女性一人暮らし、老後の収入と支出。老後を楽しくする為の資金計画


このまま一人暮らしを続ける予定ですが、老後の備えはどのくらい必要ですか?
難しそうに感じる計画ですが、整理をすれば理解することは難しくありません。
本記事では、収入面・支出面から必要な資金計画について解説していきます。
この記事を読んで、老後の生活をイメージしてみてください。
一人暮らしの女性の老後の収入
まずは、老後の生活をイメージするために、老後の収入から見ていきましょう。
老後の主な収入は以下の4つです。

それぞれ見ていきましょう

一人暮らしの女性の場合は、家族や子供をあてにできないので、「国」「勤務先」「自分」が頼りですね。
国の制度~公的年金
老後の収入のメインとなるものは公的年金です。65歳から受け取れます。
年金額は、
- 何年働いていたか?
- 年収がどのくらいだったか?
によってかなり変わってきます。
下の表は厚生年金加入者(会社員・公務員など)の公的年金額の目安です。

※年収は、20歳~60歳(又は65歳)の平均の年収です。
65歳まで働いたほうが年金額は増えますし、年収が高い方が年金額は多くなります。まずは、公的年金がいくらくらい貰えるかを知っておきましょう。

自営業の方や、働いていない期間のある方は年金が少なくなります。
勤務先の制度~退職金、企業年金、企業型確定拠出年金
勤務先によっては、退職金や企業年金、企業型確定拠出年金など制度があり、それが老後の収入となります。制度の有無を確認しましょう。
勤務先の制度と確認方法

これらの制度があれば老後の収入となりますので、制度の有無や金額がいくらくらいになるか確認しておきましょう。
自分で準備をする~個人年金、iDeCo、NISA
自分で、老後準備のために個人年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めていればそれが老後の収入となります。NISAも老後の収入確保に利用できる制度です。

これらの制度は、
- いくらくらいのお金を積み立てる(努力)
- どの制度や商品等を選ぶ(知識)
により金額が大きく変わってきます。
老後の収入を確保するためには努力と知識が必要です。

お金を増やすための知識があれば楽しい老後が送れるかもしれませんね。
自分が働く
退職したあと65歳まではなるべく働きましょう。
この期間をどのように過ごすかということで老後の生活は大きく変わってくるからです。
変わってくることは、主に以下の2つです。
- 無収入の期間がなくなる。(65歳からは年金)
- 今あるお金を、65歳以降の生活にお金を回せる。(資産運用で増やすことも可能)
よほどお金に余裕がない限りは65歳まで働きましょう。

再雇用、転職、したいと思っていた仕事に就く、フリーランスなどいろいろ選択肢がありますね。
一人暮らしの女性の老後の支出
次に、老後の支出を見ていきましょう。
老後の主な支出は以下の5つです。


「お金」のことはもちろんですが、「健康」「介護」も不安が多いようです。
老後の不安は大きく「お金」「健康」「介護」
メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」によると、老後の不安を感じることは以下の通りです。
「お金」・・生活費、住宅費などの他、レジャーを楽しむためにもお金は必要ですね。
「医療」「介護」・・健康を維持し、医療や介護が不要なことが理想ですが、それらが必要になったときには、やはり「お金」の問題になってきます。

医療や介護が必要になっても大丈夫な対策をとっておきたいものですね
生活費
老後の生活費は今の生活費を基準に考えましょう。
老後の希望する生活は人それぞれ違うからです。
ちなみに、女性の一人暮らしの生活費(60歳以上)の平均は14.2万円(※1)ですが、
- 趣味に没頭したい
- 外食を増やしたい
など、希望する生活によっても変わってきます。まずは、今の生活費をベースに老後の生活費を考えましょう。
(※1 参考:総務省「家計調査報告(家計収支編) 2021年 単身世帯」)

生活費と住宅費とは分けて考えましょう。持ち家と賃貸の違い、地域の違いによって住宅費はかなり差があるからです。
住宅費
老後の住宅プランをどうするかということは重要です。住宅費は支出の中で占める割合が大きいからです。
老後、住居をどうするのかに関しては以下のような選択肢が考えられるでしょう。
- 購入する
- 賃貸で借りる
- 実家に帰る
また、上記のような選択以外にも老人ホームなど自立ができなくなった時のプランも考えておく必要があります。

なるべく多くの選択肢を想定しておくことが大切で、どのプランになっても実現ができるようにしましょう。

「何年か海外に住んでみたい」「温泉付きの家がいい」など夢は広がりますね。
レジャー
レジャーや趣味などのお金も考えておきましょう。生活するだけでは、楽しい老後にはなりませんよね。
- 旅行に行きたい
- 新しい趣味を増やしたい
- 美容代をキープしたい
などが該当しますが、下記は、あくまでも目安の費用です

医療費
女性が老後を一人で過ごす場合、医療費は自身で準備する必要があります。
- 健康保険制度の保険料と自己負担額
- 実際に病気やけがをしてしまった時の費用
を考えましょう。
75歳までは保険料も医療費負担も現役時代と同じルール
現在の健康保険制度において、75歳までは現役時代と保険料や医療費負担割合のルールは現役時代とあまり変わりません。現役時代の健康保険制度が継続するからです。
実際には、
- 保険料は均等割+所得割
- 医療費負担割合も3割(一部軽減あり)
となります。
75歳になれば後期高齢者医療制度となり、保険料も安くなり負担割合も下がりますが、それまでは医療費の負担大きいと言えるでしょう

90歳までにかかる医療費の平均は230万円前後
実際に医療費の自己負担額はどのくらいになるのでしょう?
下記の表は、年間の医療費の自己負担額の平均です。計算すると60歳~89歳までにかかる医療費の平均は約230万円です。


入院時に個室などを選択すると、差額ベッド代がかかります(全額自己負担)。
その場合、更に医療費がかかりますので、注意しましょう。
介護費
介護の費用580万円を目安に備えておくと安心です。
実際の介護に要した期間と費用から計算するとこのくらいの金額になります。

(参考:生命保険文化センター 「生命保険に関する全国実態調査」2021(令和3)年度」)
上記のデータを元に計算すると
一時金74万円+(月々の費用8.4万円×61.1ヶ月)=約580万円
となります。
女性一人暮らしの場合、介護費用も自分で用意する必要があります。

医療費や介護費は、貯蓄か保険で準備しましょう。
介護はサービスの利用は女性が男性の2.2倍
介護が必要な高齢者の内訳は以下の通りです。
女性 約368万人(男性の2.2倍)
男性 約163万人
女性は男性よりも介護費を意識する必要があります。
イメージができたら老後の準備を始めよう
収入と支出のイメージができたら幸せな老後に向けて準備を始めましょう。
よほど資産に余裕がない限りは、事前の準備や実際の計画が大切です。
具体的には、以下の図のようなステップで考えてください。

自分で準備をしたり計画を立てることが難しい人は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談しましょう。サポートを得られるはずです。
まとめ
一人暮らしの女性にとって老後の生活は自分で何とかしていかなくてはいけないことが多くなります。
実際にはお金の問題が大きく、解決策としては、資産運用でお金を増やし、保険でリスクをある程度カバーすることが対策となります。
いずれにしても、「老後はまだ先」と思わずに、計画をしっかり立て早めに対策を実行することをお勧めします。