の学資もありません。
教育資金の準備の仕方
3章では、教育資金の考え方を解説しました。
それでは、計画を立てたら、次はどのように準備をすればよいのでしょうか。
預貯金のみで貯めていくのは、低金利の現在、得策とはいえません。
銀行や郵便局の預貯金で用意しても貯まりはするけど増えはないしないですね。
2020年8月現在、郵便局の通常貯金(普通預金のこと)は、0.001%です。(※ ゆうちょ銀行|金利一覧 より)
100万円を1年間預けて、利息は10円です。仮に100万円を10年間預けても利息はたった100円です。
ぜんぜん増えませんね。
それでは、教育資金をどのような方法で用意していけばいいのでしょうか。
以下説明していきましょう。
ジュニアNISAを利用してお金を増やす
先に述べたように、教育費はとてもお金がかかります。ただ銀行で貯めていっても増えては行きませんから、“お金に働いてもらって”、つまり、資産運用をしてお金を増やしていきましょう。
その一つの方法として、ジュニアNISAがあります。
■ジュニアNISAとは 0~19歳の子ども名義で口座を開設し、親権者が代理で株や投資資信託などで運用します。運用で得た利益に対して税金がかからない、という制度です。 ※通常の投資信託は、運用益や売却益に税金(20.315%)が課せられます。 |
・通常利益に対して税金がかかるが、ジュニアNISAを利用すれば非課税
・20歳まで非課税で運用ができるので長期で運用をすればマイナスが軽減される
私立では4年間総額で約400~500万円の費用がかかります。(医学部除く)
ジュニアNISAは最大で、80万円×5年間 = 400万円の運用ができます。
これだけでも400万円を確保できますが、仮に運用がうまくいって、5%(複利)のリターンであった場合、18年間で753万円になります。
大学4年間の費用に十分あてられますね。つまり、ジュニアNISAは大学の学費準備にピッタリなのです。
5年の投資期間終了後は20歳まで「継続管理勘定」へ移管(※ロールオーバー)し、非課税で運用
できます。これは、ジュニアNISAならではのメリットといえます。
■ロールオーバー 5年の投資期間が終了したら“もう非課税で運用できない”ではなく「継続管理勘定」という場所へ移管することができます。この移管することをロールオーバーといいます。 ロールオーバーをすることで、20歳まで非課税で運用できます。ロールオーバをしないと課税されます。ロールオーバーをすればその課税分も多く運用ができるということです ※注意点 https://okanenokozuchi.com/three-merit-junior-nisa/ |
外貨建終身保険でお金を用意する
子どもの大学費用といえば「学資保険」が主流でした。
ところが、低金利の現在、学資保険も金利と関係していますから、昔と比べて満期時の戻りがあまりよくありません。契約した金額よりも払い込む保険料のほうが多くなってしまう保険会社もでてきました。
そこで有効なのが、外貨建て保険を利用する方法です。
詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
児童手当は使わずに別の口座で管理・運用する
ご存知の方は多いと思いますが、※児童手当という制度があります。3歳までは15,000円/月、それ以降中学校3年生までは10,000円/月が支給される制度です。(所得によって金額は異なります)
■児童手当とは 中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に、支給される手当のことです。 |
これを満額受け取った場合、子供一人あたり、15歳まで198万円貯まることになります。(下記表参照)
児童手当は子供のために使わないで取っておく!と決めましょう。
児童手当月額表 | |||
3歳未満 | 3歳〜小学校終了前 | 中学生 | |
1人目 | 15,000円 | 10.000円 | 10.000円 |
2人目 | 15,000円 | 10.000円 | 10.000円 |
3人目 | 15,000円 | 15,000円 | 10.000円 |
子ども名義の銀行口座をつくって、面倒でも、毎回お金を移すことをお勧めします。
このお金をきっちりと使わずに貯めておくのですが、ジュニアNISA制度や外貨建保険の資金にして、運用にまわすのもいいですね。
親からの援助 贈与という方法もある
自分たちだけでお金を用意できない場合、親からの援助をしてもらうという方法もあります。
親からお金をもらう場合、通常、贈与税がかかります。しかし、1年間のうちで110万円以内であれば、贈与税はかかりません。これを基礎控除といいます。
ジュニアNISAの場合、年間80万円まで投資ができます。110万円の基礎控除範囲内ですので、基本的に贈与税はかかりません。
援助をしてもらうのもひとつの方法ですね。
以下はジュニアNISAの贈与に関して詳しく載っている記事です。
まとめ
教育資金がいくらかかるか説明してきました。教育資金がトータルで結構かかることに驚かれた方もいるでしょう。
私立大学に子ども2人を通わせている私としては、皆さんに私のような失敗をしてほしくありません。しっかりとお子様のためにお金を準備してあげましょう。
どうしたらいいかわからない方はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみてください。
一番ベストなプランニングをしてくれますから。