三大疾病保険は本当に必要?いらないと言われる3つの理由をわかりやすく解説

TOP おかねの小槌 三大疾病保険は本当に必要?いらないと言われる3つの理由をわかりやすく解説
三大疾病保険は本当に必要?いらないと言われる3つの理由をわかりやすく解説
2025.05.09

三大疾病保険は本当に必要?いらないと言われる3つの理由をわかりやすく解説

「三大疾病保険はいらないって言う人もいるけど、実際どうなんだろう」そんな悩みを抱えていませんか。

この記事では、そんなあなたの悩みを解消するために、三大疾病保険の基本から、「いらない」と言われる理由、それでも「備えておきたい」必要性までを解説していきます。

加入するならどんな点に注意して選ぶべきかというポイントも紹介するので、自身にとっての最適な保険選びの参考になるはずです。本記事を読んで、将来の不安を少しでも軽くしていきましょう。

この記事を書いたFP
三大疾病保険は本当に必要?いらないと言われる3つの理由をわかりやすく解説
武森 聖佳
武森 聖佳
お金の勉強は将来に役立ちます! まずは一緒に学んでいきましょう!

そもそも三大疾病保険とは

この章では、まず三大疾病保険の基本についてわかりやすく解説します。

三大疾病にはどんな病気の種類があるのか、そして三大疾病保険がどのように私たちの助けになるのかを見ていきましょう。

本内容をチェックして、三大疾病保険が自分にとって本当に必要な保険なのかどうかを考えてみてください。

三大疾病の種類

「三大疾病」とは、「がん(悪性新生物)」「心疾患」「脳血管疾患」の3つの病気を指します。

三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)の解説。がんは細胞の異常増殖、心疾患は心臓の血管の問題、脳血管疾患は脳の血管の詰まりや破れ。

これらは日本人の死因の上位を占めている、私たちにとって非常に身近な病気です。厚生労働省の統計(令和5年)によると、日本人の死因のうち約45.6%がこの三大疾病によるものでした。

死因の割合を示す円グラフ。悪性新生物24.3%、心疾患14.7%、老衰12.1%、その他25.0%など。

出典:生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」

このように、三大疾病は命に関わる重大な病気であり、誰にとっても他人事ではありません。それぞれの病気について基本的な知識を持っておくことが、将来への備えを考えるうえでとても大切です。

三大疾病保険で備えられること

三大疾病保険は、先ほど説明した「がん」「心疾患」「脳血管疾患」と診断されたり、所定の状態になったりした場合に、経済的なサポートを受けられる保険です。

三大疾病保険の主な保障内容は以下の通りです。

三大疾病保険の給付金の種類。診断一時金、入院給付金、手術給付金があり、それぞれ診断時、入院日数に応じて、所定の手術を受けた場合に受け取れる。

これらの保障があることで、経済的な心配を軽減し、治療に専念しやすくなるというメリットがあります。

三大疾病保険がいらないと言われる3つの理由

「三大疾病保険はいらない」という声も聞かれます。なぜそう言われるのか、主な理由は次の3つです。

  • 他の保険でカバーできる
  • 公的医療保険制度が充実している
  • 保険料が無駄になる可能性がある

ひとつずつ見ていきましょう。

理由1.他の保険でカバーできる

三大疾病保険がいらないと言われる理由の一つは、すでに加入している他の保険で三大疾病の保障をカバーできている場合があるからです。

例えば、一般的な「医療保険」やがんに特化した「がん保険」にも、三大疾病に関連する保障が含まれていることがあります。

もちろん、保障内容は保険商品によってさまざまです。医療保険だけでは、三大疾病と診断された際の一時金が出なかったり、がん以外の心疾患や脳血管疾患に対する保障が手薄だったりする可能性もあります。

現在加入中の保険の保障内容を確認し、三大疾病のリスクに対して十分な備えができているなら、新たに三大疾病保険に加入する必要性は低いかもしれません。

理由2.公的医療保険制度が充実している

日本には、誰もが加入する公的医療保険制度があり、これが三大疾病保険はいらないと言われる大きな理由の一つになっています。

私たちは病気やケガで病院にかかった際、窓口で支払う医療費は、かかった費用の全額ではなく、一部(通常は3割、年齢や所得により異なる)で済みます。これは公的医療保険のおかげです。

さらに、「高額療養費制度」という仕組みもあります。これは、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が一定の上限額を超えた場合に、その超えた分が後から払い戻される制度です。

このように基本的な治療費は公的制度である程度の保障がされているため、それだけで十分と考える人もいるのです。

理由3.保険料が無駄になる可能性がある

三大疾病保険がいらないとされる理由には、三大疾病にならなかった場合、支払った保険料が無駄になってしまうと感じることが挙げられます。

特に「掛け捨て型」と呼ばれるタイプの保険は、保険期間中に三大疾病にならなければ支払った保険料は戻ってきません。将来のリスクに備えるためのコストと割り切れれば良いのですが、「何もなければ払い損」と感じてしまうのも無理はありません。

このように保険料を支払うこと自体を負担に感じたり、他のことにお金を使いたいと考えたりする場合、三大疾病保険への加入をためらう理由になるのです。

本当にいらない?三大疾病保険の必要性

「三大疾病保険がいらない」とされる理由を見てきましたが、一方でその必要性を感じて加入する人がいるのも事実です。

では、どのような点から三大疾病保険の必要性が考えられるのでしょうか。この章では、三大疾病保険の必要性を考えるうえで重要なポイントを3つ解説していきます。

  • 三大疾病のリスクは誰にでもある
  • 治療費が高額になった場合の備えになる
  • 先進医療を受けられる可能性がある

三大疾病のリスクは誰にでもある

三大疾病保険の必要性を考えるうえで最も大切なことは、「三大疾病のリスクは誰にでもある」ということです。

「自分はまだ若いから大丈夫」「健康には自信がある」と思っていても、三大疾病は年齢や性別、生活習慣に関わらず、誰にでも突然訪れる可能性があります。

もちろん年齢が上がるにつれてリスクは高まります。しかし、若い世代でも不規則な生活や食生活の乱れ、遺伝的な要因などから発症するケースは少なくありません。

いつ誰が罹患してもおかしくない病気だからこそ、万が一への備えとして保険を検討する価値があるといえるのです。

治療費が高額になった場合の備えになる

三大疾病の治療には高額な費用がかかる可能性があります。これも、保険の必要性を考えるうえで重要なポイントです。

公的医療保険制度による自己負担額の上限があるとはいえ、それでも負担がゼロになるわけではありません。特に、入院が長引いたり、手術や薬物療法が複数回必要になったりすると医療費の負担は大きくなりがちです。

生命保険文化センターの2022年度の調査によると、入院時の自己負担費用の平均は約20万円でした。

治療費または保険金支払額の分布を示すドーナツグラフ。平均19.8万円。10~20万円未満が33.7%と最多。

出典:生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」

これはあくまで平均であり、病状によってはさらに高額になることも考えられます。このような経済的な負担に備えるために、三大疾病保険が役立つ場面があるのです。

先進医療を受けられる可能性がある

より良い治療を受けたいと考えた場合、「先進医療」という選択肢が出てくることがあります。これも三大疾病保険の必要性に関わるポイントです。

先進医療とは、厚生労働省が認めた高度な医療技術のことです。しかし、この先進医療は公的医療保険の対象外。そのため、技術料は全額自己負担となり、数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。

もし、自分や家族が三大疾病になったとき、「お金の心配をせずに、最善の治療を受けたい」と考えるのであれば、先進医療の費用をカバーできる保障は心強い味方になります。

三大疾病保険を選ぶときに押さえておきたい3つのポイント

三大疾病への備えとして保険の必要性を感じたら、次は具体的にどんな保険を選べば良いのかを考えるステップです。

この章では、三大疾病保険を選ぶときに押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

  • 保障内容
  • 保険期間
  • 保険料

これらのポイントを理解して、あなたにぴったりの保険を見つけてください。

ポイント1.保障内容

三大疾病保険を選ぶうえで、最も重要と言っても過言ではないのが「保障内容」の確認です。保障内容が自分のニーズや心配事に合っていなければ、いざという時に十分なサポートを受けられません。

具体的には、次の点を確認しておきましょう。

  • 「診断一時金」がいくら受け取れるのか
  • その支払い条件(初めて診断された時だけなのか、再発した場合も支払われるのかなど)

また、「入院給付金」の日額や支払い日数の上限、「手術給付金」がどのような手術を対象としているのかも重要なチェックポイントです。

ポイント2.保険期間

次に確認したいのが「保険期間」、つまり保障がいつまで続くのかという点です。三大疾病保険の保険期間には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 定期タイプ:保障される期間が「10年間」や「60歳まで」のように決まっている
  • 終身タイプ:保障が一生涯続く

ライフプランや将来のリスクに対する考え方によって、最適な選択肢は変わります。自身の年齢や家族構成、将来の計画などを考慮して、どちらのタイプが自分に合っているか検討してみてください。

ポイント3.保険料

現実的な問題として、「保険料」が無理なく支払い続けられる範囲かどうかも確認しましょう。どんなに充実した保障内容でも、保険料の支払いが家計の大きな負担になってしまい、途中で保険を続けられなくなっては元も子もありません。

保険料は、加入する人の年齢や性別、健康状態、選ぶ保障内容、保険期間など、さまざまな要素によって決まります。

必要な保障をしっかり確保しつつ毎月の家計を圧迫しない、そんな適切なバランスを見つけることが大切です。

まとめ

この記事では、決して他人事ではない「三大疾病保険」について解説してきました。三大疾病は、治療費が高額になるリスクがあります。しかし一方で、日本の公的な医療制度が充実しているのも事実です。

大切なのは、自身の健康状態や貯蓄、家族構成などを考慮して、自分にとって本当に必要かどうかを適切に判断することです。

もし「自分だけでは判断が難しい」「もっと詳しく知りたい」と感じたら、お金と保険の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。

マネースクール101では、保険に関するお悩みをFPに直接相談することが可能です。気になる方は、下記のリンクからお気軽にご相談ください。

無料相談に申し込む

この記事をシェアする

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を読んだ人におすすめ

記事を探す